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証券取引所について学ぼう!初心者向けに説明

2017.10.27

株式会社が発行する株式を証券会社を仲介して自由に取引することができる、それが証券取引所です。

株式会社を設立した資本と株式を取引する投資家の資金が、証券取引所という効率的な流通市場に集まり、適正な価格で自由に取引されることで、日本経済は発展してきた、と言っても過言ではありません。

証券取引所の歴史を紐解きながら、証券取引所がどんなところで、何をしているところなのか、説明していきます。

日本の証券取引所

明治時代に開設された証券取引所

日本における証券取引所の歴史は、ユネスコの世界遺産に登録されている富岡製糸場と絹産業遺産群や明治日本の産業革命遺産(八幡製鉄、長崎造船所、鉱山開発など)が、殖産興業政策として推し進められた明治時代からはじまります。

西欧の列強国に追い付き追い越せの殖産興業政策は、明治維新の日本に好景気をもたらします。

株式会社設立が相次いだことから、株式会社の株式を売買する取引機関設立の機運が高まり、1878年(明治11年)、東証の前身となる東京株式取引所が設立されます。

現在、日本には、2013年(平成25年)に大阪証券取引所と経営統合した東京証券取引所のほか、名古屋証券取引所、福岡証券取引所、札幌証券取引所と、4つの証券取引所があります。

世界三大市場に数えられる東京証券取引所

東京証券取引所は、平日9時から11時30分までの前場と、お昼休みを挟んで12時30分から15時までの後場に取引がおこなわれています。

名古屋証券取引所、福岡証券取引所、札幌証券取引所は、取引開始時間は東京証券取引所と同じですが、後場の終わりが30分長く、15時30分となっています。

東証の呼び名が定着している東京証券取引所は、日本を代表する証券取引所として日本経済とともに発展し、米国のニューヨーク株式市場、英国のロンドン株式市場とともに世界三大金融市場に数えられる市場となっています。

1部市場2020社、2部市場526社、マザーズ市場239社、JASDAQ市場752社が上場し、2017年の1日あたりの平均で3兆2千億円(日本取引所グループHP:主要商品の一日平均売買代金・取引高等の推移)の取引がおこなわれています。

新興企業を育成するセントレックス市場

1886年(明治19年)に創設された名古屋株式取引所を前身とする名古屋証券取引所は、1949年(昭和24年)に証券会社を会員とする法人として設立され、2002(平成14年)に株式会社組織に変更され、現在に至っています。

名古屋証券取引所で取引される有価証券は、名証1部194社、名証2部85社及びセントレックス13社の上場株式と、転換社債(新株予約権付社債)、国債、公社債で、全てコンピュータシステムで売買されています。

セントレックス市場は、新興企業の育成を目的に1999年(平成11年)10月に開設された新興市場です。

中部地方の中部=セントラルと、ラテン語の王様を意味するレックスの造語で、1部、2部市場への昇格を視野に入れた市場という位置付けを明確にし、上場から10年を経過した企業に対して市場変更を促す一方、上場後にビジネスモデルが崩壊し、業績が低迷している場合には、上場廃止基準に照らし合わせ、市場から退出させる方針を打ち出しています。

地域経済のインフラの役割を担う

1914年(大正3年)に開設された博多株式取引所をはじまりとする福岡証券取引所には、単独上場する28社を含め、111社が上場しています。

九州に本店を構える企業及び九州周辺で事業を展開する企業を対象にQ-Bord市場を創設し、3〜5年以内に上場を目指す企業を無料でサポートする「九州IPO挑戦隊」プロジェクトや「福岡単独上場会社の会」の結成、さらには個人投資家向けの会社説明会など、九州エリアにおける産業振興、健全な証券市場育成に独自色を打ち出しています。

1949年(昭和24年)に設立された札幌証券取引所は、道内企業を中心とする有価証券の流通市場として機能しています。

単独上場17社を含め58社が上場し、北海道の新興企業を育成するために開設されたアンビシャス市場には、累計で15社が新規上場を果たすなど、北海道経済のインフラとしての役割を果たしています。

証券会社と証券取引所の違い

上場を審査する証券取引所

証券取引所には、企業としての継続性と収益性、経営の健全性、適正な情報開示と管理体制など、取引所ごと、開設している市場ごとに上場審査基準があります。

厳しい上場審査基準をクリアし、市場を代表する銘柄が「1部銘柄」で、1部昇格を目指すのが「2部銘柄」という位置付けとなります。

具体的には、株主数、流通株主数とその比率、上場時の時価総額、事業継続年数、純資産額などが審査基準となります。

参考までに、新興市場や2部市場を経由することなく、東証1部に直接上場する場合、その上場審査基準は、株主数2,200人以上、流通株式数20,000単位以上、流通株式数の比率35%以上、時価総額250億円以上、連結純資産10億円以上など、かなり高いハードルをクリアしなければなりません。

ベンチャー企業を育成する新興市場

成長性が見込めるものの、資金力が乏しかったり、利益の絶対水準が低いベンチャー企業に対して、成長に必要な資金調達の場となるとともに、新たな産業を育成していくための経済インフラとして、上場審査基準を緩和した新興市場1999年(平成11年)東京証券取引所のマザース市場、名古屋証券取引所のセントレックス市場、2000年(平成12年)福岡証券取引所のQ−Borad市場、札幌証券取引所のアンビシャス市場)が開設されています。

2006年(平成18年)に、ライブドアの粉飾決算をきっかけに、新興市場には厳しい目が向けられるようになりましたが、証券業界をあげて新興市場の信頼回復、活性化に向けた取組がおこなわれています。

時間優先、価格優先の競争売買

国内4つの証券取引所では、取引参加者として名を連ねる証券会社から出される大量の売り注文と買い注文を公正かつ円滑に執行し、時間優先、価格優先の競争売買のルールに則って、売買を成立させています。

取引の対象となる上場企業については、上場に際しての審査だけでなく、上場した後も財務内容の公開を義務づけ、投資家に対して必要な投資情報をタイムリーに開示することを求めています。

明治時代にはじまった株式取引は、1999年(平成11年)に取引所の立会場が閉鎖され、売買がコンピュータ化されるまでの間、取引所の場立と呼ばれる社員の手サインで、執行する売買注文の連絡、約定した売買注文の連絡を行っていました。

東京証券取引所では、2010年に従来のシステムの1,000倍以上の処理スピードで、売買注文に1,000分の2秒で応答する株式売買システム「arrowhead」を導入しています。

証券会社の主な業務

米国のニューヨーク株式市場、英国のロンドン株式市場とともに世界三大金融市場の一角を担う東京証券取引所には、1部、2部、JASDAQ、マザーズの4市場合わせて3537社が上場しています。

これらの株式を売買するためには、東京証券取引所の取引参加者として名を連ねている93の証券会社に取引口座を開設する必要があります。

名古屋証券取引所、福岡証券取引所、札幌証券取引所に単独上場している株式を売買する際にも同様となりますが、ネット証券大手の中には、福岡証券取引所、札幌証券取引所の単独上場銘柄を取引できないところもあり、事前に証券会社のホームページにアクセスして取扱い対象銘柄を確認しておくことをオススメします。

証券会社は、顧客である投資家が入れる買い注文であったり、売り注文を取引所に仲介する役割を担います。

投資家から委託手数料を受け取っておこなうブローカー業務のほか、証券会社の自己資金で売買するディーラー業務、株式の新規発行を引き受けるアンダーライター業務と募集・売出しのセリング業務が、証券会社の主な仕事となります。

証券取引所は何をしているところなのか

上場企業は株式会社の0.018%

日本全体では、約190万社の株式会社が存在しますが、東京、名古屋、福岡、札幌の証券取引に上場している株式会社は約3,600社です。

株式会社に占める上場企業の比率はわずか0.018%となります。

経営哲学からあえて上場を選ばない優良企業も存在しますが、上場企業は、社会的なステータスが得られるだけでなく、多様な資金調達機会があり、知名度アップによる業績の向上や優秀な人材確保というメリットがあります。

上場企業の株式を取引するために開設された証券取引所ですが、多種多様な投資ニーズに応え、国内外の多くの投資家に取引してもらうためには、グローバル企業や経営が安定した内需企業だけでなく、ベンチャー企業の発掘など、取引対象となる上場企業数を充実させることにも力を入れています。

一方で、投資家保護や取引所の秩序維持の観点から、上場審査基準を明確にするとともに、上場企業に対してリスク要因の情報開示を強く促し、場合によっては指定替えや上場廃止など上場管理を徹底する責務も担っています。

公正・公平な取引確保のために

公正にして公平な取引確保のために、相場操縦やインサイダーが疑われる取引をリアルタイムと事後の二重チェック体制で監視し、売買審査の結果については、SESC(証券取引等監視委員会)に報告されるしくみとなっています。

相場操縦とは、自己の利益を得るために行う不正行為で、公正な価格形成を阻害するものです。

インサイダーとは、合併や巨額損失の計上など、株価に大きな影響を与える重要事実を知る立場にある上場企業の役員や大株主のほか、重要事実を伝え聞いた情報受領者を指します。

重要事実が公表される前に、利益確保のためであったり、損失回避のために行われる取引は、重要事実を知らない投資家を不利な立場に置くことになり、市場に対する信頼性を損なう取引として厳しく規制されています。

売買を円滑に成立させる取引所の市場機能

全ての売買注文は、取引参加者である証券会社を仲介し、価格優先、時間優先の原則にしたがい、銘柄ごとに競争取引が行われています。

9時のオープニングと15時のクロージングでは、取引される株式数が最大で、取引されない株式数が最小となる板寄せ方式によって約定価格を決定しています。

前日の終値が基準値となりますが、翌日の取引は、買い注文と売り注文のバランスによって決定し、取引がスタートします。

東京証券取引所は、過去にシステム構築のミスから誤発注の取消が行えずに、発行済株式数を大幅に上回る取引を成立させてしまい、株式市場を混乱させた反省から、売買システムのリスク管理体制を強化しています。

時間優先、価格優先の競争売買の原則を維持しながら、プログラム取引への対応やアルゴリズム高速取引への対応など、その時々の売買手法に合わせた利用しやすい売買システムの構築に取り組んでいます。

まとめ

証券取引所には、株式会社の資本と投資家の資金が集まります。

株式を通して広く、浅く、大量に集められた資金は、企業活動を展開する上での資本となり、設備投資や海外進出、企業買収などに投下され、その利益は配当金や株価上昇となって投資家に還元されることになります。

国民経済の発展につながる証券取引所ですが、証券取引所の施設維持、システム開発、運営費、人件費などの経費は、証券会社と上場企業が負担しています。

取引参加者として名を連ねる証券会社は、売買代金に応じて証券決済費用を取引所に納め、上場企業は上場料のほか、コンピュータシステムなどの設備利用分担金を証券取引所に支払っています。


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