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人生100年時代へ。これから加入する保険選びはどう考えるべきか?

こんにちは。ねこのてFP事務所の横山研太郎です。

これから生命保険に加入しようと考えている人にとって、保険選びは簡単ではありません。

しかも、個人の長寿化が進む中で、老後資金の計画も難しくなっているため、「人生で2番目に高い買い物」と言われる保険にお金をかけすぎるのも問題です。

そこで必要なのが、今ある保険だけではなく、将来登場するであろう保険にも目を向けることです。

これから加入する保険について、どのように考えるべきかを解説します。

高齢化が進むため、老後の生活資金が増大する

今の日本は、世界でも類を見ないほど急速に高齢化が進行しています。

長生きできることは歓迎すべきことかもしれませんが、いいことばかりではありません。身体の老化が進むため、老後資金が医療費も含めて考えなければなりません。

1年長生きするごとに、生活費と医療費で数百万円単位のお金が必要になってくることでしょう。

その長生きする分の生活資金は、どのようにまかなえばよいのでしょうか。

公的年金は、年金財政の悪化に伴って、将来的に目減りしていくのは確実です。

年金収入が減る一方で、支出面でも負担が増大するかもしれません。

2017年現在、75歳以上の方が加入する後期高齢者医療制度と65歳以上で利用可能な介護保険の自己負担割合は原則1割です(※)。

しかし、10年後・20年後も自己負担割合が1割のままだという保証はありません。

むしろ、2割・3割に引き上げられていく可能性の方が高いかもしれません。

こうして考えると、老後資金は自分自身で可能な限りたくさん確保しておかなければならないことがわかります。

そこで現在の支出を見直す必要があるのですが、まずは将来の収入と支出から考えてみましょう。

※後期高齢者医療制度は65歳以上で一定の障害状態にあると認められた人、介護保険は40歳以上で老化に起因する疾病で要介護・要支援状態にあると認められた人も利用可能です。

これからの収入は着実に増えていくのか?

昔の日本では終身雇用制度があり、長く勤めていれば収入も着実に増えていきました。

しかし、終身雇用制度はどんどんと失われ、「同一労働同一賃金」が広がりつつあります。

そのため、現状よりも責任あるハイレベルな仕事をすることができなければ、収入は増えにくくなっていく可能性があります。

それに加えて、AI(人工知能)が発展していく影響で、今ある仕事の3分の1が機械にとってかわられるという予測もあります。

今できる仕事以外に能力を身につけなければ、収入が増えにくいどころか職を失ってしまうかもしれないのです。

ということは、これから収入を増やしていくためには、よりハイレベルな仕事ができるように成長していかなければならないのです。

資格取得など、会社外でのスキルアップを図るのであれば、そのための支出が増えることでしょう。

それに加えて、AI(人工知能)が発展していく影響で、今ある仕事の3分の1が機械にとってかわられるという予測もあります。

今できる仕事以外に能力を身につけなければ、収入が増えにくいどころか職を失ってしまうかもしれないのです。

ということは、これから収入を増やしていくためには、よりハイレベルな仕事ができるように成長していかなければならないのです。

資格取得など、会社外でのスキルアップを図るのであれば、そのための支出が増えることでしょう。

また、働く期間が長くなることにも注意しておきたいところです。

定年が60歳・65歳から引きあげられたり、70歳・75歳まで働くのが当たり前な世の中になったりしていく可能性があります。

老後資金を働いて得られる期間が長くなるとはいえ、そのために大切なのは「健康な体」です。

健康でなければ長く働くことができず、職を得にくくなってしまうでしょう。

このように、高齢化社会の日本で安心して老後を送るためには、スキルアップと健康が重要な要素となります。

そして実は、これらの要素を手に入れるためには、保険への加入の仕方も慎重に考えるべきだと言えます。

超低金利時代の終身保険は、老後資金の形成に悪影響となることも

多くの人が、保険に加入する場合には終身保険を検討するでしょう。

掛け捨てになることはなく、万が一に備えた保障と貯蓄性を両立することができるためです。

しかし、近年の終身保険は、保険の貯蓄性がほとんど失われてしまっています。

昔であれば、ある程度の期間加入していれば、解約しても支払った保険料以上の解約返戻金が返ってきました。

それが今では、超低金利によって終身保険の保険料は上昇傾向にあります。

保険会社は、保険料の上昇を少しでも抑えて加入しやすくするために、解約返戻金を引き下げて対応しています。

その結果、途中で解約すると、支払った保険料総額よりも少ない金額しか解約返戻金が受け取れないことが多くなっています。

つまり、多くの場合、終身保険は解約すると損をする保険となり、途中で解約せざるを得ない場合は貯蓄性がないと言ってもいいかもしれません。

「いざという時には解約して、生活費に充てる」という使い方は、今ではできません。

その上、2017年の4月から、多くの終身保険が大幅値上げとなりました。

それまでと比べて、2~3割程度の値上げとなっているものも少なくありません。

仮に、終身保険に払う保険料を毎月1万円増やすと、払込期間が終了するまで、その分だけ生活費が圧迫され続けます。

もし、収入がほとんど増えなかったら、子供の教育費などの負担が増してくるため、保険料の負担が重くのしかかってくることでしょう。

また、高い保険料を支払い続けるために生活を切り詰めたり、ダブルワークで収入を増やそうとしたりしていると、体調を壊してしまいかねません。

それが元で、70歳・75歳まで働くのが難しくなってしまうと、生涯で得られる収入が返って少なくなってしまう可能性もあります。

そこで、保険のかけ方が重要になってくるのです。

これからの保険は、掛け捨て保険の有効活用がポイント

将来の収入が不透明であることから、保険のかけすぎには注意が必要です。

しかし、何の保障も用意しないで生活するのは不安です。そこで、掛け捨てタイプの定期保険や医療保険などの活用がポイントとなってきます。

掛け捨てタイプの保険は、貯蓄性がない代わりに、安い保険料で手厚い保障を受けることができるのがポイントです。

次のような方針で保険選びをするのがよいでしょう。

    ①終身保険などの保険料が高い貯蓄性保険は最小限にとどめておく

    ②子供の教育費などが必要な間は定期保険をかけておく

    ③老後の医療費確保のために、60歳・65歳などで払済となる終身医療保険に加入する

このような方針だと、2つのメリットがあります。

1つは、解約すると損をする貯蓄性保険を少なくすることで、毎月の保険料支出を抑えられることです。

10年後・20年後に終身保険に加入しようとすると保険料が高くなってしまいます。

しかし、今の保険料が安いうちに、将来の収入アップを図るための自己投資や、資産運用などを通して、将来の収入を増やすことが可能です。

ただ、年を取ってからの死亡保険加入は、健康状態や病歴で加入を断られる可能性もあるので注意が必要です。

もう1つは、掛け捨て保険を中心にしているため、保険の見直しがしやすくなることです。

また、貯蓄性保険も最小限の保障にとどめておけば、解約する場合の損失も少なくなるため、解約のハードルが低くなるでしょう。

なお、定期保険は終身保険の特約として付ける場合が多いかと思いますが、これを個別に加入しておくのもひとつの手です。

終身保険を解約したい場合、それに特約でつけている保険はすべて同時に解約されてしまいます。

そのため、特約でつけている定期保険はそのままにしておくということができません。

保険の見直しを自由にできるようにするには、管理は大変ですが、可能な限り個別の保険契約に分割しておく方が便利です。

これから保険に加入する場合、貯蓄性保険を少なくし、見直しの自由度を高めておくことが非常に重要です。

この方針を提案するのには、もうひとつ理由があります。今、保険の世界は大きく変わろうとしているからです。

未来の生命保険も活用できるようにしておく

今、注目の最新技術がAIです。

Fintechという言葉があちこちで聞かれるようになってきているように、AIの技術が金融・保険の世界にも次々と投入されています。

現在の生命保険の保険料は「年齢・性別」を元に決められ、喫煙しているか・健康体かといった点で割引があります。

そこにAIの力を使えば、もっと細かく、ひとりひとりの健康状態に応じて保険料を決められるようになります。

健康診断・血液検査の結果や生活習慣などを元に、より健康的で死亡リスクが低いと判断されれば保険料が安くなり、死亡リスクが高いと考えられる人の保険料は高くなるという仕組みです。

こういった保険商品が、今後、どんどん打ち出されてくると考えられます。

健康に気づかっている人は、現状の生命保険よりも有利な保険料で加入できるかもしれません。

この理由からも、今のところは貯蓄性の保険への加入は最小限にとどめておくべきだと言うことができます。

東京海上日動あんしん生命は、スマートフォンと貸与されるウェアラブル端末を使って「一定期間の1日あたりの平均歩数」の達成状況に応じてキャッシュバックが受けられる「あるく保険」という医療保険を2017年8月に発売する予定です。

これ以降、AIを使った「健康な人に有利な」生命保険も開発されてくるでしょう。

こういった保険を活用するためには、追加加入や見直しができるような保険の入り方をしていなければならないでしょう。

これからは、人生が100年という時代がやってくるかもしれません。

できるだけ長く健康で年を重ねられるようにしておかないと、老後の生活設計が破たんしてしまいかねません。

そのためにも、保険を「万が一の場合に備えるもの」と考えるだけではいけません。

高い買い物である保険をどのように選ぶかを考え、将来の収入を増やすことができる環境を作り、健康的な生活を送ることができるようにしておくことが大切なのです。

このコラムの執筆者

横山 研太郎
横山 研太郎ねこのてFP事務所代表

富士通株式会社退職後、メーカーの経営サポート等を行う。 現在は、ファイナンシャル・プランナーとして、資産運用を柱としたアドバイスをするだけでなく、学生への金融教育にも取り組んでいる。


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