【家計調査】赤字世帯は6.2%増加~新型コロナウイルスがもたらした家計への影響~

調査目的
    新型コロナウイルスの恐ろしさは感染リスクだけではありません。感染症対策として国や自治体から要請された休業・自粛要請により倒産や従業員の解雇が相次ぎ、 “コロナショック”として経済に悪影響を及ぼし、私たちの家計までも脅かしています。
    FP For Youの稲村 優貴子氏監修のもと、全国500世帯を対象にコロナ禍中の3月度から5月度の3か月間における家計調査を行い、収支変化と生活費の補填状況を明らかにするとともに経済活動再開に向けての課題や回復の兆しについて考察していただきました。

調査回答者の属性(n=500)

調査対象:全国20代~60代500世帯(単身世帯・一般世帯問わず)

調査回答者の属性

  • 性別:男性35.2%/女性64.8%
  • 年代:20代19.6%/30代43.6%/40代27.4%/50代7.8%/60代1.6%
  • 婚姻・子供:未婚・子供なし37.4%/未婚・子供あり2.8%/既婚・子供なし20.6%/既婚・子供あり39.2%
  • 職業:正社員43.0%/契約社員・嘱託社員5.0%/派遣社員2.8%/パート・アルバイト19.0%/フリーランス・業務委託7.8%/自営業・自由業2.2%/専業主婦(主夫)14.6%/無職5.6%
  • 世帯収入:100万円未満6.2%/100万円以上~150万円未満2.2%/150万円以上~300万円未満17.2%/300万円以上~500万円未満34.8%/500万円以上~700万円未満25.2%/700万円以上~1,000万円未満12.8%/1,000万円以上1.6%

調査1:コロナ感染症対策(自粛期間中)における収入変化

コロナ感染症対策により「収入が減った」45.8%、原因は「仕事の減少」「勤務先の休業」

コロナ感染症対策(自粛期間中)における収入変化

全国500世帯を対象に、コロナ感染症対策(自粛期間中)における収入変化について調査したところ、「収入が減った」は45.8%であり、収入減の理由として、「仕事の減少(業務委託含む)」45.0%、「勤務先の休業」41.5%と、およそ半数の収入に悪影響を及ぼしていることが明らかになりました。

一方で「収入は変わらない」53.0%、「収入が増えた」1.2%と収入に悪影響を受けない世帯も半数を占めており、理由として、「勤務先の通常営業(在宅勤務含む)」が78.2%で突出しており、回答が真っ二つに分かれる結果となりました。

調査2:3月・4月・5月度の世帯収入変化

世帯収入は3~5月にかけて平均3万円減少。20万円未満の世帯は21.2%から32.4%に増加

3月・4月・5月度の世帯収入変化

3月~5月度の3か月間における世帯収入変化では、3月度は平均値31.6万円・中央値30万円だったが、4月度は平均値29.4万円・中央値27万円、5月度は平均値28.3万円・中央値25万円と推移し、3か月間で世帯収入額が平均3万円減少している結果となりました。
収入額が20万円未満の世帯割合は、3月度の21.2%に比べて5月度は32.4%と11ポイント増加しています。

3月度の世帯収入(月収)

0円0.6%
1円以上~100,000円未満5.0%
100,000円以上~200,000円未満15.6%
200,000円以上~300,000円未満27.4%
300,000円以上~400,000円未満21.2%
400,000円以上~500,000円未満14.0%
500,000円以上16.2%

4月度の世帯収入(月収)

0円1.2%
1円以上~100,000円未満7.2%
100,000円以上~200,000円未満19.6%
200,000円以上~300,000円未満28.4%
300,000円以上~400,000円未満18.4%
400,000円以上~500,000円未満11.2%
500,000円以上14.0%

5月度の世帯収入(月収)

0円1.6%
1円以上~100,000円未満7.2%
100,000円以上~200,000円未満23.6%
200,000円以上~300,000円未満27.0%
300,000円以上~400,000円未満16.6%
400,000円以上~500,000円未満12.2%
500,000円以上11.8%

調査3:3月・4月・5月度の消費支出変化

消費支出は3~5月にかけて平均4千円微減。20万円未満の世帯は43.2%から47.0%に増加

3月・4月・5月度の消費支出変化

3月~5月度の3か月間における消費支出変化では大きな差はみられないものの、3月度の平均値22.5万円に対し、5月度の平均値22万円とやや減少傾向にあることがわかりました。
支出額が20万円未満の世帯割合は、3月度の43.2%に比べて5月度は47.0%とおよそ4ポイント増加しています。

3月度の世帯支出(月出費)

1円以上~50,000円未満1.6%
50,000円以上~100,000円未満5.6%
100,000円以上~200,000円未満36.0%
200,000円以上~300,000円未満32.2%
300,000円以上~400,000円未満13.4%
400,000円以上~500,000円未満7.2%
500,000円以上4.0%

4月度の世帯支出(月出費)

1円以上~50,000円未満1.6%
50,000円以上~100,000円未満7.8%
100,000円以上~200,000円未満34.8%
200,000円以上~300,000円未満32.4%
300,000円以上~400,000円未満13.4%
400,000円以上~500,000円未満5.0%
500,000円以上5.0%

5月度の世帯支出(月出費)

1円以上~50,000円未満2.2%
50,000円以上~100,000円未満9.0%
100,000円以上~200,000円未満35.8%
200,000円以上~300,000円未満30.8%
300,000円以上~400,000円未満12.8%
400,000円以上~500,000円未満4.4%
500,000円以上5.0%

調査4:3月・4月・5月度の家計収支変化

家計収支の黒字幅は3~5月にかけて約3万円減少。赤字世帯は15.6%から21.8%に増加

3月・4月・5月度の家計収支変化

3月~5月度の3か月間における家計収支変化では、3月度は平均値9.1万円・中央値6万円だったが、4月度は平均値7万円・中央値5万円、5月度は平均値6.2万円・中央値4.5万円(いずれもプラス、黒字)と推移し、収支の黒字額が平均3万円減少している結果となりました。
家計収支が赤字となった世帯割合は、3月度の15.6%に比べて5月度は21.8%と6ポイント増加しています。
調査3では消費支出額を抑えている傾向にあるものの、収入額の減少に伴い赤字家計が増えている状況です。

3月度の世帯収支

‐100,000円以上(赤字)2.8%
‐50,000円以上~100,000円未満(赤字)8.4%
‐1円以上~50,000円未満(赤字)4.4%
0円(分岐)4.4%
1円以上~50,000円未満(黒字)16.8%
50,000円以上~100,000円未満(黒字)24.2%
100,000円以上~200,000円未満(黒字)20.0%
200,000円以上(黒字)19.0%

4月度の世帯収支

‐100,000円以上(赤字)6.2%
‐50,000円以上~100,000円未満(赤字)4.4%
‐1円以上~50,000円未満(赤字)6.2%
0円(分岐)7.8%
1円以上~50,000円未満(黒字)21.8%
50,000円以上~100,000円未満(黒字)19.6%
100,000円以上~200,000円未満(黒字)21.8%
200,000円以上(黒字)12.2%

5月度の世帯収支

‐100,000円以上(赤字)6.6%
‐50,000円以上~100,000円未満(赤字)3.4%
‐1円以上~50,000円未満(赤字)11.8%
0円(分岐)7.8%
1円以上~50,000円未満(黒字)21.8%
50,000円以上~100,000円未満(黒字)20.0%
100,000円以上~200,000円未満(黒字)16.8%
200,000円以上(黒字)11.8%

調査5:3月・4月・5月度の支出増減比較

3~5月で増えた消費支出は「食費」「水道光熱費」、減った消費支出は「交通費」「外食費」

3月・4月・5月度の支出増減比較

3月~5月度の3か月間で増えた消費支出では、「食費(自炊)」が376人と最も多く、次いで「水道光熱費」252人、「日用品費」156人と続く結果で、外出自粛や在宅勤務に伴い家庭内での自炊機会が増えたことが出費項目にも反映した内容です。
一方で減った消費支出として、「交通費」257人、「外食費(テイクアウト含む)」246人、「交際費」218人、「趣味費・娯楽費」209人が多く、この結果も外出自粛で生活に制限がかけられたことに付随する結果だと考えられます。

調査6:赤字家計の生活費をどこから補填するか

赤字家計の生活費補填として「貯金の取り崩し」が226人

赤字家計の生活費をどこから補填するか

赤字家計の生活費補填として、「貯金など資産の取り崩し」が226人と最も多く、次いで「生活費を切り詰める」153人、「特別定額給付金(10万円)」128人と続き、日ごろの備えや節約そして自治体からの給付金で補うといった堅実的な姿勢が目立つ結果です。
また、「赤字ではない(生活費の補填なし)」も212人と多く、収入減に伴う家計収支の悪化がみられる中でも、しっかりと家計を支えている実態が伺えます。

調査7:特別定額給付金で生活費を補えるか

特別定額給付金(10万円)、3世帯に1世帯が「足りない」

特別定額給付金で生活費を補えるか

特別定額給付金(10万円)で生活費を補えるという調査に対し、「足りない」と回答した人は31.2%と、およそ3世帯に1世帯が給付金額に不足を感じているという結果でした。
また、「十分に足りる(余る)」と回答した27.4%に対して余剰金の使い道について尋ねたところ、「今後の収入にまだ不安があるため貯金する」という声が最も多く、その他「経済復興のため居住地域で消費する」、「住宅ローン返済に充てる」という声もありました。
自粛要請が解除された中でも、いまだ続く不安やリスクへの備えとして貯金する世帯が多いようです。

監修者プロフィール

FP For You代表 稲村 優貴子
FP For You
代表 稲村 優貴子

FP For You
代表 稲村 優貴子

損害保険会社に事務職で入社後、お客様に直接会って人生にかかわるお金のサポートをする仕事がしたいとの想いから2001年FP資格を取得し独立。現在FP For You代表として相談・講演・執筆業務を行っている。HTB、UHBテレビ、HBCラジオなどメディア出演多数。著書『年収の2割が勝手に貯まる家計整え術』(河出書房新社)

調査概要
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査期間:2020年6月1日~2020年6月7日
  • 調査対象:全国20代~60代500世帯
  • 調査監修:FP For You代表 稲村優貴子

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