新しい生活様式で変化はあったのか?2020年クレジットカード利用調査

調査背景
    2020年は「新しい生活様式」が示され、私たちの生活が大きく変化しました。人との接触減を意識することでキャッシュレス決済への関心もさらに高まり、クレジットカードの利用が増えた方や、反対に収入減により利用が減った方などさまざまでしょう。

    まねーぶの調査ページ「まねーぶ調べ」では、全国クレジットカード利用者188人にクレジットカードの利用調査を行い、2020年の利用額や内訳、前年度との利用内訳の比較、クレジットカード見直しの有無を明らかにし、まねーぶディレクターの最上天晴が総評しました。

調査回答者の属性(n=188)

調査対象:全国20代~60代クレジットカード利用者188人

  • 性別:男性41.0%/女性59.0%
  • 年代:20代25.0%/30代34.6%/40代24.5%/50代12.8%/60代3.2%
  • 婚姻・子供:未婚・子なし43.1%/未婚・子あり2.1%/既婚・子なし17.0%/既婚・子あり37.8%
  • 職業:正社員36.2%/契約社員・嘱託社員7.4%/派遣社員2.1%/パート・アルバイト17.6%/フリーランス・業務委託2.7%/自営業・自由業5.9%/専業主婦(主夫)18.6%/学生4.8%/無職4.8%
  • 年収:100万円未満28.7%/100万円以上~150万円未満10.1%/150万円以上~300万円未満19.1%/300万円以上~500万円未満23.9%/500万円以上~700万円未満12.8%/700万円以上~1,000万円未満3.2%/1,000万円以上2.1%

調査1:2020年度のクレジットカード利用額

2020年の1年間のクレジットカード利用額は最高500万円、平均61万4,550円、中央値40万円
1番利用額が多かった月は8月、少なかった月は2月との回答が多い

全国20代〜60代のクレジットカード利用者188人に利用調査をしたところ、2020年のクレジットカード利用額は、最高500万円、平均61万4,550円、中央値40万円でした。
また1番利用額が多かった月は「8月」、少なかった月は「2月」という結果となりました。8月は夏休み期間の帰省やレジャーなどの出費や、冷房を使用したことでの光熱費増加が理由として多くあげられました。一方で、2月はイベントも少なく、前月の年末年始での出費を踏まえて節約したことが理由をして多くあげられました。

調査2:2019年とのクレジットカードの使い道比較、2021年の予想

2020年のクレジットカードの使い道は「食費」、「日用品費」などおうち関連支出が昨年比上昇傾向
2020年と比べて2021年の利用額に変化があると予想したのはほぼ半数

2020年のクレジットカードの使い道は、「食費」が18.2%と最も多く、昨年と比べて2.0ポイント上昇しています。続いて「日用品費」、「医療費」、「住宅費」、「公共料金」が増加傾向にあり、対して「外食費」、「交通費」、「交際費」、「娯楽費」が減少傾向にあります。外出自粛などによりおうち時間が増え、”新しい生活様式”に変わりつつある今年を象徴する結果となっています。
2021年の利用額が2020年と比べてどう変化するかの予想については、「増える」と回答した人が25.5%、「減る」と回答した人が26.1%と合わせて約半数の人が変化すると予想しています。「増える」と回答した人の理由として、「来年も会計時の非接触を意識するためクレジットカードを積極的に使う」といった声が目立ちました。一方、「減る」と回答した人の理由として、「移動を少なくするため交通費がさらに減ると思う」、「収入が減るため節約をする」といった声が目立ちました。

調査3:2020年でのクレジットカード見直し

2020年でクレジットカードを「新規発行した」36人、「解約退会した」21人

2020年の間にクレジットカードを新規発行または解約退会したかについては、「新規発行した」と回答した人は36人、「解約退会した」と回答した人は21人でした。「新規発行」と「解約退会」を合わせて、調査した188人中57人となり、3割の人がクレジットカードの見直しを行ったことが分かりました。

調査4:キャッシュレス決済への関心(2020年を振り返って)

約7割の人が2020年でキャッシュレス決済への「関心が高まった」と回答

2020年を振り返ってキャッシュレス決済への関心の変化の有無については、「関心が高まった」と回答した人が69.7%を占め、「変わらない」が29.8%、「関心が薄れた」が0.5%と続きました。
なぜそのように感じたのか、それぞれの理由について利用者の声をご紹介します。

関心が高まった人の声

ステイホーム期間が長かったので、支出の見直しや保険関係やクレジットカードの整理などいろいろと調べる機会がありました。マイナポイントやキャッシュレス決済アプリなど、ある程度知識がないと損する事案が多いと思い、自分で勉強して関心は高まりました。(30代/男性/正社員)
コロナの影響でキャッシュレスが身近になり、キャッシュレス消費者還元事業やマイナポイントなどの政府の施策に乗っかって、キャッシュレスに馴らされた感じがします。テレビもネットも「非接触」や「キャッシュレス」の言葉が頻発されていた1年だったと思いました。今後も、どこでどう使えばお得なのかといった情報は知りたいなと思います。(30代/女性/専業主婦)

変わらない人の声

もともと出来る限りクレジットカードで支払っていたため。特別意識してキャッシュレス決済にしようともしなかった。クレジットカード以外のキャッシュレス決済も使おうとも思わなかった。(40代/女性/専業主婦)
電子マネー、スマホ決済に必要な機器を所有していないし、今後も利用する可能性が限りなくゼロに近い。キャッシュレス決済についてはこの先も興味が湧くことはないであろうし、とにかく現金でのやり取りのほうが安心かつ確実と考えているから。(50代/男性/無職)

関心が薄れた人の声

収入が減ったことで、節約しようとお金の制限をした時の管理方法を考えると、現金の方が管理しやすかった。クレジットカードだと利用から引き落としまでのタイムラグがあるので、後になってキャッシュフローが厳しく感じた。(30代/男性/自営業・自由業)

総評

最上天晴
最上 天晴
まねーぶディレクター
コロナによって世界的に大きな影響があった2020年。
日本ではキャッシュ元年と言ってもいいほど、キャッシュレス決済が定着した一年でした。
キャッシュレス決済の代表格、クレジットカードの利用状況を見ると、かなり内向きな感じになっていますね。

年が明けてもコロナが収束する可能性は低いと思われますので、この傾向は当面は続きそうです。
今後は、実店舗の利用が益々減り、逆にネット様々なものを購入する頻度が高くなりそうです。
それに伴いクレジットカードを使用する機会は増えていくのではないでしょうか?
プロフィール
株式会社GV・メデイアディレクター。
クレジットカード・電子マネーの専門家。

早稲田大学卒業後、日之出出版、扶桑社、主婦の友社で20年に渡り、雑誌・書籍の編集に携わる。
2012年に主婦の友社を退社し、株式会社GVのメディアディレクターに就任。

クレジットカードや引越しをはじめ、様々なジャンルのメディアを立ち上げた。電子マネー、クレジットカード、カードローンなどが高度に複雑化しているにもかかわらず、一般ユーザーに分かりやすい情報を提供するWEBメディアがないことを危惧。ユーザーファーストなお金のWEBメデイアとして「まねーぶ」を2018年に立ち上げる。
クレジットカード、電子マネー、カードローンなどお金周りの情報に強いが、特にクレジットカードと電子マネーの情報に精通している。クレジットカードや電子マネーへの深い知識を活かして、専門家プロファイルでクレジットカードの専門家として活動、オンライン講座「あなたにピッタリのクレジットカードの選び方」も定期的に開催している。
調査概要
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査期間:2020年12月11日~2020年12月16日
  • 調査対象:全国20代~60代クレジットカード利用者188人
  • 調査結果は小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計値は必ずしも100とはなりません。
  • 調査資料は調査期間時点における回答結果に基づいて作成されたものですが、情報の正確性・完全性を保証するものではありません。

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