積立利率変動型終身保険ってお得なの?どんな保険か知りたい!

「積立利率変動型終身保険」がどんな保険か知っていますか?

名前だけ聞いているとよくわからない保険だと感じるかもしれません。
けれども、どんな保険かわからないので、加入していいかどうかもわからないという人も少なくないでしょう。

実際は、「普通の終身保険よりも得するかもしれないし、損をするかもしれない」種類の商品です。

今回は、積立利率変動型終身保険の仕組みからメリット・デメリットまで解説します。

積立利率変動型終身保険について知りたい!

積立利率変動型終身保険。名前を聞いただけで頭が混乱してしまいそうです…
そう難しく考えることはないぞ。保険金が変動する終身保険と考えればよいんじゃ

生命保険は、保険金を受け取るまでの間に生命保険会社が保険料を運用しています。

通常の終身保険は、運用するときの予定利回りを加入時に決めてしまっているので一定額の保険金が受け取れます。そのため、通常の終身保険は「積立利率固定型終身保険」だと言うことができます。

一方の「積立利率変動型終身保険」は、将来の経済情勢に応じて利回りを変動させることを前提としているため、将来受け取る生命保険金が変動することになります。

ただし、「万が一に備える保険」であるため、運用利率の最低保証利率を設定し、生命保険金の最低ラインも保証しています。

利率変動型終身保険のメリット・デメリット

積立利率変動型のメリットは、最低保証利率が設定されているため、受け取ることができる保険金も最低額を下回ることはないと言うことです。

その一方で、市場金利にあわせて積立利率を定期的に見直しているため、金利とともに積立利率が上昇した場合には死亡保障額が増加します。
積立利率が高い状態が続けば、保障期間中にどんどん保障金額が増えていくという特徴があります。

つまり、将来のインフレリスクにも備えられる「資産運用」と「貯蓄性」を兼ね備えたタイプの終身保険なのです。

逆にデメリットとなるのが、最低保証利率が続いてしまった場合です。
金利変動があっても、超低金利で最低保証利率が続いてしまうと、解約返戻金額が元本(払い込んだ保険料総額)を割り込んでしまう可能性が高いのです。

もちろん、その場合でも死亡保障金額が減っていくということはないのですが、途中解約する可能性もあるかもしれないのであれば、解約時の受取額の推移にも注意しておきたいところです。

現状の日本では、今後どれくらいインフレが進んでいくのかは未知数です。日本銀行が超低金利政策を継続している限りは、なかなか積立利率が上昇していかない可能性が高いかもしれません。

また、シンプルな終身保険と異なり資産運用を積極的に行うことになるため、保険料が高くなってしまうというのも難点です(その分、解約返戻率が低くなってしまっているのです)。

インフレリスクって何?

メリットのところで「インフレリスクにも備えられる」と書きましたが、「インフレリスク」について補足します。

一般的に、金利が上昇するとモノの値段も上昇します。モノの値段が上がることがインフレですが、これは裏を返せば「お金の価値が下がっている」ということができます。

例えば、チョコレートが100円から200円に値上げされると、200円はチョコレート2個分から1個分にしか変えられなくなったわけです。同じ金額でも買えるものの量が減ってしまうことがインフレリスクだと言うこともできます。

つまり金利が上昇しているときは、現金や一定額が受け取れる保険よりも、資産運用をした方が有利だということになります。

積立利率変動型終身保険をシミュレーション

保険金額が増えるって、どれくらい増えるかもしれないんですか?
それでは、実際にシミュレーションしてみよう。

積立利率変動型終身保険の保障内容を、三井住友海上あいおい生命の「&LIFE」を使ってシミュレーションしてみましょう。

30歳男性が基本保険金額(※)1,000万円、60歳払済での試算です。
※基本保険金額は、最低保証利率が継続した場合の死亡保険金

 積立利率
0.5%(最低保証)
積立利率
0.75%
積立利率
1.00%
月額保険料25,880円
総払込保険料9,316,800円
払済時点での解約返戻金935万円972万円1011万円
解約返戻率100.3%104.3%108.5%
払済時点での死亡保険金1,000万円1,039万円1,080万円

&LIFEは、保険料の払込期間満了後の保障内容を変更することができます。

通常の死亡・高度障害状態に対して一括で保険金を受け取れる方法以外に、死亡保障の全部または一部を「年金形式」で受け取る方法と、約款所定の介護状態になった場合に死亡保障の全部または一部を「介護年金」で受け取る方法から選択することができます。

また、保険料の割引制度もあります。健康状態・喫煙歴・自動車運転履歴に応じて、「非喫煙者標準体保険料率」と「SD非喫煙者優良体保険料率(※)」があります。
上記のシミュレーションでの場合、非喫煙者標準体保険料率では23,738円、SD非喫煙者優良体保険料率では23,571円となります。
※SD=セーフィティ・ドライバー(優良運転者)

気になる解約返戻金はどうなってるの?

積立利率変動型の特徴はわかりましたが、普通の終身保険と比べてみるとどうなんですか?
最低積立保証利率が続いた場合は、固定型の方が返戻率は有利なんじゃ。

積立利率変動型終身保険への加入を検討する場合、忘れてはならないのが積立利率固定型である通常の終身保険との比較です。前述の&LIFEとオリックス生命の終身保険RISEで比較してみましょう。

 三井住友海上
あいおい生命
&LIFE
オリックス生命
RISE
月額保険料25,880円21,740円
払済時点の解約返戻率100.3%111.3%

※データは各社ホームページより
※30歳男性、死亡保険金1,000万円(60歳払済)で試算。

いかがでしょうか。通常の終身保険よりも保険料が高くなっているのがわかります。
そして、最低保証利率が続いた場合には、通常の終身保険よりも解約返戻率が低くなってしまいます。

また、比較的若いうちに固定型の終身保険に加入した場合は解約返戻金が元本を割り込むことはないのですが、変動型では元本を割り込んでしまいます。

現在の最低保証利率は0.50%となっていますが、積立利率が2.5%程度にならないと、通常の終身保険に近い解約返戻率にならないということになります。

&LIFEの積立利率は、「10年国債の応募者利回りを(最長10年)平均したもの」から「運用に必要な費用として0.2%」を差し引いたものとしています。

最低保証積立利率は0.50%となっているのですが、それ以降ずっと、積立利率が0.50%を下回っているため、最低保証利率が適用されています。

このままの状態が続くのであれば、固定型の終身保険の方が有利だということができるでしょう。

まとめ

  • 生命保険株式会社が倒産しても、生命保険契約者保護機構によって、保険契約が継続する措置がとられる。
  • ただし、継続される保険契約は、契約条件変更が行われる可能性がある。
  • 特に貯蓄性保険や予定利率が高い保険、保険期間が長い保険で、保険金や解約返戻金の削減幅が大きい。
  • 生命保険会社の倒産後すぐには、簡単に解約できないしくみになっている。
  • 生命保険会社の経営健全度を判断するためには、ソルベンシー・マージン比率や基礎利益といった指標をチェックしよう。
将来の金利上昇を予想するなら、積立利率変動型の方がいいんですね!
ただ、その予想が難しいのが難点じゃ。資産運用に自信がないなら、加入するかどうかは慎重にするべきじゃな。

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