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株の初心者は売るタイミングに気を付けろ!

株式投資の基本は、「安くなったところで拾い、高くなったところで売る」ことですが、個人投資家のほとんどは、上昇相場で株式投資をはじめることになります。ニュースで伝えられる株式市場の上昇や活況が、「株式投資をはじめてみようか」という気持ちを後押しするからです。

本当は、下落相場で株式投資をはじめた方が、失敗するリスクを最小限に抑え、リターンの最大化を図れるのですが、冷え込んでいる株式市場に参加することは、周囲のムードに左右されがちな個人投資家では、まずできないことです。

日経平均株価は、2009年3月に付けたバブル崩壊後の安値7,054円から見て、3倍以上の水準まで上昇しています。8年前に7,000円台で買えたものを2万3,000円台で買わなければならないのですから、これからの株式投資のリスクはより大きなものとなります。

右肩上がりの株価が上昇がいつまでも続くことはありません。株式投資歴が長く、経験豊富な投資家であっても、株を売るタイミングを判断することは難しいものですが、利益が出ている時の利益確定売りはもちろんのこと、心ならずも株価下落に見舞われたケースで発生する損失を最小限にとどめる損切り(ロスカット)について、解説していくことにします。

時計の針に喩えられる投資スタイル

株価の値動きは、「小回り三月、大回り三年」と言われ、目先的には3ヶ月のサイクル、大局的には3年のサイクルで、上昇、調整、下落を繰り返すとされています。

株式投資では、このサイクルに合わせて投資する「短期」「中期」「長期」と3つの投資スタイルがあます。

3つの投資スタイルを時計の針に喩えるなら、小回り3ヶ月の短期投資は秒針、大回り3年の中期投資は長針、3年以上の長期投資は短針となります。株式投資をはじめるにあたって、投資の目的を明確にするとともに、投資スタイルをしっかり決めておくことが必要となります。

投資スタイルで違ってくる売り時

株式を購入してから売るまでの期間が、概ね3ヶ月以内の短期投資、3年をメドにする中期投資、少なくとも3年間は保有し、場合によってはじっくり数十年保有することもある長期投資。

投資スタイルごとに、狙う銘柄も違ってくれば、買いのタイミングのみならず、利益確定売りや損切りのタイミングも違ってきます。短期投資、中期投資、長期投資に分けて、順番に利益確定売りや損切りのタイミングについて解説していきます。

株式投資は自己責任

「短期」「中期」「長期」、どの投資スタイルであれ、これから株式投資をはじめるにあたって、頭に入れておかなければならないのは、指標となる日経平均株価は、2009年3月に付けたバブル崩壊後の水準から、3倍以上高い水準まで上昇しているという現実です。

日経平均株価は、1989年12月に3万9,000円の高値を付けていますが、3万円大台の乗せた当時、大手証券会社や株式評論家と言われる人たちは、「日経平均10万円」円説を声高に叫んでいました。上昇相場では、市場関係者と呼ばれる人たちが、「まだ上がる」「もっと上がる」と煽るような相場解説をするのは常なのです。株式投資の大原則は「自己責任」なのですから、市場関係者の解説は鵜呑みしないことです。

多数意見に流されると、売りそびれる

順調に、株価が上昇している間は問題はありませんが、海外株式市場の急落が引き金となったり、上昇相場をリードしてきた好業績企業の売上高や増益率の鈍化をきっかけに、株式市場全体が下落相場へ突入することは、これまで何度も繰り返されてきたことです。と言っても、下落相場の経験をしてなければ、その怖さも分からなければ、どう対処すればよいのかわからないでしょう。

急ピッチな上昇に対する警戒感が働いているうちはよいのですが、警戒感が薄れてしまい、楽観論が支配的になる頃には、上昇相場は終わりを迎えているものです。売るべき時はキッチリ売ってしまう損切りのルールを決めておくことが必要です。

株初心者のありがちな失敗ー塩漬け株

上昇相場の途中から株式投資をはじめた株初心者には、右肩上がりの株価上昇に慣れてしまっているため、株価が値下がりに転じても、「すぐに戻る」と楽観視する傾向があります。

一時的な調整で、再び上昇に転じる場合もありますが、上昇相場から下落相場にトレンドが転換した場合は、下げては戻すを繰り返しながら、下値を切り下げながら下げ続けますから、「塩漬け株」を作ってしまうことになります。投資に失敗はつきものです。

塩漬け株を抱えるということは、拘束された投資資金だけでなく、時間をも無駄にすることになります。「塩漬け株」を出さない作らないことで、株式投資の失敗の大半は、回避することができます。

小回り3ヶ月を区切りとする短期投資

短期投資は、株式を保有する期間こそ3ヶ月(以内)と短いものの、株式を保有して企業としての成長を見守る点では、大回り3年をメドにする中期投資、3年以上の長期投資と同じです。

秒針に喩えられる短期投資は、買ったその日の内に手仕舞うデイトレードや売り買いのサイクルが数日間と短いスイングトレードなどの短期売買と混同されがちですが、短期投資はその名の通り投資で、ゼロサムゲームの短期売買とは、本質的に全く異なります。

短期投資とは似ていて非なる短期売買

短期売買では、企業の成長や増益、減益などは二の次となります。良いニュースが出て、株価が上昇したとして、続伸するのか、反落してしまうのか。悪いニュースが出て、株価が下落したとして、続落するのか、反発するのか。

養ってきた相場観を働かせて、上下どちらかにヤマを張ったり、瞬時の判断で他の投資家を出し抜き、株価の変動を利用して買値と売値のサヤを取っていくのが短期売買です。

短期売買のサヤ取りとは…

「サヤを取る」とは、買値と売値の価格差を利用して儲ける取引を指します。鞘(サヤ)取引とか裁定取引と言われる売買手法で、買値が980円だとして、その日の内に10円上昇したとして990円で売却することができれば、10円のサヤを取ったことになります。このような短期売買を繰り返していくことを短期回転売買といいます。

信用取引を利用することで、買値と売値の価格差だけでなく、空売りという手法で売値と買値の価格差でも、サヤ取りを狙うことができますが、信用取引を行うためには、一定期間以上の投資経験と十分な金融資産、冷静な判断力など、証券会社の信用取引の審査をクリアする必要があります。

短期投資は、期間指定の売り指値と逆指値

買い→売りのサイクルが、概ね3ヶ月となる短期投資では、株価が倍騰するなどの望外なリターンは、まず見込むことができませんから、買値から1割上昇とか2割上昇など、利益確定売りを出す水準を予め決めておきます。

値運びの軽い銘柄は、1日で10%以上株価が変動しますから、買い注文が約定したらすぐに期間指定の売り指値注文を出し、日中株価をチェックできなくても、売り時を逃してしまうことがないように対処しておきます。

指値の売り注文には、損失の拡大を防ぐために有効な買値を2割下回ったら成行の売りを執行する逆指値注文があります。

大回り3年の中期投資

NTT上場がきっかけとなった1987年から1990年までのバブル相場、インターネット関連企業が集中物色された1998年から2000年のITバブル相場など、上昇相場は長ければ3年は続く、という経験則があります。

下落相場の期間も同じく大回り3年が経験則ですから、株価が下がり始めてから3年目に接近したところで、買いに入ることができれば、大回り3年の中期投資の成功率が高まることは言うまでもありません。

参考までに、2012年12月に発足した第2次安倍晋三政権の下でのアベノミクス相場は、2017年12月で5年目に突入します。アベノミクス相場がいつまで続くのか。株価のことは株価に聞くしかありませんが、大回り3年の中期投資の経験則を大幅に越える上昇相場となっています。

中期投資の利食い売り

1980年代後半のバブル相場は、新人類相場、ディーリング相場などと言われたりしましたが、シンボルストック的な存在となった新日鉄(現新日鉄住金)は、値動きが鈍い大型株であるにもかかわらず、1987年2月に200円台半ばだった株価は、2年後の1989年2月には900円台まで上昇しています。
1990年代後半のITバブル相場を牽引したネット検索大手のヤフーは、1998年2月に270万円だった株価は、1年後の1999年2月には2,200万円、2年後の2000年2月には1億6,000万円まで急騰しています。

ITバブル相場におけるヤフーのような歴史的な急騰劇は特別だとしても、バブル相場の新日鉄のように、大回り3年の間に人気化して、株価が2倍、3倍になることは、決して珍しいことではありません。

短期投資では、買値から1割上昇とか2割上昇の水準を利食い売りのターゲットにしますが、大回り3年の中期投資では、株価上昇開始から3年であったり、人気化してから1年というように、一定期間保有した上で、売り時を探っていくのがセオリーとなります。

中期投資の損切り

中期投資で損切りを強いられる失敗としては、上昇相場の後期若しくは末期に高値を掴んでしまったケースや、上昇相場を牽引する一番手銘柄、これに続く二番手銘柄に乗り遅れて、三番手、四番手の銘柄に乗ってしまったケースです。

上昇相場の末期には、「これが最後のひと跳ね」とばかりに勢いよく株価が上昇する傾向があります。とは言え、人気が離散してしまうと、株価が下げても買いが入らず、買値にこだわって保有し続けると、「塩漬け株」を作ってしまうことになります。

上昇相場の最中に買っているのに、含み損が発生していたら、上昇相場のエネルギーが減退しているか、選んだ銘柄が間違っているのかもしれません。

株価が買値を上回っている間は保有するとして、買値を下回ってきたら、短期投資同様に損切りを考えることが必要となってきます。

最後は儲かる、報われる長期投資

株価の変動に一喜一憂することなく、倒産リスクが限りなく低い銘柄の中から、収益が底堅く、株価が相対的に低い水準にある銘柄を複数選び、長期間にわたって株式を保有するのが長期投資です。

株価は、最終的に企業価値に収斂するという前提のもと、企業価値に対して株価が割安な水準に放置されているところで買いに入ります。株価が下落したら買い下がり、株価が上昇した買い上がりと、銘柄分散、時間分散で資産をじっくり育てていきます。

保有する期間は、一応3年以上としていますが、投資期間は長ければ長いほど、「最後は儲かる、報われる」長期投資の醍醐味を実践することができます。

長期投資のゴールが売り時

キャピタルゲインとインカムゲインを両輪とする長期投資において、注意しなければならないのは、投資した企業が経営破綻するリスクです。

株価の変動に一喜一憂することなく、じっくり保有する長期投資のメリットが裏目に出ないように、銘柄選びの段階で5年先、10年先も必要とされる事業を展開している企業なのかを見極めます。企業を分析するプロのアナリストであっても、個別企業の業績変調の兆しを察知することは、簡単なことではありませんから、可能なかぎり複数の銘柄に投資してリスクを分散します。

長期投資の主目的は、老後資金の確保でしょうから、投資資金が目標額に到達したところが売り場となります。安定配当が継続されているとしても、仕事をリタイアした後に、老後資金をリスクにさらし続けることは賢明な選択ではありません。リタイア後の長期投資は、大切な老後資金ではなく、余裕資金で行うようにしましょう。


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