「お金の悩み解決アプリ」マネーフォワードのすごさ 共同創業者 瀧氏が語る、多機能家計簿を利用した賢い資産管理術

パソコン等で利用・管理できる家計簿アプリケーションは数多くあるが、その多くは従来からある帳簿記述式の家計簿をより手軽に分かり易くするタイプが多い。
だが、ネット社会における家計簿の役割は多様化している。

家計簿アプリでも、銀行やクレジット会社、ポイントサイト等の複数口座と連携機能で残高を取得できる種類が登場したのは、管理が面倒な複数口座の残高を一括管理するニーズが高まっているからだろう。
そこで今回、家計簿アプリの中でも多機能で高い連携機能を持つ「マネーフォワード」を提供する株式会社マネーフォワードの共同創業者である瀧 俊雄氏にお話を伺う機会を得たので、サービスの開発思想や特徴、今後の展開等について、サービスの内容に沿って紹介したい。

人生設計に必須「お金の悩み・不安解消」は、正しい資産管理から

あらゆるお金の不安を解決するとはどういうことだろう?
マネーフォワードの瀧氏は、代表的なお金の悩みには、「結婚して家族を養うこと」や「子供を育てること」に関することが多いと語り、人生の各ステージで将来的なものも含めて、自らが背負わねばならない長期的な負債と積み立て可能な資産との正しいバランスシート(貸借対照表)を把握する重要性を強調している。

「お金を前へ。人生をもっと前へ。」 という同社のミッションには、お金の不安・悩みを解消することで、もっと人生を豊かにしてほしいという願いが込められている。マネーフォワードは、そのようなミッションを達成するための第一歩として、「マネーフォワード」を提供している。「マネーフォワード」の特徴は、家計管理に加え、資産管理もできる高機能な点にある。
資産管理は家計管理の一部であり、将来の人生設計やより良い生き方に不可欠であるからだろう。

お金を考える際には、現金や預金だけではなく、証券や債券、不動産等の資産はもちろん、自動車や貴金属等の資産も含めるべきだ。
一方で、自動車・住宅ローン等の負債に加え、将来必要な子供の教育費や医療費、介護費用等の将来発生する可能性のある支出まで全て含めた、正しいバランスシート(貸借対照表)を継続的に検証し続けることが求められる。
こうした多面的で、日々更新される大量のデータを記録し、その蓄積から生まれた数値の集計・分析には、優れたアプリケーションを利用して、作業上の利便性と検証の精度を高めることが賢い選択肢なのかも知れない。

家計簿アプリマネーフォワードの特徴等

家計簿を自動記帳できるソフトウェアは数多く発売されており、パソコンソフトでは歴史の長い「家計簿マムシリーズ」、シンプルに機能を絞った「主婦の友デジタル家計簿」、レシート読み取り機能が高い「Dr. Wallet」等があり、アプリでは、「Zaim(約1,500社との連携可能)」や、「マネーツリー(170万人利用)」等がある。

こうした多数の家計簿アプリの中でも、「マネーフォワード」は、口座連携数がもっとも多く、約2,600社以上の金融関連サービスの残高や取引履歴を自動取得することができるサービスである。また、家計診断機能や将来のシミュレーションなど、さまざまな機能を利用できるのも特徴である。
現在600万人以上のユーザーに利用されている(2018年4月現在)が、高い機能性と操作性などが好評で、最近利用者が急増しているようだ。

メニューには、家計、予算、資産、分析、口座等があり、有料会員であれば全ての連携口座を一括更新して、設定口座の残高や変動をリアルタイムで把握できる。
※有料会員料金は500円/月。無料会員は登録連携口座数が10口座までなど、一括更新以外にも機能制限事項がある。

また分析メニューでは、月別の変動や資産推移がグラフ等で表示され、自動的に分類された項目毎に整理され、前月比・予算比等から月間収支がしっかり把握できる。
例えば、引き落とし用に口座間で資金を移動するというような振替処理は、振替処理として登録すれば、表示項目から相殺されるので非常に便利だ。(振替利用を行った口座については、登録後は学習機能で自動的な振替処理が可能)

「お金の悩みは、貯金さえできていればほぼ解決する」という発想から生まれたマネーフォワードの連携機能と豊富なメニュー

マネーフォワードが目指しているのは、「(すべての)お金の悩みを解決」して、お金の不安を無くすことだ。

家計簿は、継続して使いこなせれば効果があると分かっていても「なかなか続かない」のが課題である。そこで、マネーフォワードでは、なるべく手入力をなくし、自動で収入や支出・資産を把握できる機能を開発することで、これまで続けられなかった人でも続けられるサービスを目指している。現状を把握することで、お金の悩みを解決するためのスタートラインに立てる。毎日体重計に乗れば体重を意識してダイエットに成功できるように、お金についても現状を毎日把握することが大切である。

お金の現状把握のために力を入れているのが、金融機関やAmazonなど通販などとの連携である。
「インターネットバンキングに対応する国内金融機関とのほぼ全てで口座連携が可能(瀧氏)」という機能が標準装備されている。
そこで、瀧氏に気になるマネーフォワードアプリ機能の中身等について尋ねた。

1. セキュリティ確保は大丈夫?

和氣 厚至 氏 (以下:和氣)

「マネーフォワード」では、利用者のIDやパスワードを預かるわけですが、ユーザーにとって一番気になるセキュリティ面での対応策について、具体的な内容を教えてください。

瀧 俊雄 氏 (以下:瀧)

まず、当社は「ログインするために必要な最低限の情報」を暗号化して保持していますので、口座からの出金につながるような取引暗証等の情報は一切ユーザーからお預かりしていません。
(データはすべて暗号化して保持・送受信し、ISO27001等の認証を取得済。)【※( )内は筆者加筆、以下同】

その上で、マネーフォワードの安全性は二方面から考えています。
一つ目は、仕組みとしての安全確保が保証できるような、しっかりした防護システムを構築することです。二つ目は、何かが起こった時、万一の時の安全面での対応を事前に準備する事だと考えています。
具体的な顧客情報の防護セキュリティに関して、その一つ一つを詳細についてお話しすること自体がセキュリティ上の問題なので、明らかにはできないのですが、何重にも防護措置を講じて、万一どこか1ケ所が破られたとしても、まだ多くの防衛手段が残る万全の体制をとっています。さらに、社内の顧客情報の取り扱いについても厳しい管理体制をとっています。
(ID・パスワード等の暗号化されたユーザーの登録情報は、分散保存され同社の技術者にも見ることが出来ない仕組み)

2. 無料機能だけでも、とても便利ですが?

和氣

マネーフォワードは、無料で提供されている機能が非常に多く、正直なところ無料でも利用には十分と思われる豊富なメニューがありますが、どうしてここまで高い機能を無料で提供されるのですか?(有料会員が増えなくても困らないのでしょうか?)

無料で利用されるユーザーからも、広告で収益を頂戴しています。
当社にとっても、広告収入は(収入比率として30%近くあり)大変重要ですが、利用されるユーザーにとってもお金や家計簿に関連する情報を取得できるというメリットがあります。

3. 自動貯金アプリについて

和氣

「しらずにたまる」自動貯金アプリ『しらたま』も、とても気になるアプリです。気軽に小銭から自動貯金が出来るアプリを使ってみたいのですが、現状では住信SBIネット銀行でしか利用できないようですね。このアプリの対応金融機関等を早期に増やすお考えはないのですか?

住信SBIネット銀行さんでは、先駆的なシステム化を進められていて、その機能がいち早く出たことから『しらたま』の利用が可能になりました。現状では他行での同様の対応はできておりませんが、今後は複数の銀行等に連携を拡げていきたいと考えています。

4. マネーフォワードの利用者と利用実績は?

和氣

現在の利用者の年齢層等を教えてください。

利用者で一番多いのは30~40代の男性です。20代ではまだお金の問題をあまり意識されないのですが、30代になると結婚や住宅等のライフステージに入り、意識が高く変わることがあるようです。
また、今後は60歳以降のシニア層にも是非利用して頂き、資産構成の見直しなどに利用していただければと考えています。

瀧氏は、過去のインタビュー等で「金融機関でなくても日本のお金の流れを変え、課題を解決できる時代だと思った。最初に開発したマネーブックというサービスは頓挫し、その後マネーフォワードを作った」と述べている。

マネーフォワードは、通帳記帳やレシート管理等から解放するマイ・フィンテック?

1年の内、半分以上を銀行支店等がない寒村で暮らす筆者にとって、ネット連携の家計簿アプリは必須アイテムだ。

マネーフォワードはセキュリティに定評のあるサービスで、ポイントサイトを含め10以上の口座連携を利用し、すべての口座の入出金等に関する変動がいつでも監視できるアプリとして非常に重宝している。また、別ソフトや自分で作ったエクセルの家計管理へ、マネーフォワードの集計データを簡単に移動でき、クロスチェックや配偶者資産との合算管理等にも反映できる。

複数口座が同時に把握可能なので、光熱費やクレジットカードの引き落とし管理も、クレジットカード等の請求額確日に該当情報が自動取得され、引き落とし日前に(引き落とし指定銀行の口座残高の不足について)アラートが表示される機能に感心した。
ネット購買は、利用サイトや商店によって引き落としタイミングが異なるため、複数カードを利用することが多いユーザーにとっては大変便利な機能だ。

最適な家計を提示する「家計診断」や不動産資産の時価算出等の豊富なメニューをさらに使いこなせば、かなり高度な資産管理ツールとして利用可能だと感じている。
資産家や高齢者だけでなく、これから資産形成が必要となる若者世代にもこうした機能は勧められそうだ。

アプリを継続的に活用することで、結果的に「十分な貯金があれば、お金の悩みはほぼすべてが解決する」という瀧氏の言葉が、実現可能になるだろう。
まだ若い世代、収入も増えるが支出も増えるという将来の資産形成が必須な世代にこそ、このサービスの必要性は高いのかも知れない。

最初に口座を連携させる手続きはやや面倒だが、セキュリティを考えれば当然のことで、しかも、当該金融機関からの出金に必要な情報は不要だ。
一利用者としての個人的な感想だが、(他の家計簿アプリと比べて)特にセキュリティに安心感があり、機能性も非常に高いのがマネーフォワードの特徴だと感じている。
少し大げさかもしれないが、様々な理由で各種口座数が増え続ける我が家の家計に訪れた、(ささやかな)フィンテック革命ではないだろうか。

マネーフォワード サービス紹介

マネーフォワード

執筆者

和気 厚至
和気 厚至

慶應義塾大学卒業後、損害共済・民間損保で長年勤務し、資金運用担当者や決済責任者等で10年以上数百億円に及ぶ法人資産の単独資金運用(最終決裁)等を行っていた。現在は、ゲームシナリオ作成や、生命科学研究、バンド活動、天体観測、登山等の趣味を行いつつ、マーケットや経済情報をタイムリーに取り入れた株式・為替・債券・仮想通貨等での資産運用を行い、日々実益を出している。


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