70歳高齢者の終身保険加入、契約前に抑えておきたいポイント!

 

70歳になり、これまで終身保険に加入していなかったけれども、加入を考えているという方。

どうしても保険料は高くなり、契約可能年齢や払込期間などの条件もさまざまなため、どの保険を選ぶかで保険に加入する効果が大きく変わってきてしまいます。

今回は、オリックス生命のRISEなどの終身保険を取り上げ、70歳の方が終身保険に加入するときに考えておくべきことをまとめました。

高齢者向け終身保険の保障内容はどのようなもの?

70歳以上の高齢者が加入できるシニア向けの終身保険はそう多くはありません。
しかも、保険会社によって、加入できる条件が異なるため、どれがいいのかがわかりにくくなります。

そこで、いくつかの終身保険を比較してみました。

まずは、今回比較するシニア向け終身保険の概要です。

保険名 オリックス生命

「RISE」

メットライフ生命

「つづけトク終身」

ネオファースト生命

「ネオdeとりお」

オリックス生命

「新ライズサポート」

契約可能年齢 75歳まで 70歳まで 85歳まで 85歳まで
払込期間 70歳:80歳払済または終身払

~75歳:終身払

90歳払済 終身払 終身払
保障金額 200万円~5,000万円 200・300・500・1,000万円 100万円のみ

次に、それぞれの保険について、「70歳男性が保険金300万円で加入した場合」でシミュレーションしました。
(ただし、新ライズサポートについては、保険金100万円でシミュレーションしています)

保険名 オリックス生命

「RISE」

メットライフ生命

「つづけトク終身」

ネオファースト生命

「ネオdeとりお」

オリックス生命

「新ライズサポート」

月額保険料 29,859円 20,700円 23,019円 7,902円
総支払保険料 3,583,080円 4,968,000円
保険金を保険料が上回るタイミング 8年目 13年目 12年目 11年目
備考 終身払の場合、保険料は18,954円 非喫煙割引適用による保険料 引受基準緩和型

保険金100万円

このように、高齢になってからの加入では選択肢が少なく、保険料払込期間を定められるものも少なくなります。

また、病気になりやすく医療費の負担が増えているので、収入が限られる年金生活では保険料の負担は重いものとなります。

最近では、持病があっても加入できる「引受基準緩和型」のものも増えていますが保険料が割高なため、できるだけ普通の終身保険に加入したいところです。

そこで、次に、加入する際のポイントを解説します。

高齢者が終身保険加入の際にチェックするポイント

告知条件をクリアできるか

死亡保険に加入する場合、告知をしなければなりません。保険会社は、その内容から加入希望者の健康状態をチェックして、申し込みを承諾するかどうかを判断します。

高齢者の場合、過去の病歴や持病などで加入を断られる可能性が高くなります。その場合は、保険料が割高になってしまいますが、引受基準緩和型の保険への加入を検討せざるを得ないでしょう。

払い済みの場合は解約返戻率のチェックをしてみよう

では、加入できるとして、その場合には「元本割れ」に気をつけておかなければなりません。

上記のシミュレーションからも分かる通り、払い済みの支払方法を選択しても保険料払込期間全体で支払う保険料が保険金を大きく上回ってしまいます。終身払では、長生きすれば総支払保険料が増え続けてしまいます。

できるだけ一定年齢で払い済みになる終身保険に加入したいところですが、その場合は「返戻率」を確認しましょう。返戻率は、保険料の払込が終了した時点で解約した場合に受け取ることができる解約返戻金が総支払保険料と比べてどれくらいなのかを求めたものです。

返戻率は、加入を検討している際に保険会社に確認することができます。上記のオリックス生命のRISEの場合、保険料払込期間満了直後の解約返戻金は2,729,880円となり、返戻率は76.1%です。

この数字だけ見ると低いと感じるかもしれませんが、高齢者が終身保険に加入する場合は、多くの場合で返戻率はかなり低くなってしまいます。

払い済みで加入できる場合は、支払保険料の最大額と死亡保険金との比較をしておきましょう。オリックス生命のRISEでは、83.7%となります。しかし、終身払の場合は長生きすればするほどその割合は低くなってしまうことに注意が必要です。

保険料を何年払うと元本割れが起きる?

そして、実際に保険金を受け取った場合でも、総支払保険料よりも保険金の方が少なくなってしまう場合もあります。70歳で加入した場合、どの保険であっても10年前後で元本割れになってしまいます。

せっかく貯蓄性がある終身保険なのに、元本割れになってしまう可能性があるのは悩ましいところです。もちろん、月払の保険料を年払いや前納するなどすれば、元本割れの可能性を下げることは可能です。

しかし、退職金などで用意した老後資金の多くを終身保険に充ててしまうと、年金の支給額に上乗せできる生活費を圧迫してしまいます。

だから、加入する際は、多少は元本割れをしてしまうかもしれないリスクも理解した上で、商品を選ぶ必要があります。

しかし、そこまでして高齢者が死亡保障を準備しておく必要があるのでしょうか?

貯金があれば高齢者に終身保険は不要なのか?

実は、元本割れする可能性があっても終身保険に加入するメリットはあるのです。

確かに、しっかりと貯蓄をして資産を保有していれば、保険で万が一に備えておく必要はないように思えるかもしれません。元本割れするかもしれないなら定期預金がわりに終身保険に加入するメリットもありません。

しかし、相続対策と税金対策を考えるのであれば、終身保険に加入するという選択肢が出てきます。

死亡した後、遺された遺族は入院費用や葬儀にかかった費用を支払わなければなりません。生前に「自分の入院費用と葬儀費用はちゃんと貯めてあるから」と伝えていたとしても、死亡後にそのお金を死亡した人の資産から支払うことは簡単ではありません。

その理由は、死亡した後、その人の金融機関の口座がすべて凍結され、たとえ配偶者であっても、手続きを踏まなければお金を引き出すことができないからです。

つまり、葬儀費用などを準備していたとしても、一旦は遺族がその費用を立て替えて支払わなければならなくなることもあるのです。

一方、生命保険の保険金は契約者本人ではなく保険金受取人の財産とみなされるため、保険金受取人が申請すれば、早ければ数日で受取人の銀行口座に入金されてすぐに引き出すことができるのです。終身保険に加入しておくことで、遺族に余計な負担をかけてしまわないで済みます。

だから、葬儀費用などを基準に保障額を決めて、死亡整理金を準備する目的で終身保険に加入するメリットがあるのです。

また、一定額以上の資産を保有している場合、現金などで保有しているとそのまま相続税が課税されてしまいます。しかし、保険に加入している場合、法定相続人が死亡保険金を受け取った場合に一定額(500万円×法定相続人の数)までは相続税が非課税となります。詳しくは、税理士さんなどの専門家に試算してもらうことをおすすめしますが、節税効果もあります。

まとめ

  • 高齢者は、終身保険に加入したくても加入できない場合がある
  • 終身保険に加入できたとしても返戻率が低いなど、大きく元本割れしてしまう可能性があることを理解しておくこと
  • 高齢になってからの終身保険加入は元本割れのリスクがあっても、相続対策・節税対策としては有効な方法である