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自動車保険と生命保険は両方おりる?交通事故と生命保険について

2017.11.15

「保険」と一口に言っても、死亡保険や医療保険などの生命保険もあれば、自動車保険や火災保険に代表される損害保険もあります。

それでは、交通事故にあったときには、どこからお金がもらえるのでしょうか?

生命保険から?損害保険から?はたまた、二重でお金をもらうこともできるの?

考えてみるだけで複雑で頭がこんがらがってしまいますが、いざ事故に遭ってしまうとそんなことをじっくり考えている時間はありません。

今回は事故に遭ったときの手続きについて、しっかり整理して解説いたします!

交通事故に遇った時にもらえるお金を確認

交通事故に遭った時と一括りに言っても、自分がその事故の被害者か加害者かではずいぶん話が違ってきます。

順番に解説するとしてまずは、自分が被害者になった場合にもらえるお金を確認していきましょう。

自分が被害者だった場合にもらえるお金

交通事故の被害者になったら、加害者が加入している自賠責保険や任意保険から、以下のお金がもらえることになります。

・慰謝料

交通事故に遭ったことによって生じた、「痛い」「怖い」「仕事に行けない」「生活が不便」などの精神的苦痛に対する補償金です。

一度心に負ってしまったダメージは、決してお金をもらうことで癒えるものではありません。

しかし、お金以外の方法で清算することも困難ですから、被害者の権利として慰謝料請求をすることができます。

・損害賠償

交通事故によって生じた物的損害と人身損害のうち、慰謝料以外の部分の賠償金です。

事故によって、乗っていた自動車や自転車、着ていた衣服や持っていた物は破損してしまうことでしょう。

これを物的損害と呼びます。この賠償責任は加害者が負うことになりますので、被害者は損害賠償請求をすることができます。

また身体に受けた傷には治療、場合によっては入院や通院、手術が必要となります。この費用も、損害賠償として請求できます。

・示談金

これまで述べた、慰謝料や損害賠償の総額が一般的に示談金とされます。

この示談金の支払をもって、事故関係の金銭のやりとりすべてが終了します。

もし交通事故の被害者と加害者の間で示談が成立しない場合には、裁判所における調停や判決をもって解決となります。

ですが、日本ではほとんどの場合に示談が成立しています。示談は一般に、被害者と加害者双方の保険会社の担当者が代行して行うことになります。

自賠責保険とは?

交通事故の慰謝料や損害賠償はたいへん高額になるため、加害者になったからといって、通常はすぐに用意できませんよね。

とはいえ、被害者からすれば治療費などがすぐさま必要となるため、加害者にとって高額なお金であっても早く支払ってもらいたいところです。

そんな事態に備えて、自動車を保有する人に国が加入を義務付けているのが、自賠責保険なのです!

自賠責保険は「自動車損害賠償責任保険」の略で、加入せずに自動車などで走行すると、それだけで法律により罰せられます。

このため「強制保険」とも呼ばれています。

自賠責保険の保障内容は、政府によって「支払基準」として以下のように定められています。

損害の範囲支払限度額
傷害による慰謝料や治療費など最高120万円
後遺障害による慰謝料など後遺障害の程度により最高4000万円
死亡による慰謝料や葬儀費など最高3000万円

(助手)う~ん、上限最高4000万円か…。
万一の時のことを考えると、はっきり言ってそれだけの金額じゃ全然足りませんよ!

(博士)ふぉっふぉ、そうじゃの。じゃから、ほとんどの人は自賠責保険に加えて、自分で任意保険に加入しておるんじゃのう。

任意保険とは?

任意保険に加入していないからといって、自賠責保険の保険金で払いきれなかった慰謝料や損害賠償の支払いを免れるわけではありません。

保険が無くても加害者にはそれらのお金を支払う義務があり、最終的には加害者の財産が裁判の末に差し押さえになる可能性もあるのです。

ですから、多くの人は任意保険に加入して、そのような事態に備えています。

任意保険では、被害者の人身損害やその慰謝料を補償するための保険金は上限無制限なのが基本となっており、物的損害への補償も契約者の希望通りに増やすことができます。

ですから、示談交渉から示談金支払いまですべてを保険会社に任せることができるのです。

また、任意保険には自賠責保険では設定されていない、さまざまな補償も組み込まれていたり選べたりします。

その中でも主なものを紹介しましょう。

●人身傷害補償保険(人身傷害補償特約)

契約対象となっている車の運転者や同乗者がその事故によって負ったケガなどの損害を補償してくれる保険です。

契約者に過失があったかどうかに関係なく補償してくれるので、事故の加害者であるか被害者であるかにも関係なく、示談が成立していなくても、さらには相手がいない事故(自損事故)でも保険金を受け取ることができます。

示談交渉が長引くことを考えても、示談成立前に傷害のための治療費や休業のために得られなかった収入を補償してくれるのは、ありがたいですね。

●搭乗者傷害保険(搭乗者傷害特約)

人身傷害補償保険と同じように、契約車の運転者や同乗者の損害を補償してくれます。

ただし、人身傷害補償保険が実際にかかった治療費や入院費などの実費を補償するのに対して、搭乗者傷害保険は部位・症状別にあらかじめ設定された保険金が受け取れるという点が異なります。

ですから、人身傷害補償保険と搭乗者傷害保険とのどちらがより高い保険金を受け取れるか状況によって異なります。

両方に加入しておけばどの場合も有利な方を受け取れるのですが、その分保険料は高くなります。

●無保険車傷害保険(無保険車傷害特約)

もし任意保険未加入の人が運転する車が事故を起こしたら、そしてその被害者があなたならどうすれば良いでしょうか?

そんな時に補償額を支払えない加害者に代わって、保険金を支払ってくれるのが無保険車傷害保険です。

この保険は多くの自動車保険に自動的に特約として付帯されています。

自動車保険と生命保険は同時に受取れる!

(助手)交通事故で死亡してしまった場合、加害者の自賠責保険からは3000万円、それ以上は任意保険から示談金の満額が支払われるんですね!
あれ?でもそうしたら、被害者が加入している生命保険の保険金はどうなるんでしょうか?
生命保険も万一の時には1000万円など死亡保険金が受け取れますよね。
もしや、二重に受け取れるんですか?

(博士)うむ。その通りじゃ。
というのもな、損害保険会社には自動車保険の契約履行義務があり、生命保険会社には生命保険の契約履行義務があるわけじゃろう。
そして、その2つの保険会社、2つの保険契約は全く別物じゃからな。
お互いが影響しあうことは無いのじゃ。

被害者に生命保険金が支払われると、損害賠償額に影響する?

やはり、被害者が自身の生命保険から保険金を受け取ったとしても、加害者に支払い義務のある損害賠償額が減額されるということはありません。

生命保険金をうけとっているのに、その上にさらに加害者から損害賠償を受けるのは、気が引けると感じられる人もいるかもしれませんね。

しかし、被害者が生命保険会社から保険金を受け取ることができるのは、自身で生命保険を契約して保険料を支払っていたことによって得た権利であり、加害者には関係ありません。

加害者から損害賠償額を含めた示談金を受け取った上で、自身の権利として保障額満額の生命保険金を受け取ることができます。

加害者でも生命保険はおりるのか

加害者自身が引き起こしてしまった交通事故によって、入院や治療が必要になったり死亡してしまったりした場合でも、加害者の生命保険から保険金は満額支払われます。

交通事故では、過失のある加害者といえども無傷で済むとは限りません。

加害者となってしまった人も生命保険に加入していた場合、その保険からは入院給付金や手術給付金、死亡給付金が支払われます。

この場合も、加害者に保険金が支払われる自動車保険(人身傷害補償保険や搭乗者傷害保険)と生命保険金とを二重に受け取ることになります。

ただし、自動車保険に関しては、飲酒運転などの重大な過失については、約款によって保険金が支払われないこともあります。

まとめ

  • 交通事故の被害者には、加害者から慰謝料や損害賠償金などをまとめた示談金を受け取る権利がある
  • 交通事故を起こしてしまった時のため、強制的に加入しているのが自賠責保険である
  • 自賠責保険ではカバーしきれない部分を補償するのが任意の自動車保険である
  • 生命保険と自動車保険のどちらもかけていた場合、1つの交通事故でも両方から保険金を受け取ることができる
  • 生命保険契約と自動車保険契約は、お互いに影響し合わない

(助手)なるほど~。1つの事故でも、保険金はさまざまな保険から受け取れるわけですね。
これは勉強になりました!
そうしたら、よく点検すれば無駄な保険契約が発見できるかもしれませんね!

(博士)うむ、そうじゃの。
損害保険はクレジットカードに自動的に付帯されているなど、知らず知らずのうちに加入していることも多いからの、万一の時に保険金請求を漏らさないようにも気を付けたいところじゃの。


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