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【超投資初心者向け】節税からはじめる確定拠出年金

「確定拠出年金」、「iDeCo」は最近よく耳にするようになったこのワードですが、「投資のようなイメージがあって手が出せない」「損失がでそうで心配」と不安を持っている方も多いのではないでしょうか?

確かに100%元本が割れないという確定拠出年金には保証はありません。ですが、税制面のメリットで所得税、運用益、受け取り時の控除の3つの節税効果によって、「損失の確率は0%ではないものの、メリットの期待値のほうが高い」ということがおわかりいただけると思います。

また将来のために運用できたお金、給与所得や投資収益をみすみす税金として払っていくのももったいないというのも事実です。
まずは加入前にできる税制優遇シミュレーションで「自分の年収では加入のメリットが◯◯◯万円ある」と数字で見ていきましょう。確定拠出年金、iDeCo活用の有益性がはっきりとおわかりいただけます。

確定拠出年金の節税効果。年収が高いほど効果大

課税所得がいくらかによって、所得税率が決まっています。税率は課税所得に比例して上がるので年収が上がるほど所得税が高くなります

ケース1/サラリーマン・35歳・年収700万円

課税所得が695万〜900万円以下の所得税の税率は23%です。
住民税の税率は10%です。
月々の掛け金10,000円で1年間拠出した場合の所得税の軽減額は24,000円になります。
住民税の軽減額は12,000円です。
トータルで1年に36,000円の税制優遇メリットがありました。

25年間でみると、
36,000円×25年=90万円 の節税効果があります。
1ヶ月でみると大した金額ではないかもしれませんが長期運用することによって90万円ものメリットを生むことができます。

ケース2/サラリーマン・35歳・年収1200万円

ケース1同様に月々10,000円を拠出した場合はどうでしょうか。
1年間の所得税の軽減額は、27,600円
住民税の軽減額は、12,000円です。
トータルで1年に39,600円の税制優遇メリットがありました。
25年間でみると、
39,600円×20年=99万円の節税効果があります。

ケース1とケース2を比較すると、1年で3,000円程度、20年間では9万円同じ掛け金、同じ条件の場合は年収が高いほど節税効果が高いことがわかりました。

節税効果を最大限に!職業で異なる拠出限度額

このメリットを最大限活かすには、職業で異なる拠出金額の限度額を拠出することです。
職業別の月々の拠出限度額は以下のとおりです。

注意ポイント

企業年金がある場合など、特殊ケースもありその場合はまた最大限度額が下がるので加入時に確認が必要です。

  • 会社員(企業年金がない場合):月23,000円
  • 公務員:月12,000円
  • 自営業・フリーランス:月68,000円
  • 主婦・パート・アルバイト:月23,000円
ケース1/サラリーマン・35歳・年収700万円
前項ケース1の方が掛け金を限度額の23,000円に引き上げた場合の節税効果は、
1年間の所得税の軽減額は、55,200円
住民税の軽減額は、27,600円です。
トータルで1年に82,800円の税制優遇メリットがありました。

このように限度額いっぱいで拠出するとぐんと節税効果は上がります。しかし一度拠出したお金は60歳まで引き出せないないので注意が必要になります。

また、専業主婦の場合は、節税効果としてのメリットはありません。しかし、パート収入で扶養控除内の年収103万円以下になるような働き方をしている場合は拠出金が「所得控除」で差し引かれます。月に23,000円、年間で276,000円分多く働いても非課税になるので検討の余地があると言えるでしょう。
そして専業主婦の方でもいずれ復職でもするのであれば、確定拠出年金はそのまま継続できるので復職後からは節税メリットも発生していきます。

運用時にも節税。利益も非課税

金融商品は通常受け取り時に約20%課税されその金額がマイナスされます。ですが、確定拠出年金の場合は運用して発生した利益にも非課税で再投資されるので、定期預金や他の金融商品と比べてもメリットが大きいです。

仮に月々23,000円の拠出金で、年率(複利3%)で20年間運用した場合

確定拠出年金元金分 5,520,000円
利息分 1,961,201円
税金  0円
積立合計額 7,527,467円

同様に掛け金、年率で定期預金を行なった場合

定期預金元金分  5,520,000円
利息分(税引後) 1,563,077円
積立合計額   7,083,077円

この結果から、444,390円の節税効果があることがわかりました。
さらに定期預金での現在の利率は良くても0.2%あるかどうかなので、仮に確定拠出年金の運用が元本を割り込んだとしても節税分も含めて損をする確率はだいぶ低いのではないかと思います。

受け取り時にも節税

受け取り時には「退職所得控除」と「公的年金控除」どちらかが適用されます。
運用した資金を一括で受け取る場合は「退職所得金控除」に、分割して受け取る場合には「公的年金等控除」で受け取り時にも節税効果が期待されます。これもどちらのほうが、メリットが大きいのかも気になりますよね。

仮に1000万円を受け取る場合

100万円ずつ分割して受け取る場合(65歳未満)100万円×(控除の割合100%)-控除額70万円=課税対象額30万円
30万円×所得税率5%=15,000円
課税額は15,000円となります。

1000万円を一時金として一括で受け取る場合(勤続25年)退職所得控除の非課税額の計算をします。
800万円+70万円×25年-20年=1,150万円までが非課税なので
受取り額は1,000万円なので税額は0円

この場合は節税メリットという点では、退職所得控除を使った方がお得だと言えるでしょう。また年金方式と一時金方式を併用して受給することもできます。退職所得控除額を超えた受取りになりそうな場合は年金方式と併用することによって最大限の節税効果が発揮できるので、受取りのシミュレーションを行うことも大事です。

このシミュレーションはやや専門知識が必要なので、企業からの退職金がある場合や公的年金の需給がある場合で「どのような受取り一番メリットがあるかわからない」という場合は、FPや金融機関のプロに相談してみると間違いないでしょう。

3つの節税メリットで活かして無理のない運用を

「投資は変動リスクがあって元本割れが怖い…」と、思っていた方も拠出時・運用時・受け取り時と3つ節税効果でよっぽどのことがない限り、「受け取り金額が掛け金を割るようなことは滅多にない」と感じたのではないでしょうか。
しかも運用する拠出金は税金として納めていた金額の一部と考えると、毎月5,000円ずつ
20年積み立てているのとはその価値が違います。

投資初心者でも臆することなく、まずは「節税しながら将来の積立てができる運用方法」というライトな感覚で興味を持つことから始めてみましょう。
その後加入を決定したら金融機関選び、商品選びといった選択が出てきますが自分の条件での節税メリットをしっかり知っておくことが長期運用していく上でも、大切なことです。
そして確定拠出年金は早めにスタートするほど、積立金が増えますし節税効果が高いです。

このように一見メリットばかりの確定拠出年金ですがいくつかの注意点もあります。
まず一度拠出したお金は60歳になるまで引き出すことができないということも覚えておいてください。

拠出金の変更は年に1回は行うことができますが、拠出金の捻出のために暮らしが圧迫されたのでは60歳までという長期の運用では疲弊してしまします。
家計の収支と照らし合わせて、月々支払える無理のない金額を拠出していくことが節税と老後資金の積立への第一歩です。

自分の年齢や年収だと、確定拠出年金でどのくらいのメリットがあるのか?加入の条件や運用方法などもっと詳しく確定拠出年金(iDeco)について知りたいという方は、iDeco公式サイトで税制優遇シミュレーションが簡単に行えますのでそちらもご覧ください。
イデコ公式サイト|老後のためにいまできること、iDeCo|国民年金基金連合会

このコラムの執筆者

藤澤環奈/ファイナンシャルプランナー・ライター・会社員
藤澤環奈/ファイナンシャルプランナー・ライター・会社員

介護のため一時離職。FP資格を活かしたライターとしてライフプラン、節約、住宅ローン、教育資金、投資、終活などの記事を多数執筆。その傍らクラウドソーイングセミナー講師を務める。「読者、お客様と一緒に学ぶ」という姿勢を大切にわかりやすい言葉で、等身大のアドバアイスを行っている。


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