【クレジットカード利用調査】1,000人に聞いた1番利用しているクレジットカードはどれ?
- 2019年10月から2020年6月まで実施の「キャッシュレス・消費者還元事業」の影響等により、ますますキャッシュレス決済が普及し、クレジットカードの発行枚数も増加傾向にある中、1番利用されているクレジットカードはどれなのでしょうか。
全国のクレジットカード保有者1000人を対象に利用実態を調査し、最も利用されているカードと支払先、そして支持される理由を明らかにし、株式会社Money&You取締役の高山一惠氏にカードの選び方や効果的な利用法について解説いただきました。
調査回答者の属性
- 性別:男性33.1%/女性66.9%
- 年代:20代29.4%/30代35.4%/40代26.3%/50代7.0%/60代1.9%
- 婚姻・子供:未婚・子なし36.5%/未婚・子あり1.4%/既婚・子なし15.9%/既婚・子あり46.2%
- 職業:正社員34.0%/契約社員・嘱託社員4.9%/派遣社員4.2%/パートタイマー・アルバイト16.1%/業務委託契約0.4%/自営業・自由業8.8%/専業主婦24.5%/学生2.5%/無職4.6%
- 個人年収:100万円未満38.5%/100万円以上~150万円未満9.1%/150万円以上~300万円未満21.4%/300万円以上~500万円未満19.6%/500万円以上~700万円未満6.4%/700万円以上~1,000万円未満4.3%/1,000万円以上0.7%
調査1:クレジットカード保有枚数
自分(回答者)名義のクレジットカード保有枚数について、最も割合の多い回答が「2枚」38.5%、次いで「3枚」が24.6%と続き、1人あたりの平均は2.4枚という結果でした。
クレジットカード保有枚数
1枚 | 23.1% |
2枚 | 38.5% |
3枚 | 24.6% |
4枚 | 5.4% |
5枚以上 | 8.4% |
調査2-1:1番利用するクレジットカード
1番利用している(利用金額が多い)クレジットカードについては、「楽天カード」が378件と最も多く、回答者の3人に1人以上が選んでいます。
次いで、「JCBカード」105件、「イオンカード」67件、「セゾンカード」56件と続き、1位の楽天カードと大きく差をつけるも上位4種で全体の6割を占める結果でした。
1番利用するクレジットカード 上位10種
楽天カード | 378件 |
JCBカード | 105件 |
イオンカード | 67件 |
セゾンカード | 56件 |
エポスカード | 49件 |
オリコカード | 42件 |
dカード | 39件 |
Yahoo!JAPANカード | 38件 |
JALカード | 28件 |
三井住友カード | 28件 |
「イオンカード」、「セゾンカード」、「エポスカード」の流通系カードは、いずれも特定の店舗でポイント高還元や割引特典を受けられるため、利用する人に選ばれやすいです。
ポイント還元率1%の高還元に加え、楽天市場ではポイント還元率3%になるため、実店舗でもオンラインショッピングでもポイント高還元であることが選ばれる理由の1つだと言えます。
JCB発行のプロパーカードでステータスが高いことから利用されやすいです。
イオングループでポイント還元率1%(ポイント2倍)の高還元になるのに加え、毎月20日と30日は「お客様感謝デー」でイオングループ店舗で買い物すると5%OFFされます。(※通常のポイント還元率は0.5%)
西友の買い物が3%OFFになるウォルマートセゾンや、ロフトで月3回5%OFFの割引が受けられるロフトカードなどを発行しています。
マルコとマルオの7日間という優待特典があり、マルイやモディ、マルイウェブチャンネルなどで年4回(各開催期間は7日間)、ほとんどの商品を10%OFFで購入できます。
【参考】
【2020年版】おすすめの人気クレジットカードを厳選して紹介
審査の甘いクレジットカードBEST3!1000人調査の結果と作り方公開
また、1番利用しているカードが楽天カードとなっていますが、楽天カードは年会費が無料のカードの割に還元率は1%とお得度が高いカードとしても知られています。本調査回答者の割合では、20代〜40代の女性が多いですが、この層は楽天のヘビーユーザーも多いことも楽天カードが人気の理由といえるでしょう。
2位以下のカードを見ても、日常の買い物でポイントが貯まりやすくかつ、還元率が高いカードが多く、クレジットカードを選ぶ際に、「ライフスタイル」や「還元率」に注目して選んでいる人が多い様子が伺えます。
調査2-2:1番利用するクレジットカードの国際ブランド
1番利用している(利用金額が多い)クレジットカードの国際ブランドについては、「VISA」が56.6%と最も多く、回答者の半数以上が利用しています。
次いで、「JCB」31.0%、「Mastercard」10.8%と続き、上位3ブランドだけで97%以上を占める結果となりました。
1番利用するクレジットカードの国際ブランド
VISA | 55.6% |
JCB | 31.0% |
Mastercard | 10.8% |
American Express | 1.9% |
Diners Club | 0.6% |
中国銀聯 | 0.1% |
調査3:1番利用するクレジットカードの月利用額
1番利用するクレジットカードの月利用額については、「1万円以上~3万円未満」が27.3%と最も多く、次いで「3万円以上~5万円未満」16.6%、「5万円以上~7万円未満」15.4%と続き、平均値58,934円、中央値40,000円という結果でした。
1番利用するクレジットカード 月利用額
1万円未満 | 9.1% |
1万円以上~3万円未満 | 27.3% |
3万円以上~5万円未満 | 16.6% |
5万円以上~7万円未満 | 15.4% |
7万円以上~10万円未満 | 10.5% |
10万円以上~15万円未満 | 12.6% |
15万円以上~20万円未満 | 6.0% |
20万円以上~30万円未満 | 1.1% |
30万円以上 | 1.4% |
調査4:1番利用するクレジットカードの月利用頻度
1番利用するクレジットカードの月利用頻度については、「週2~3回」が30.2%と最も多く、次いで「月2~3回」26.6%と続き、平均利用頻度は月8.4回という結果でした。
「毎日」は僅か3.5%で、1番利用するクレジットカードでも堅実的な利用姿勢が伺えます。
1番利用するクレジットカード 月利用頻度
毎日 | 3.5% |
週4~6回 | 12.4% |
週2~3回 | 30.2% |
週1回 | 21.0% |
月2~3回 | 26.6% |
月1回 | 4.2% |
月1回未満 | 2.1% |
調査5:1番利用するクレジットカードの支払先
※利用金額の多い順に1位~3位を選択・・・1位3ポイント、2位2ポイント、3位1ポイントとして算出
※1位および2位以外に利用支払先が無い場合は無回答
1番利用するクレジットカードの支払先については、「オンラインショッピング(通販・フリマアプリ 等)」1,328ポイントと最も多く、次いで、「スーパー・コンビニ(食品・日用品 等)」1,144ポイント、「ショッピング(実店舗)」1,068ポイントと、上位3項目の支払先はすべて買い物利用でした。
クレジットカードの支払先 上位5項目
オンラインショッピング(通販・フリマアプリ 等) | 1,328ポイント |
スーパー・コンビニ(食品・日用品 等) | 1,144ポイント |
ショッピング(実店舗) | 1,068ポイント |
通信費(スマホ料金・ネット回線 等) | 557ポイント |
ガソリン・ETC | 415ポイント |
ちなみに、クレジットカード利用先の1位がオンラインショッピングとなっていますが、オンラインショッピングの代表的存在といえば、楽天市場。楽天市場で楽天カードを使って買い物をする場合、楽天カードの基本還元率は1%ですが、楽天市場で利用すればさらに倍率が増えます。このことも利用先の1位がオンラインショッピングになっている理由かもしれません。
さらに、楽天市場などのオンラインショッピングのみならず、マクドナルドやプロントなど、街の多くの店舗でも楽天ポイントが獲得でき、その際、楽天ペイの支払い元を楽天カードに設定すると、楽天ペイのポイントと楽天カードのポイントが二重取りできます。一番よく使うカードが楽天カードという結果になっていますが、これは、ポイントが貯まる機会が多いところも評価されているのでしょう。
調査6:1番利用するクレジットカードの利用理由
※利用理由の重視する順に1位~3位を選択・・・1位3ポイント、2位2ポイント、3位1ポイントとして算出
※1位および2位以外に利用理由が無い場合は無回答
1番利用するクレジットカードの利用理由については、「ポイントまたはマイルの還元率が高い」2,163ポイントが最も多く、次いで「入会金・年会費が無料または安い」1,182ポイントと続くも、その差は倍近いポイントを付ける結果でした。
3位以下の項目「利用できる店が多い」以降は大きな差もなく、クレジットカード利用の決め手として“ポイント還元率”が大きく影響していることが明らかになりました。
クレジットカードの利用理由 上位5項目
ポイントまたはマイルの還元率が高い | 2,163ポイント |
入会金・年会費が無料または安い | 1,182ポイント |
利用できる店が多い | 282ポイント |
利用先の割引サービスやキャンペーン内容が良い | 268ポイント |
常用している銀行または郵便口座と連携しやすい | 207ポイント |
さらに、利用しているカードの第1位が「楽天カード」なところを見ると、情報収集をしっかりして、年会費がかからずに、還元率が高いカードを選んでいるのがわかります。前項での回答と重複しますが、楽天カードの基本還元率は1%ですが、楽天市場で利用すればさらに倍率が増えたり、楽天ペイの支払い元を楽天カードに設定すると、楽天ペイのポイントと楽天カードのポイントが二重取りできたりするなど、すぐにポイントが貯まる傾向にあるところも評価されているポイントでしょう。
調査7:保有するクレジットカードの月利用総額
保有するクレジットカードの月利用総額については、1番利用するクレジットカードの月利用額と同様、「1万円以上~3万円未満」が24.5%と最も多く、次いで「10万円以上~15万円未満」17.5%と続き、金額には開きがあるものの、平均値75,101円、中央値55,000円という結果でした。
1番利用するクレジットカードの月利用額と保有するクレジットカードの月利用総額の平均値差は16,707円であり、2枚目以降のカードの利用金額は、1番利用するカードに比べて3割未満であることが読み取れます。
保有するクレジットカード 月利用総額
1万円未満 | 5.6% |
1万円以上~3万円未満 | 24.5% |
3万円以上~5万円未満 | 13.0% |
5万円以上~7万円未満 | 14.4% |
7万円以上~10万円未満 | 10.2% |
10万円以上~15万円未満 | 17.5% |
15万円以上~20万円未満 | 9.8% |
20万円以上~30万円未満 | 3.2% |
30万円以上 | 1.8% |
また、今はグローバル時代で、海外に行く機会も多いと思うので、VisaやMasterCardなどのインターナショナルブランドのカードを持っていても良いですね。ですから、クレジットカードは日常使いのものとインターナショナルブランドのカードの計2枚を持っておくとよいでしょう。今回、1番利用するクレジットカードの月利用額については、「1万円以上~3万円未満」が最も多かったので、家賃や保険料、公共料金、携帯電話代などの「固定費」もクレジットカード払いにするとポイントが貯まりやすいでしょう。
今後はますますキャッシュレス化が進む傾向にあります。参入業者が相次ぎ、様々なキャッシュレス決済サービスが登場していますが、キャッシュレス決済は、導入の仕方を間違えてしまうと、逆に支出全体が把握できなくなります。キャッシュレス決済を賢く使いこなすためには、利用する決済ツールと引き落とし口座を絞り込んでお金の流れを見える化することです。また、使いすぎを防ぐためには、キャシュレス決済で利用する金額を予め予算化しておくことも大切です。
監修者プロフィール
株式会社Money&You取締役
高山 一惠
高山 一惠/株式会社Money&You取締役
ファイナンシャル・プランナー(CFP®認定者)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
DCプランナー1級
東京都出身。慶應義塾大学文学部卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを創業。10年間取締役を務めた後、現職へ。女性向けWEBメディア『FP Cafe®』や『Mocha』を運営。全国での講演活動、執筆、マネー相談を通じて、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。明るく、親しみやすい講演には定評がある。
- 調査方法:インターネット調査
- 調査期間:2020年1月31日~2020年2月5日
- 調査対象:全国20代~60代クレジットカード保有者1,000人
- 調査監修:株式会社Money & You取締役 高山一惠