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借り換え実行済みFPが教える、住宅ローン借り換えのボーダーライン

「住宅ローンの借り換えでローンの支払い総額が減った!」という話しを聞いたことがある方や、借り換えに有利性を感じ、現在住宅ローン借り換えに興味を持っている方も多いのではないでしょうか。実際に私も借り換えを行なっておりますが、支払い総額が大きく減ったのは投資以上に家計における経済効果が高かったです。
ですが、借り換えには手間や手数料もかかり、必ずしもメリットがでるわけではありません。
まずはボーダーラインを知って「借り換えもできる」という選択肢を広げてみませんか?

現状の把握 支払い中の住宅ローンをチェック!

まず住宅ローンを組んだときのことを思い出して下さい。
審査の関係、時間や手続きの関係で数ある住宅ローンの中から選ぶことなくハウスメーカーの言われるままにローンを組んでしまったということはありませんか?

実際に固定金利の35年ローンで支払っている場合など、「35年払い続けるしかない」という意識から残高はもちろん金利すら覚えていないということも少なくありません。
まずは現状の把握が大切です。現状把握に必要な項目は次の通りです。

住宅ローンの残高

住宅ローンの残高がわかる書類は「融資残高証明書」「住宅ローン返済予定表」で毎年、融資先の金融機関、銀行から年末調整の時期に郵送されているはずです。
住宅ローン返済予定表のほうが今後の時期を逃すとうっかり忘れてしまい、せっかく100万円単位でメリットがあったかもしれない借り換えを行わずに放置してしまうこともあるので、まずはいずれかの書類をお手元に用意して下さい。
紛失した場合でも、金融機関から再発行してもらえますし、ネットの登録がある場合はネットからでも残高照会ができますのでチェックしてみて下さい。

住宅ローンの金利

こちらも「融資残高証明書」で見ることができます。もちろん、ネットからでも確認可能です。

付帯している保険(団信・火災保険・地震保険など)

保険料無料の疾病保障団信がついている住宅ローン、住宅ローンを借り換えた場合に保険料に影響が出る場合があるので注意が必要です。
団信や団信に変わる保険に保険料を払って加入している方は、借り換えを検討する際の判断材料にもなるので付帯の保険は必ずチェックしてください。

10年以上/残1000万円以上/金利差1%以上?

「住宅ローン支払い期間が10年以上、残高が1000万円以上、金利差1%以上」この条件にすべて当てはまる場合が借り換えのボーダライン。とよく言われることがあり、それもひとつの目安ではあります。

しかし、その数字にそこまで深くこだわる必要はありません。
また現在、住宅ローン保証料がかからない銀行もあり借り換えのかかる諸経費、手数料が安くなっています。印紙代や司法書士報酬、登録免許税はほぼどの金融機関でも変わりはありませんが、保証料と事務手数料で数十万円の差がでる場合もあります。

借入金額3,000万円、借入期間30年の場合の一例

民間金融機関 新生銀行
保証料 約60万円 0円
事務取扱手数料 0円 10万8,000円
差額 約50万円

参考:住宅ローン 諸費用・手数料 | 新生銀行

金利以外でのメリットがある場合もあるので前向きに比較検討したいです。
この数字に当てはまればもちろん、借り換えに最適な条件ではありますが「金利差があまりないから…」と諦めてしまうのは非常にもったいないので、この条件にすべて当てはまらなくても現在借り換え可能な住宅ローンを調べてみましょう。

実例で見る借り換えメリット

では実際に借り換えを行なってメリットが例を見ていきたいと思います。
(※ご本人の許可を得て掲載しておりますが、希望により細かい数字は伏せております)

Aさんの借り換え例

平成23年にSBI住宅ローン・フラット35(買取型)で借り入れをしました。
(勤続年数の関係で、審査が通りそうなSBIフラット35のみの申込み)

平成23年時の金利が1.63%(1〜10年目)11年目以降の金利が2.63%で1%の金利の上昇が見込まれていました。借り換え先候補に選んだのは日頃から取引きのある地方銀行で3年固定の0.95%、変動金利で3年以降の金利が上昇するリスクはあったものの、SBIフラット35の支払い11年目以降の金利の上昇を考えると十分検討する価値はあります。

また、SBIフラット35では団信の保険料が有償のためAさんは月におよそ6,000円の保険料の支払いがありました。その金額も積もり積もれば大きなものになりますね。

仮に15年間支払ったとして、
6,000円×12×15年=1,080,000円

この地方銀行の住宅ローンは団信の保険料が無償というのも大きなメリットで、実際に借り換えを行なったAさんは保険料の圧縮も含めて総支払額を200万円以上減額することができました。

借り換えにかかる諸費用 どんなものがある?

先の実例で住宅ローンの借り換えによって総支払額が100万円単位で減額するというメリットが実際にあるということがおわかりいただけたと思います。
ですが、いざ住宅ローンの借り換えを行おうとすると様々な手数料と事務手続きが発生します。

借り換えに必要な経費
  • 印紙代
  • 登録免許税
  • 保証料
  • 事務手数用
  • 司法書士司報酬

これらを総額にするとかなりの額です。それぞれ借入額や住宅ローン会社によって異なりますが、数十万円は見込んでおきましょう。

これらの手数料については各住宅ローン会社の公式サイトに記載があります。
事務手数料や保証料は借入金、借入期間によって異なるので問い合わせが必要になるので問い合わせの手間を考えたら先に金利を当てはめてシミュレーションを行ってからのほうが良いでしょう。

シミュレーションには下記のリンクのシミュレーターを使うと簡単に試算ができます。

ローン借り換えシミュレーション – 全国銀行協会
ローン借り換えシミュレーション

シミュレーションでメリットを試算

ここからは数字を当てはめて、金利の差によってどのくらい支払い総額が変わってくるのを見ていきましょう。

住宅ローン残金2000万円/住宅ローン残存期間 20年/金利2.0%

この住宅ローンを金利1.5%のローンに借り換えた試算をしてみます。
  • 金利2.0%ローンの場合:支払い総額 24,282,480円
  • 1.5%に借り換えた場合:支払い総額 23,162,400円
  • 差額:1,120,080円

このように換えにかかる諸費用(数十万円)を差し引いても十分なメリットがあります。
ですから必ずしも金利差が1.0%以上なくてもローンの残高、支払い期間によって借り換えボーダーラインにのってきます。

シミュレーションを行う際はざっくり手数料を50万円と仮に設定しておくと比較の際便利です。もちろん手数料、保証料が安いことをメリットに謳っている住宅ローン会社もありますので、同じ金利だったら手数料、保証料の安い会社を利用するのも手です。

新ボーダーラインで借り換えチャンスを増やす

「住宅ローン支払い期間が10年以上、残高が1000万円以上、金利差1%以上」が今までのボーダーラインでした。が、実例のように団信の保険料圧縮のメリットだけでも100万円単位、金利差0.5%でも十分な借り換えのメリットがありましたね。

  私が考える新しい借り換えボーダーライン
  • 住宅ローン支払い期間10年以上、残高1000万円以上、金利差0.5%以上
  • 団信保険料の有無
  • 支払い総額の差額>借り換えの諸経費

実際には、支払い期間10年、残高1000万円、金利差0.5%で試算すると支払い総額の差が266,640円で手数料のほうが高くなる可能性ももちろんあります。
その点はもちろん加味して、支払い総額の差額>借り換えの諸経費
尚且つメリットが薄かった場合、数万円の差額のために時間と手間をかけて借り換えを行うのか判断するべきです。

借り換えを後押しするように住宅ローンの金利は低い水準を保っていますし、固定金利から変動金利への借り換えもさほど怖がらなくてもいいと言えるのではないでしょうか。
確かに手続きに必要な書類の準備など、面倒なことが多い借り換え作業ですがゆとりある老後のためにも、現状の把握→シミュレーション→(結果によって)実行を行なっていきたいです。

このコラムの執筆者

藤澤環奈/ファイナンシャルプランナー・ライター・会社員
藤澤環奈/ファイナンシャルプランナー・ライター・会社員

介護のため一時離職。FP資格を活かしたライターとしてライフプラン、節約、住宅ローン、教育資金、投資、終活などの記事を多数執筆。その傍らクラウドソーイングセミナー講師を務める。「読者、お客様と一緒に学ぶ」という姿勢を大切にわかりやすい言葉で、等身大のアドバアイスを行っている。


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