【スマホ決済利用調査】1,000人に聞いた1番利用しているスマホ決済サービスはどれ?
- 消費税率10%への引上げに伴う需要平準化対策として実施された「キャッシュレス・ポイント還元事業」開始から半年が経とうとしています。キャッシュレス決済システムを導入する店舗の拡大、各社の還元サービス・キャンペーン等で、ますます利用者が増え競争激化する中、最も利用されているスマホ決済はどれなのでしょうか。
FPサテライト株式会社監修のもと、全国のスマホ決済サービス利用者1,000人に利用動向調査を実施し、利用頻度や支持される理由を明らかにするとともに、利便性向上や還元事業終了後の課題について解説していただきました。
調査回答者の属性(n=1,000)
- 性別:男性34.7%/女性65.3%
- 年代:20代23.7%/30代40.3%/40代27.6%/50代6.7%/60代1.7%
- 婚姻・子供:未婚・子なし43.0%/未婚・子あり3.0%/既婚・子なし17.0%/既婚・子あり37.0%
- 職業:正社員34.3%/契約社員・嘱託社員5.0%/派遣社員3.4%/パート・アルバイト15.0%/フリーランス9.3%/会社経営者0.7%/専業主婦(主夫)22.0%/学生3.0%/無職7.3%
- 個人年収:100万円未満35.6%/100万円以上~150万円未満10.3%/150万円以上~300万円未満23.0%/300万円以上~500万円未満23.7%/500万円以上~700万円未満5.7%/700万円以上~1,000万円未満1.3%/1,000万円以上0.4%
調査1:スマホ決済サービス(アプリ)の保有数
全国20代~60代 スマホ決済サービス利用者1,000人の「スマホ決済サービス(アプリ)の保有数」については、「1つ」43.0%が最も多く、次いで「2つ」25.6%、「3つ」20.3%と続き、3つ以下で8割を占める結果でした。いくつものスマホ決済サービスを保有・多用するより、1社に絞って利用する傾向が読み取れます。
スマホ決済サービス(アプリ)保有数
1つ | 43.0% |
2つ | 25.6% |
3つ | 20.3% |
4つ | 5.1% |
5つ以上 | 6.0% |
調査2:保有するスマホ決済サービスの月利用総額
保有するスマホ決済サービスの月利用総額については、「10,000円以上~15,000円未満」26.1%が最も多く、次いで「25,000円以上~30,000円未満」15.0%、「30,000円以上~40,000円未満」14.3%と続き、平均値21,115円、中央値10,000円という結果でした。
本調査での月利用総額は最低500円、最高20万円と大きな開きがあり、ユーザーによってスマホ決済サービスの利用用途は様々であることが伺えます。
保有するスマホ決済サービス月利用総額
3,000円未満 | 9.0% |
3,000円以上~5,000円未満 | 5.0% |
5,000円以上~10,000円未満 | 13.7% |
10,000円以上~15,000円未満 | 26.1% |
15,000円以上~20,000円未満 | 2.3% |
20,000円以上~30,000円未満 | 15.0% |
30,000円以上~40,000円未満 | 14.3% |
40,000円以上~50,000円未満 | 4.3% |
50,000円以上~100,000円未満 | 8.0% |
100,000円以上 | 2.3% |
また、月の利用総額で5000円未満と40000円以上の割合が少ないのは、少額かつ利用頻度の少ない店舗などでは現金で、家電量販店やネット通販の高額利用はクレジットカード、少額ではあるが利用頻度が高い店舗(コンビニやスーパー含む)はスマホ決済サービスを利用する等、利用頻度やシーンに合わせた決済手段の使い分けが浸透しているからと推測されます。
調査3:1番利用しているスマホ決済サービス
1番利用しているスマホ決済サービスについては、「PayPay」423人が最も多く、回答者の約2.4人に1人が選んでいます。次いで「楽天ペイ」130人、「d払い」127人と続き、1位のPayPayと2位以下が3倍以上の差をつけるも上位3社で全体のおよそ7割を占める結果でした。
1番利用しているスマホ決済サービス 上位5つ
PayPay | 423人 |
楽天ペイ | 130人 |
d払い | 127人 |
au PAY | 67人 |
メルペイ | 63人 |
また、上位3つのサービスが約7割を占めるという結果は、消費者が自分にあったスマホ決済を見分ける能力を身につけたことが伺え、スマホ決済サービスの選り分けが始まっているといえます。
調査4:1番利用しているスマホ決済サービスの月利用額
全スマホ決済サービスでの平均値は17,429円、中央値は10,000円
スマホ決済サービスの月利用額については、「QUICPay」(平均値29,000円、中央値20,000円)と最も金額が多く、次いで「iD」(平均値27,000円、中央値10,000円)、「au PAY」(平均値21,597円、中央値10,000円)と続き、スマホ決済サービス全体での平均値は17,429円、中央値は10,000円という結果でした。
保有するスマホ決済サービスの月利用総額(調査2)と、1番利用しているスマホ決済サービスの月利用額(調査4)の平均値差は3,686円であり、2つ目以降のスマホ決済利用額は、1番利用するスマホ決済利用額に比べて2割程度であることが読み取れます。
1番利用しているスマホ決済サービス月利用額 上位5つ
QUICPay | 平均値29,000円 | 中央値20,000円 |
iD | 平均値27,000円 | 中央値10,000円 |
au PAY | 平均値21,597円 | 中央値10,000円 |
楽天Edy(おサイフケータイ) | 平均値21,444円 | 中央値15,000円 |
モバイルWAON | 平均値20,000円 | 中央値15,000円 |
調査5:1番利用しているスマホ決済サービスの月利用頻度
1番利用しているスマホ決済サービスの月利用頻度については、「週2~3回」41.6%が最も多く、次いで「週1回」21.3%、「月2~3回」16.3%と続き、平均利用頻度は月9.8回という結果でした。
「毎日」の利用は僅か5.0%で、スムーズな支払いが可能なスマホ決済でも堅実的な利用姿勢が伺えます。
1番利用しているスマホ決済サービス月利用頻度
毎日 | 5.0% |
週4~6回 | 12.8% |
週2~3回 | 41.6% |
週1回 | 21.3% |
月2~3回 | 16.3% |
月1回 | 1.3% |
月1回未満 | 1.7% |
また、「週2~3回」スマホ決済を利用する人が全体の4割以上を占めることから、利用シーンによる使い分けをする消費者の姿が垣間見えます。
調査6:1番利用しているスマホ決済サービスの支払先
1番利用しているスマホ決済サービスの支払先については、「コンビニ」2,045ポイントが最も多く、次いで「スーパー」1,059ポイント、「ドラッグストア」1,052ポイントと、日常的な買い物を中心とした利用が伺えます。
また、上位以外での支払い先では「本・DVD・ゲームショップ」や「美容室・サロン」なども挙がっており、キャッシュレス・ポイント還元事業開始から利用店舗が増え、様々なお店やシーンでのスマホ決済利用が普及・定着しています。
1番利用しているスマホ決済サービス支払先 上位5項目
コンビニ | 2,045ポイント |
スーパー | 1,059ポイント |
ドラッグストア | 1,052ポイント |
ネットショッピング | 513ポイント |
飲食店 | 356ポイント |
また、コンビニはちょっとした隙間時間の利用が多く、決済時はお店側にも買う側にもスピードが求められます。その点において、スマホをかざすだけで決済が完了するスマホ決済は、財布から小銭を出したりやおつりのやり取りをしたりという手間が掛からず、コンビニ店舗と利用者双方にとって最適な決済方法なのではないでしょうか。
調査7:1番利用しているスマホ決済サービスの利用理由
1番利用しているスマホ決済サービスの利用理由については、「ポイント還元率が高い」1,921ポイントが最も多く、次いで「利用できる店舗が多い」1,691ポイント、「キャンペーンやサービス内容が良い」936ポイントと続き、上位3項目でおよそ8割を占めています。
また、上位3項目以降は大きな差もなく、スマホ決済サービス利用の決め手として“いかにお得に利用できるか”を重視していることがわかる結果でした。
1番利用しているスマホ決済サービス利用理由 上位5項目
ポイント還元率が高い | 1,921ポイント |
利用できる店舗が多い | 1,691ポイント |
キャンペーンやサービス内容が良い | 936ポイント |
常用している銀行口座と連携しやすい | 283ポイント |
セキュリティが安心できる | 243ポイント |
また、利用者はポイント還元率だけではなく、使い勝手のよさを重視してキャッシュレスツールを選ぶことが重要かと思います。例えば、自分が最もよく利用する店舗で使える決済方法を選んだり、あらかじめ決めた額をチャージする前払い式のツールで使い過ぎを防いだり。
自分にとっての「使い勝手の良さ」を考え、それに合ったツールを賢く利用していきたいですね。
監修者プロフィール
FPサテライト株式会社
FP 金井 優子
FP 金井 優子/FPサテライト株式会社
兵庫県出身、藤沢市在住。
新しい分野への挑戦が好きで、CA、フリーアナウンサーを経てFPに。
現在は年子男子の育児をしながら、FPとして活動している。
出産後の家計管理に奮闘した経験から、子育て世代に寄り添うFPを目指している。
【HP:https://fpsatellite.co.jp/】
- 調査方法:インターネット調査
- 調査期間:2020年3月14日~2020年3月18日
- 調査対象:全国20代~60代スマホ決済サービス利用者1,000人
- 調査監修:FPサテライト株式会社