何が違う?ポストペイ型電子マネーで人気の「iD」と「QUICPay」の利用実態調査

調査背景
    電子マネーの決済のタイミングには、プリペイド型・リアルタイムペイ型・ポストペイ型と種類がありますが、中でも注目されているのが後払い式のポストペイ型で、代表的なものとして「iD」と「QUICPay」があげられます。後払いのためチャージの必要がなく、端末にかざすだけで決済できるため便利ですが、「iD」と「QUICPay」にどういった違いがあるのか疑問に思っている人も多くいるのではないでしょうか。

    まねーぶの調査ページ「まねーぶ調べ」では、iD・QUICPay利用者84人に意識調査を行い、それぞれの利用状況、利用店、他のキャッシュレス決済との併用、さらにメリット・デメリットといった利用者の声を明らかにしました。

調査回答者の属性(n=84)

調査対象:全国20代~60代iD・QUICPay利用者84人

  • 性別:男性38.1%/女性61.9%
  • 年代:20代22.6%/30代34.5%/40代26.2%/50代10.7%/60代6.0%
  • 婚姻・子供:未婚・子なし35.7%/未婚・子あり3.6%/既婚・子なし20.2%/既婚・子あり40.5%
  • 職業:正社員26.2%/契約社員・嘱託社員1.2%/派遣社員1.2%/パート・アルバイト8.3%/フリーランス・業務委託10.7%/自営業・自由業13.1%/専業主婦(主夫)29.8%/学生6.0%/無職3.6%
  • 年収:100万円未満34.5%/100万円以上~150万円未満8.3%/150万円以上~300万円未満17.9%/300万円以上~500万円未満17.9%/500万円以上~700万円未満15.5%/700万円以上~1,000万円未満4.8%/1,000万円以上1.2%

調査1:iD・QUICPayの利用状況

「iD派」は56人、「QUICPay派」は28人、利用している理由は「会計時がスムーズになる」が最も多い

全国20代〜60代iD・QUICPay利用者に利用状況について調査をしたところ、「iDを利用している」が50人、「どちらも利用している(メインはiD)」が6人と「iD派」は合わせて56人、「QUICPayを利用している」が20人、「どちらも利用している(メインはQUICPay)」が8人と「QUICPay派」は合わせて28人という結果でした。
iDとQUICPayをどの決済サービスで利用しているかについては、iD派では「dカード」と回答した人が21人と最も多く、「メルペイ」が11人、「イオンカード」、「三井住友カード」が同数6人と続きました。
QUICPay派では「JCBカード」と回答した人が9人と最も多く、「楽天カード」が7人、「ApplePay」が3人と続きました。
iDとQUICPayを利用している理由については、「会計時がスムーズになる」が50人と最も票を集め、「使えるお店が多い」、「ポイントがつく」が同数35人と続く結果となりました。

調査2:iD・QUICPayを使えるお店・使えないお店

利用店・サービスは、iD派、QUICPay派ともに1位「コンビニ」、2位「スーパー」

iDとQUICPayの利用店・サービスについては、iD派、QUICPay派ともに、1位が「コンビニ」、2位が「スーパー」という結果で差はないことがわかりました。利用可能なお店が多く、専用端末にタッチするだけで支払いができ会計時の時間が短縮されることから、日常的な買い物に多く利用されている様子がうかがえます。

調査3:他の電子マネー、スマホ決済との併用

iD・QUICPayと他の電子マネー・スマホ決済との併用の有無はほぼ半数ずつ

iDとQUICPayを他の電子マネーやスマホ決済と併用しているかについては、「併用している」が52.4%、「併用していない(iD・QUICPayのみ利用している)」が47.6%と、ほぼ半数ずつという結果でした。併用している人の意見として、スマホ決済を利用できないところでiDやQUICPayを利用するといった声が多く目立ちました。また、スマホ決済の残高が不足しているときにiDやQUICPayを利用するといった意見もあり、ポストペイ型の電子マネーの特性をうまく利用している様子がうかがえます。

調査4:iD・QUICPayのメリット・デメリット(利用者の声)

iDやQUICPayユーザーの思うメリット、デメリットは?

iD・QUICPay利用者に、それぞれの決済サービスを利用して得したことや良いと思う点(メリット)、困ったことや改善してほしい悪い点(デメリット)を聞いてみました。

iD派の声(メリット)

メルカリの売上金を自分の口座に移す際に、わざわざ手数料を支払う必要が無いので、手間も省けますしお得です。キャッシュレス・消費者還元事業の際には、魅力的なキャンペーンが目白押しで、10%増税以上の還元でお得感を体験しました。(50代/男性/iD派)

iD派の声(デメリット)

使いすぎ防止になるため、iDに上限があるのは良いことだと思いますが、上限金額が少なすぎると感じます。もう少し上限をあげて使用出来るうようになるか、自分で上限を決めることが出来るようにしてほしいです。クレジットカードに付いている機能なのでカードの利用可能額の1割などに設定してほしいです。(30代/女性/iD派)

QUICPay派の声(メリット)

ディズニーJCBカードでミッキーマウス型のキーホルダーを使用しています。一見するとQUICPayだと気づかれないので、他人の手に渡ってしまったとしても、無断使用されにくいのではないかと思っています。(50代/女性/QUICPay派)

QUICPay派の声(デメリット)

ディズニーリゾートや野外フェス会場のような人が多い場所で使った際に、QUICPayだと決済完了までに時間がかかりました。時間の短縮をしたかったのに、30秒以上かざさなければならず、逆に時間がかかってしまいました。(20代/女性/QUICPay派)

総評

最上天晴
最上 天晴
まねーぶディレクター
非接触決済の電子マネーである、iD、QUICPay。
支払いがスピーディにできるのが最大の魅力です。

調査では、支払いの便利さからコンビニやスーパーでの利用が主になっているのが分かります。
普及度合いで言うと、iDがQUICPayを上回っていますが、先行している楽天Edyには両者ともかなり離されているのが現状です。

クレジットカードの非接触決済化が今後本格化していく中で、どのような独自色を出していけるのか。
還元率変更やキャンペーンなど、今以上に魅力的なサービスを展開してユーザーを囲い込んでいくことが予想されます。
プロフィール
株式会社GV・メデイアディレクター。
クレジットカード・電子マネーの専門家。

早稲田大学卒業後、日之出出版、扶桑社、主婦の友社で20年に渡り、雑誌・書籍の編集に携わる。
2012年に主婦の友社を退社し、株式会社GVのメディアディレクターに就任。

クレジットカードや引越しをはじめ、様々なジャンルのメディアを立ち上げた。電子マネー、クレジットカード、カードローンなどが高度に複雑化しているにもかかわらず、一般ユーザーに分かりやすい情報を提供するWEBメディアがないことを危惧。ユーザーファーストなお金のWEBメデイアとして「まねーぶ」を2018年に立ち上げる。
クレジットカード、電子マネー、カードローンなどお金周りの情報に強いが、特にクレジットカードと電子マネーの情報に精通している。クレジットカードや電子マネーへの深い知識を活かして、専門家プロファイルでクレジットカードの専門家として活動、オンライン講座「あなたにピッタリのクレジットカードの選び方」も定期的に開催している。
調査概要
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査期間:2020年10月27日~2020年11月14日
  • 調査対象:全国20代~60代iD・QUICPay利用者利用者84人
  • 調査結果は小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計値は必ずしも100とはなりません。
  • 調査資料は調査期間時点における回答結果に基づいて作成されたものですが、情報の正確性・完全性を保証するものではありません。

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