がん保険の払込期間、短期払いと終身払いはどちらがお得?

がん保険に関わらず、保険には有期払いと終身払いが存在します。みなさんは違いと特徴についてきちんと理解されていますか?

がん保険の払込期間の特徴を解説しつつ、選ぶポイントについて解説します。

有期払いと終身払いの違い

まず有期払いというのは、その名の通り保険料の『払込み期間に終わりがある』支払方法です。

保険料の支払い期間が保障期間よりも短く、例えば60歳払込終了や、65歳、80歳で払込が終了するタイプです。

次に終身払いとは、保険料を『一生払込みする』タイプの支払い方法です。

つまり有期払いとは異なり払込期間に終わりがなく、極端に言えば90歳、100歳になっても、保障が必要なら支払いを続けなくてはなりません。

え!払込期間が一生続くなんて私は嫌です!

それはなぜかな?

だって終身払いは100歳になっても払わなくちゃいけないんですよね?そんなに長く払えませんよ

なるほどのう。じゃが終身払いのほうが月々の掛け金が安いんじゃよ。それにこれだけで判断するのはまだ早いんじゃ。

2つの払い方のメリットデメリットは?

この2つの支払方法にはそれぞれ特徴があります。

〈2つの支払い方法の特徴〉

 有期払い終身払い
月々の掛金高い安い
払込総額安い高い

まず月々の掛け金ですが有期払いは終身払いに比べて、少し高くなります。

つまり月々の掛金負担を安くしたいなら終身払いになります。

ただし、有期払いは込期間が定められているため、払込総額は安くなります。しかし、がんの治療方法や必要な保障は時代の流れと共に変化します

日々進化をしてきたがん保険

まずがん保険の歴史をざっと見てみましょう。

がん保険が日本に登場したのは1974年。この当時の主な保障は入院給付金と死亡保険金のみだったそうです。

現在のがん保険は入院費用や手術費用はもちろん、診断の一時金や放射線治療など様々な治療に対応しています。

これは保険会社がサービスの拡充をしてきた結果でもありますが、当時よりも医療技術が発達してきたからでもあります。

がん=不治の病だったものが、早期発見されれば治癒率も高いと言われています。

また、長期の入院が当然だったものが今はどんどん短くなっています。

ただ手術だけでなく、抗がん剤などの薬物療法や健康保険適用外の自由診療でのがんワクチン療法などを行うと治療費がかさみます。

さらに入院すると差額ベッド代などはもちろん、交通費など雑費もかかります。平均的な自己負担は100万円とも言われます。

加えて治療中は休職したり、退職、転職するなどで収入が減少するリスクもあります。

がん保険は加入後の見直しも大切!

もし終身がん保険に加入し、60歳で払込は終了したものの、仮に70歳でがんになってしまったとき、保障内容が古く受けた手術や治療が対象外で保険金がでない可能性があります。

その点終身払いは途中で魅力的な商品が出た場合、今の保険を解約して次の保険に乗り換えることも出来ます。

このように、もしも将来、いざがんになって保険金を請求するとき、その時代にあった内容であるかは現段階では判断できず、治療内容の変化に対応しきれない可能性もあるのです。

このように、将来の掛け金負担を考えるならば有期払いは有効ですが、時代に合った保険に加入しておきたいのであれば、10年ごとに有期払いと終身払いの掛金等を見比べたうえで違う保険に見直すという考え方も必要となります。

払込期間で総支払保険料はどれくらい違うのか

今回はFWD富士生命の「新がんベストゴールドα」とアフラック「新 生きるためのがん保険Days」で試算しました。

なお、今回はどちらも30歳男性で、つけられる特約はすべてつけたもので試算しました。

FWD富士生命保険「新がんベストゴールドα」30歳男性の掛け金

保険料支払期間月々の掛金60歳時点
払込総額
65歳時点
払込総額
80歳時点
払込総額
有期払60歳5,673円2,042,280円2,042,280円2,042,280円
有期払65歳5,034円1,812,240円2,114,280円2,114,280円
終身払4,128円1,486,080円1,733,760円2,476,800円

【備考・特約】
・終身保障
・悪性新生物診断給付金 100万円
・悪性新生物初回診断一時金 200万円
・がん先進医療給付金 最高 2000万円
・がん先進医療一時金 がん先進医療給付金×10%総額
・上皮内新生物診断給付金 50万円

●FWD富士生命「新がんベストゴールドα」払込の特徴

まず掛け金の比較をしてみます。月々の掛金は60歳払込終了と終身払いの差は1,545円ですので結構差がありますね。

60歳時点での払込総額は60歳払いと終身払いでは556,200円違っていますので、終身払いのほうが安い結果となっています。

ただ、80歳まで仮に生きた場合、60歳有期払いの方が終身払いよりも434,520円安く、かなり差が生じます。

また60歳払込終了と65歳払込終了を比較すると月々の差は639円ですが、払込総額は65歳有期払いの方が72,000円高くなっています。

65歳まで支払うより、月々639円高くなっても払込期間が短い60歳払込終了のほうがその後の経済的負担・心理的負担は少ないでしょう。

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アフラック「新生きるためのがん保険Days」30歳男性の掛け金

保険料支払期間月々の掛金60歳時点
払込総額
65歳時点
払込総額
80歳時点
払込総額
有期払60歳5,219円1,878,840円1,878,840円1,878,840円
有期払65歳3,779円1,360,440円1,473,840円1,814,040円
終身払3,429円1,234,440円1,440,180円2,057,400円

【Aプラン】
・保障期間 終身
・診断給付金 100万円
(上皮内新生物の場合 10万円)
・入院給付金1日 1万円
・通院給付金1日 1万円
・手術治療給付金1回 20万円
・抗がん剤治療給付金 治療を受けた月ごと 10万円/5万円

【備考・特約】
・がん先進医療特約 先進医療にかかる技術料1回につき自己負担額と同額通算2000万円まで がん診断一時金として 1年に1回を限度に15万円
・診断給付金複数回支払特約
・払込免除特約 所定の高度障害状態及び身体障害状態になった場合、保険料の払い込みが免除される。

●アフラック「新生きるためのがん保険Days」払込の特徴

払込み方法は大きく2つ。60歳で払込が終わる商品と、終身払い。

ただし終身払いには2種類に分かれ、60歳から掛け金が半額になる60歳半額払いと、単純な終身払いになります。

掛け金の比較をしてみると、60歳払込終了と60歳半額だと、月々の掛金差は1,440円60歳半額払いのほうが安いです。

総額で見ると60歳時点で518,400円、65歳時点で405,000円、80歳時点で64,800円、60歳半額プランのほうが安くなっています。

 一方終身払いは3つの中で月額保険料が一番安く、60歳払込終了と比較すると月々で1,790円安くなっています。

終身払いは65歳時点では60歳払込終了よりも438,660円安いのですが、80歳時点を見てみると178,560円高くなります。

さらに今後も長生きするようなら、さらに月々3,429円負担することになります。

いろいろ考えてみると終身払いも悪くないかも・・・?

うむ。月々の負担も軽いしな。じゃが、60歳を過ぎると今の会社を退職して年金生活をする人もでてくるじゃろう。はたしてその後も支払いができるかどうか。

確かに。でも年をとるとますますがんになる可能性は高くなりますよね。将来もちゃんと保険金が出る内容なのかなあ。

結局払込期間はいつにするのがお得?

がん保険は掛け金の高低や終身払い・有期払いかで判断できない側面があります。

やはり最終的に自身の目的にあったものを選ぶことが1番大事です。

私はがん家系だし、高くてもいいから保障内容がしっかりしたものに加入したいという人もいれば、退職したあとに月々の掛金が負担にならないものにしたい、など、人によって不安や目的は様々。

保険の担当者任せであったり、掛け金・払込期間による損得だけでなく、優先順位をつけて、何のために加入するのかをしっかり認識しておきましょう。

まとめ

  • 有期払いは支払総額は安く、終身払いは支払総額は高い
  • ただし月々の掛金は有期払いは高く、終身払いは安い
  • がんの治療内容は時代の変化と共に変わってきている
  • 加入したときの内容が時代に合わなくなってくることもあるので、きちんと見直しを
  • 加入する前に、掛け金、払込期間だけでなく、自分の目的や不安を再認識しておく

払込期間もさることながら、結局なんのためにがん保険に入るのかも重要なんですね。

そう。それに加入当時と比べると、時間がたつにつれ、治療内容等だけでなく、考え方や家族状況なども変わってくる。加入後もきちんと確認することも大事じゃよ。

わかりました!ところで博士。その服、小さくありませんか?

う、うむ。3年前に買ったものなんじゃが、実は最近太ってきてのう。

もう。服もちゃんと今の体形にあったものに変えてくださいね!


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