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セキュリティーの脆弱性が露わに、ビットコインの危険性

2017年はビットコインの投資家にとっては非常にラッキーな年になったのではないでしょうか。一部の投資家が「ビットコインを買えばお金が勝手に増える」というほどに連日連夜の価格高騰に沸きました。しかし、ビットコインは本当にそんなに美味しい投資なんでしょうか?

もちろん、投資と呼ぶぐらいですから、リターンの大きさの反面、大きなリスクも常について回るのは事実です。ビットコインバブルに惑わされて、盲目になりがちですが、投資をする以上どういったリスクがあるのかを理解するのは必須です。

今回は、あまり語られていない、ビットコインの危険性についてスポットを当てて紹介したいと思います。

知っておきたいビットコインに投資する際の危険性

ビットコインに投資している人の大半が、価格の高騰を狙い、ビットコインを保有している状態にあると思います。ビットコインレートの値上がりから得られる利益のことをキャピタルゲインと言いますが、ビットコインは今まで好調だったので多くの投資家が大きなキャピタルゲインを得てきました。

では、好調がひと段落した今、状況はどうでしょうか。2018年の12月以降、パニック相場に近い状況に陥っていて、ビットコイン価格が1日に20%以上乱降下する日が珍しくなくなりました。こういった状況に陥ると、投資家はキャピタルロス、すなわち資産価値の下落に悩まされることになります。1日に20%以上、資産価値が下がるのですから気が気じゃないでしょう。

株式投資の場合、こういった状況を回避して、相場の混乱、または資産家の資産を守るためにストップ安や、反対に市場の加熱しすぎな状況を防ぐためにストップ高というものが設定されています。ストップ高やストップ安は、その日の値動きが前日比でプラスマイナス20%から30%のところに基準値が設定してあります。

つまり、株式投資の場合、1日でそれ以上の損失を出すことはないような設計になっているのです。

しかし、ビットコインにはそういった価格変動の制限は設けられていないので、青天井で価格は変動します。これは、株式投資に比べて大きなリスクと言えます。
ビットコインの取引という行為は多くの国でグレーゾーンにあることがあります。

日本では最近、金融庁が監視する方向に動きつつありますが、明確な規定やルールが存在する訳ではありません。取引所の存在自体が不安定で、確固たるものではありません。

会社の信頼性はもちろんのこと、いきなり取引停止してしまったり、マネーロンダリングなどの規制などに引っかかればその仮想通貨や取引所の存続自体危ぶまれます。こういった状況に陥ってしまうと、自身が仮想通貨として保有する資産や、法定通貨で取引所に預けている資産の安全性が脅かされます。

例えば、株式取引の場合、証券口座に預けている現金は通常保険がかけられており、証券会社が倒産した場合も現金や株式といった資産は速やかに持ち主に変換されるようになっています。ビットコインはそういった法整備ができていないのでどうなるかは正直なところわかりません。取引所の事業者のモラル頼みになってしまうところがあります。

取引所が信頼の置ける会社が運営していても、ハッカーなどに攻撃されて資産を紛失してしまえばどうしようもできません。記憶に新しいCoinCheckは500億円以上の顧客が抱えるNEMという仮想通貨をハッカーに奪われてしまい、紛失してしまったという事件に巻き込まれました。

資産の返還を発表はしていますが、どうなるかは本当のところ不透明です。セキュリティ面で脆弱性があったことが報告されており、取引所を運営する会社も完璧ではないということがわかりました。

また、過去にはビットコインが紛失したマウントゴックス事件というものもありました。当時の価値で115億円から500億円のビットコインが喪失したと言われており、これも取引所のシステムが悪意のあるハッカーに攻撃を受けたことが原因だと断定されました。マウントゴックスは当時、ビットコインの取引量が世界一であったために信頼を得ていたのですが、最大手の取引所でさえこういった事件に巻き込まれてしまうのです。

ビットコインの根本的なリスクとして後ろ盾が存在しないということがあります。中央銀行や政府の干渉を受けない自由な通貨として普及を目指したビットコインですが、これは利便性が増すと同時に信頼性という意味では弱点となってしまいます。そもそも、円やドルといった法定通貨はその国の経済、金融機関、法律などの後ろ盾によってその価値が保証されています。

もちろん、現在の日本政府が倒壊すればどうなるかはわかりませんが、ビットコインの安全性と比べるとずっと信頼の置けるものでしょう。また、法定通貨は流通することによって通貨としての価値を形成することにもなるので、流通量が少ないビットコインはその点で劣っています。

ビットコインで大儲けした通称億り人と呼ばれる人たちは特に税金の問題に悩まされています。日本ではどういうわけか、ビットコインで得た利益は累進課税で最大55%課税されてしまいます。

一律20%の株やFXと比べるとその以上さがよくわかります。例えば、1億円ビットコイン取引でキャピタルゲインをあげて、何かの拍子で日本円に換金できない、出金できないとなれば、納税の義務だけ残ってしまいます。これは、上記のCoinCheck事件で日本円の出勤停止に伴い危惧された事柄です。納税の義務は破産しようが、どうなろうが免除されることはないので、こういった状況に陥ると非常に危険なのです。

出来ればこれも知っておきたいビットコインのシステム上の危険性と問題点

仮想通貨は暗号通貨と呼ばれることがあります。何故なら、仮想通貨の管理は暗号技術によって支えられているからです。

データである仮想通貨は、誰が誰にいくら送金したという履歴を整合性を保ちながら記録していかなければなりません。そして、ウォレットを所有するユーザーは、その通貨が自分のものであることを証明するために秘密鍵という実際には数字やアルファベットの羅列を所有しています。秘密鍵を忘れると、自分が保有している暗号通貨は一生復元することはできないと言われています。

また、この秘密鍵は他人にバレたりしてしまうと、ウォレットにある仮想通貨をごっそり奪い取られてしまう危険性もあるので大切に保管しなければいけません。

ハードウェアウォレットに限った話をすれば、故障することがあるので、その際はリカバリーフレーズというあらかじめ設定してあるパスワードを入力してあげる必要があります。それを忘れてしまうと、意図的にハッキングするしかなくなってしまいます。暗号通貨において、”鍵”の管理はそれほど重要なものなのです。

ビットコインをはじめとする仮想通貨は、原則として取引は匿名性です。正確に言えば、ビットコインアドレスは公に公開されていますが、その人物が誰なのかはわからないような仕組みになっています。このことからしばし、マネーロンダリングの危険性を議論されることがあります。こういったマネーロンダリングが横行すると国が規制をかけて、仮想通貨を禁止する可能性があるので、これは投資家にとっては大きなリスクです。また、サイバー犯罪で、仮想通貨を盗みロンダリングすることも危惧されています。

CoinCheckのNEM流出事件でも犯人は意図的にロンダリングを行い出金を試みていたことが履歴から明らかになっています。犯人はNEMを自分の口座に不正送金を行い盗んだ後、それだけでは足がついてしまうので、別の口座8箇所以上に資金を転送し、ロンダリングを試みました。真実は明らかになっていませんが、利便性が高く匿名が守られるだけに悪用されることもあるのです。

通常の銀行送金とは違い、誤送金が起こってしまったらビットコインは2度と帰ってこないとされてます。送金先の取引所に問い合わせることはできますが、取り合ってくれるかは相手次第です。

また送金に関して、遅延することが問題になっています。銀行取引よりも処理に関しては圧倒的に速いものの、データが集中すると送金詰まりが発生してしまいます。

最終的には処理はされるものの、反映までに時間がかかるので、勘違いをして複数回送金してしまわないように注意が必要です。これらのことが起こらないように、ビットコイを含む仮想通貨は日々アルゴリズムの改善が行われているので、技術的な向上で解決するのを期待するほかありません。

ビットコインを保有するリスクとして、値上がりする手数料といった問題も存在します。2018年の12月には大手取引所のビットフライヤー がビットコインの送金手数料の値上げを発表しており、一回あたり3000円となっています。この時の相場のように、暴落が続き市場の不安が急激に煽られると取引手数料が高騰するようです。

最後に、ビットコインの技術的リスクとして、決定的なシステムの矛盾点をあげます。

現在、ビットコインはその取引履歴を承認するためにPoW(プルーフ・オブ・ワーク)という方法を採用しています。PoWは革新的である仕組みであると同時に、人間の良心に依存している不完全な側面も持ち合わせています。

PoWはネットワーク上のマイナーに情報処理をさせて、一番最初に答えを導いた者に取引履歴の承認を実行させるという方法です。つまり、この一番初めに答えを導き出したマイナーが悪意のある者であれば、間違った取引履歴を意図的に承認することができてしまうのです。

PoWではブロックを生成する10分間の間のマイナーの計算量に依存するので、その中で一番優れたコンピューティングパワーを持つものが勝利します。今現在、研究が進んでいる量子コンピューターが現実のものとなれば、既存のコンピューターの計算量を遥かに凌ぐスピードで計算を実行できるようになると予測されています。

つまり、これをマイニングに利用すれば、自分の好きなように取引履歴を承認することができるようになるかもしれないのです。これがビットコインの「51%攻撃」と呼ばれるシステム上の脆弱性です。ビットコインの開発チームはこの弱点に関してはもちろん認識しています。

対策として、取引承認に必要な計算量を増加させるという方法もあり得ますが、量子コンピューターがどの程度の力を発揮するのかはまだまだ未知数です。それに、取引スピードの遅延を前かざるを得ないのでそう単純な問題でもなさそうです。


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