お金の参考書 投資関連

株のリスクを理解しよう!

2017.10.30



株式投資で儲けようと考えている方が数多くいらっしゃるかと思いますが、投資をすることは自ずとリスクも付きまといます。

実際にどういったリスクがあるのか解説していきます。

株式投資には4つのリスクがある

価格変動、流動性、無配・減配、倒産

株式投資には、株価上昇によってもたらされる値上がり益のほか、継続的な安定配当、配当金とは別にモノやサービスが提供される株主優待と、3つのメリットがあります。

一方で、株式投資には、価格変動(値下がり)、流動性、無配・減配、倒産、4つのリスクがあります。

投資資金の限られる個人投資家は、株価が比較的低位で、値動きの軽い銘柄を好む傾向があります。

価格変動が大きな銘柄に投資して、ハイリターンを狙うわけですが、ハイリターンはイコール、ハイリスクであることの理解が不足している面は否めません。

個人投資家が、直面する価格変動リスクの多くは、大きく株価が上昇している銘柄の高値を掴んでしまったケースです。

「もっと上がる」という欲深さが招いた結果、つまり自業自得と言ってしまえばそれまでですが、限られた投資資金だからこそ、資産として大切に育てていく考え方が必要となります。

リスクから目は背けず、向き合うこと

株式投資のリスクは、軽減することはできても回避することはできないリスクと、ある程度の投資知識を身につけ、冷静な投資判断ができれば、最初から回避できるリスクに分けることができます。

いずれにしても、株式投資の4つのリスクを理解し、リスクから目を背けるのではなく、しっかり向き合うことが必要となってきます。

価格変動リスクと流動性リスクは、表裏一体の側面があります。

個人投資家が好む値動きの軽い銘柄は、短期間に大幅上昇することもあれば、逆に大幅下落することもあるわけですが、その値動きの軽さは、買いたい時に出てくる売りが少ない、売りたい時に入ってくる買いが少ない流動性によってもたらされます。

値動きの軽い銘柄でハイリターンを追求すれば、価格変動リスクと流動性リスク、2つのリスクにさらされることになります。

値動きが重いため、個人投資家に敬遠されがちな大型株(資本金1,000億円以上、発行済株式総数が2億株を超える鉄鋼、造船、メガバンク)ですが、値動きの重さは価格変動リスクを抑えることになり、日々1千万株を超える出来高から、流動性リスクの懸念もありません。

実際に株式投資をはじめたら、値動きに一喜一憂することなく、ニュースなどで業績動向を把握しておき、冷静な投資判断ができるようになれば、無配・減配リスク、倒産リスクについては、事前に回避することができるようになります。

株式投資の4つリスク

預貯金と株式投資の違い

元本が保証されている預貯金はローリスク・ローリターン、価格が変動する株式はハイリスク・ハイリターンと位置付けられています。

預金者から預かったお金を企業融資や住宅ローンで運用し、そこで得られる利ざや(貸出金利−預金金利)が、銀行の利益となります。

預貯金がローリターンになるのは、利ざやが縮小しても預金者に支払える利率に設定されているからです。

これに対し、買い注文と売り注文の需給関係で価格が決まる株式では、銀行任せにしていた運用を自分の責任で行うわけですから、運用に成功した時のリターンも大きくなれば、失敗した時のリスクも大きくなる、というわけです。

メガバンクとゆうちょ銀行の預貯金の金利は、金額、預入期間に関係なく0.01%です。

実質的に預貯金は、ローリスク・ノーリターンの時代ですから、リスクはあっても、それに見合うだけのリターンが見込める株式投資で賢く資産を形成し、老後に備えていくことは、少子高齢化が加速している日本の「時代の要請」となっています。

価格変動リスクの目安

株式投資の4つのリスクの中で、現実的なリスクとして投資家であれば誰もが直面するのが、投資した企業の株価が値下がりする価格変動リスクです。

リスクの目安はザックリ20%です。

この数字は、過去の価格変動の幅を計算して算出したヒストリカル・ボラティリティ(H・V)というテクニカル指標から算出できる数字で、投資した1,000,000円が800,000円まで目減りすることもある、という価格変動を意味します。

株式投資には、「そんなに大きなリスクがあるの?」と、驚かれるかもしれませんが、価格変動が下にではなく上となった場合は、投資した1,000,000円が1,200,000円まで膨らむことでもあります。

日経225採用銘柄が全てストップ安となった1987年10月のブラックマンデー、強制的に取引を停止するサーキットブレーカーが発動された2008年10月のリーマン・ショックなど、歴史的な波乱相場での価格変動リスクは、より大きなものとなります。

価格変動リスクの実例

カジュアル衣料のUNIQLO、GUを展開するファーストリテイリング(以下Fリテイリング)と、ゲーム大手の任天堂の株価の推移を例に、価格変動リスクにについて説明していきましょう。

株価42,480円でスタートした2017年のFリテイリング株ですが、1月6日に40,000円大台を割り込んだあと、ズルズル値下がりする展開となり、8月22日には安値30,640円を付けています。

Fリテイリング株の売買単位は100株です。

1月初旬に100株購入する場合、投資資金として4,000,000円が必要となりますが、8月まで保有していた場合、1,000,000円の含み損が発生することになります。

含み損とは、実際に売却しなければ表面化しない損失のことです。

株価上昇を見込んで投資したのに、株価は逆の方向に動いて、含み損を抱えてしまうことは、決して珍しいことではありません。

すぐに株価が戻ることもあれば、そのまま下がり続けて塩漬け状態となることもあります。

Fリテイリング株とは対象的に、大きく値上がりしたのがゲーム大手の任天堂株です。

1月に24,000円台で取引されていましたが、右肩上がりに株価は上昇し、6月27日には高値39,530円を付けています。

Fリテイリング株が安値30,640円を付けた8月22日、任天堂株の終値は36,080円です。

1月初旬に2,400,000円で任天堂株を100株購入し、8月まで保有していたら、1,100,000円の含み益が出ていることになります。

流動性リスク

保有している株式を換金する際に、売りたい株数だけ、すぐに売れるかどうかを流動性と言います。

買い手と売り手が1対1の取引と違い、株式の取引は証券会社を仲介して、不特定多数の投資家が集まる株式市場で行われています。

1日の出来高が1,000万株を超える人気銘柄は、成り行き売り注文を出せば、瞬時に売買が成立し、4日後の受渡日には現金を引き出すことができます。

しかし、市場で流通している株式が少ない銘柄の場合、売り注文を出しても、買い注文が入らずに売買が不成立となったり、時価に対して極端にディスカウントされた価格でしか売れないことがあります。

不特定多数の投資家が集まる株式市場に売り注文を出しても、買い手がいない、時価で売れないことが流動性リスクとなります。

投資金額の多寡によって、流動性の基準は異なってきますが、買いたい株数、売りたい株数の500倍〜1,000倍の出来高を毎日こなしていれば、流動性リスクを避けることができます。

減配・無配リスク

日経平均採用銘柄の配当利回りは、2016年は実績ベースで1.70%、2017年は予想ベースで1.82%となっています。

金額、預入期間に関係なく0.01%の横並びとなっているメガバンクやゆうちょ銀行の金利と比べるまでもない利回り差となっています。

配当利回りが高く、株価が安定する銘柄を見つけることができれば、「預貯金にお金を眠らせておくのはもったいない」と誰もが考えることです。

ただひとつ注意しておきたいのは、預貯金の利率と違い、株式の配当利回りは、予想利回りであって確定利回りではないといことです。

好調だった業績に暗雲がたれこめ、業績が悪化すれば、予定していた配当を減らすだけでなく、場合によっては無配に転落することもあります。

減配や無配転落は、株価に対してネガティヴに働きますから、予定していた配当金が減額されるだけでなく、株価の値下がりに見舞われ、ダブルパンチを喰らうこともあります。

倒産リスク

株式に投資するということは、株式会社の株主となることを意味します。

保有する株式数に応じて、配当金を受け取る権利、会社を解散した時に残余財産が分配される権利、議決権を行使して会社の経営に参加する権利と、3つの権利が与えられると同時に、株主としての責任を負うことになります。

上場企業と言えども、業績不振から経営破綻に追い込まれることはあります。

経営破綻企業の株主は、投資している資金の範囲内で責任を負わなければなりません。

2016年の上場企業の倒産は、26年ぶりにゼロとなりましたが、2017年6月にエアバッグのリコール問題で信用を失ったタカタ(証券コード7312)が経営破綻(同年7月27日上場廃止)しています。

負債総額は1兆円を超え、製造業の倒産としては戦後最大となり、2007年には5,000円台で取引されていたタカタ株は、事実上紙くずとなってしまいました。

株式の売買手数料が自由化された2000年には上場企業15社、リーマン・ショック後の2008年には同45社が、経営破綻に追い込まれています。

株式を購入し、株主となるということは、株主としての権利が与えられる一方で、株主としての責任を問われることを自覚しておく必要があります。

リスク対処法

価格変動リスクをリターンのチャンスと捉える

価格変動は、リスクであるとともに、リターンのチャンスとなります。

まず、価格変動リスクが限定的な大型株を投資対象と位置付けることにします。

次に、価格変動リスクに直面して、多くの投資家が頭を抱えている急落局面に、買いの照準を合わせます。

2000年4月のITバブル崩壊、2003年4月日経平均8,000円割れ、2006年1月ライブドア・ショック、2008年10月リーマン・ショック、2011年3月東日本大震災、2016年11月トランプ・ショック。

ざっと振り返っただけでも、3年に1度のペースで割安に株式を購入できるチャンスが提供されています。

安い時に拾って、高くなったところで売るのが株式投資の基本と言われますが、それを実践することが、価格変動リスクへの対処法となります。

心ならずも価格変動リスクが現実になった場合は、投資した銘柄が安定配当を継続していれば、10年、20年と長期保有することで、受け取る配当金で被ったリスクを穴埋めすることができます。

流動性リスクは事前に回避するべし

流動性の低い銘柄は、その売買に難があるため、大きな資金を運用する投資家が、売買することは極めて限定的となります。

証券会社を仲介して手数料を支払い、国内外の投資家が集まる証券取引所で株式を売買するにも関わらず、投資家に不人気のため、流動性が乏しいのであれば、投資対象として関心を持つ必要はないでしょう。

しかし、売りたい時に売れずに換金できない、買いたい株数が揃わないリスクと引き換えに、同業種、同規模の企業と比べ、株価が割安に放置されていることがあります。

安定配当を継続している企業で、投資してもすぐには売買しないのであれば、将来的に流動性が改善されることを期待して、長期投資する手もあるでしょう。

減配・無配リスク

株主への利益還元となる配当には、普通配当(期末配当・中間配当)、記念配当、特別配当があります。

減配及び無配のリスクの対象となるのは、決算期ごとに出る普通配当です。

純資産額から資本金、資本準備金、利益準備金を差し引いたものが、配当金の原資となります。

配当金を受け取る立場では、できるだけ多くの利益を配当金に回してくれ、と考えたくなるでしょうが、配当金を出す側の企業は、稼いだ利益を設備投資に回したり、企業買収を睨んで内部留保しておかなければなりません。

業績が好調で株主への利益還元を増やすのが増配、業績が悪化して株主への利益還元を減らすのが減配です。

業績が伸び悩んでも、内部留保を切り崩して配当を維持することもありますが、減配リスクを回避するためには、投資先企業のこれまでの配当実績だけでなく、業容に応じた財務基盤なのか、将来の利益成長に必要な内部留保があるのか、確認しておくことです。

配当金を減らす減配、配当金がゼロになる無配転落、ともに株価にはマイナスとして働きますが、株価には半年〜1年先を織り込む先見性があり、減配や無配転落を会社が正式発表しても、株価がネガティブに動くことはほとんどありません。

決算書で見抜くことができる倒産リスク

株式投資において、最大にして最悪のリスクは、投資した企業の株式価値がゼロとなる倒産です。

上場企業が倒産するリスクはゼロではありませんが、上場企業の倒産の予兆は、ホームページに掲載されているIR情報の中の決算書で見抜くことが可能です。

貸借対照表から負債の比率、損益計算書から赤字期間と赤字額、キャッシュフロー計算書から営業活動キャッシュフローなどを確認して、倒産リスクを避けるようにしましょう。

リスク限定の現物取引とリスクの高い信用取引

投資資金を用意して、その範囲内で株式を売買する現物取引では、最悪の倒産リスクに見舞われたとしても、投資資金を失うだけで借金するような窮地に追い込まれることはありません。

株式投資で借金することがあるとすれば、それは証券会社に証拠金を差し出して、最大3倍までの取引が可能な信用取引に手を出して、大失敗したケースに限られます。

信用取引とは、証券会社にお金(証拠金の最大3倍までの信用枠)を借りて行う取引です。

失敗するとかしないとか以前に、信用取引をはじめる段階でお金を借りる取引です。

信用取引は、本来は、保有している株式を売り建て値下がりをヘッジするつなぎ売りや、相場環境が悪い中で、値下がりで利益を得る空売りに利用される取引です。

しかし、証券会社に差し出す証拠金は、現金以外に株券でも代用することができるため、現物取引で含み損を抱えてしまい、売るに売れない状態にある投資家が、塩漬けになっている株式を担保に入れ、起死回生を図るために信用取引を行うことがあります。

信用取引でリスクの高い取引をしていたとしても、最低保証金維持率が20%を割り込むと、追加証拠金(追い証)を差し出さなければなりません。

追加証拠金が支払えない場合は、強制的に決済されますから、保証金で足りない分は証券会社に支払わなければなりませんが、「株式投資の失敗で作った借金」と言われるような大きな金額となることは稀です。

リスクの高い信用取引は、上昇相場と下落相場を経験し、しっかり学習している投資家が行う取引と割り切りましょう。

まとめ

株価は、株式を発行している企業の業績をベースに、株式市場の需給関係で決まります。

売り注文より買い注文が多ければ株価は上昇し、買い注文より売り注文が多ければ株価は下落しますが、国内外の景気動向や経済情勢、政策、為替、金利などが複雑に絡んできますから、株価の先行きを予測することはできても、予測通りに株価が動くとは限りません。

株式投資に興味はあっても、「値下がりするのが怖い」、「元手を減らしたくない」という理由から、第一歩を踏み出せないでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

株価の値下がりは、価格変動リスクと言われ、株式投資では避けて通ることができないリスクです。

価格変動リスクのほかにも、株式投資には流動性リスク、無配・減配リスク、倒産リスクがありますが、これらのリスクに目を背けるのではなく、理解した上で上手に付き合っていくことが株式投資で成功する秘訣です。


関連記事

記事一覧

株式投資

株の初心者

株の基礎知識

株の情報収集

株の用語集

タグリスト

© Copyright 2017 お金の参考書. All rights reserved.

MENU

カテゴリ一覧

保険

クレジットカード

投資関連

インフォメーション