おさえておくべき医療保険のしくみ - お金の参考書

医療保険に入るなら妊娠前が得!出産費用と知っておくべき公的制度まとめ

病院など医療機関で行われる出産ですが、通常の出産に関する医療費は、健康保険の適用対象外だってご存じでしたか?
また、妊娠・出産時には切迫早産や帝王切開などのトラブルが生じれば健康保険が効きますが、それでも大きな出費になることには変わりありません。

意外と知らない、妊娠・出産時のお金のこと。
今回は、分娩費用から、助成を受けられる公的制度、医療保険の選び方まで、妊娠・出産にかかわるお金のすべてを解説します!

も く じ

妊娠・出産にはどのくらいの費用がかかる?

♪♪
どうしたんじゃ?
やけに機嫌が良いみたいじゃの。
顔に出てましたか?!
実は先日出産した友人に会ってきたんです。
赤ちゃんがもぅかわいくって…。
私も、あんなかわいい赤ちゃんが欲しいなぁ…って考えてたんです。
子どもじゃと?それは良いことじゃの。

しかし、出産にどれだけのお金がかかるか、ちゃんと分かっておるのかいのぅ?

えぇ!出産にもお金がかかるんですか?

出産費用の平均は50万円弱

厚生労働省の調査によると、平成24年度の出産費用の全国平均は48万6376円です。
(参考:「出産育児一時金の見直しについて」平成26年 厚生労働省保険局)

これには入院時に希望してベッドを個室などにしてもらうための室料差額やお祝い膳にかかる費用なども含まれているので、実質は45万円程度といったところでしょうか。
しかし、これはあくまでも平均なので、医療機関によって40万円~75万円とかなりの差があると言われています。

また、出産場所によっても費用に多少差があります。

平均値 中央値
病院 50万4732円 49万1899円
診療所 59万5973円 48万8070円
助産所 46万1948円 45万9215円

(平成26年度『正常分娩分の平均的な出産費用について』国民健康保険中央会)


助産師が経営する助産所には医師が常駐していません。
出産費用が抑えられますが、異常分娩などの医療が必要となった時に即時の対応がとりにくいなどのデメリットもあります。

妊婦健診や出産準備用品購入のための出費も

子どもを出産するためには、上記の出産費用以外にも次のようなお金が必要となります。

●妊婦健診

厚生労働省が示す「標準的な妊婦健診の例」によると、全14回の検診が推奨されています。
この検診ごとに3000円~6000円、合計して6~7万円もの検診費用が発生することになります。
また、予定日が近付くにつれて妊婦の自転車や徒歩での移動は困難となりますので、タクシーなど交通費も膨らみます。
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●出産準備用品

ベビーカーやベビーベッドなど大きなものから、赤ちゃんの衣服・寝具・哺乳瓶、粉ミルク・おむつなど消耗品…。
新しい家族を迎えるためにはあらゆるものをそろえなくてはなりません。
こちらは、おさがりをもらったりレンタルで済ましたりなど個人差が多いところですが、合計して10万円前後かかることが一般的なようです。
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●出産時にトラブルがあるケース

出産費用の平均額が約50万円というのは、あくまでも自然分娩の場合です。
出産時に母体や赤ちゃんにトラブルがあると、さらに医療費がかさむことになります。
異常分娩としては帝王切開が有名ですが、20万1400円もの手術代に加えて、入院日数も自然分娩に比べて長くなるために入院費用もかさみ、医療費が高額となるのです。
(これらの異常分娩は健康保険が適用されるため、窓口負担は原則3割となります)
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民間保険を検討する前に!まずおさえておくべき妊娠・出産で使える公的制度

50万円+7万円+10万円…、トラブルがあればさらに…。

博士、出産ってそんなにお金がかかるものなのですか?
現在赤ちゃんを育てている人が、みんなそんな大金を払っているなんて信じられませんよ!

ふぉっふぉ。そうじゃの。
もちろん、この総額がそのまま自己負担額になるのではないぞ。
出産時の費用負担軽減のために、さまざまな公的制度が用意されておるぞい。

出産時にもらえるお金

出産時に必要な高額な支出。
しかし、これによる自己負担を抑えるために、さまざまな公的制度を利用できます。
その制度と申請方法を紹介しましょう。

●みんなが利用できる制度

・出産育児一時金
自然分娩は公的医療保険の適用外のため、平均約50万円弱の出産費用は全額自己負担になるかというと、実はそうではないのです。
健康保険に加入している人やその被扶養者が出産する場合、42万円が給付されます。
その健康保険の担当部署へ連絡することで、手続きがすすみます。
最近では、「直接支払制度」といって健康保険から直接医療機関へ出産育児一時金が支払われることが多く、この場合実際に窓口では自己負担額と42万円との差額を支払えばよいことになります。

・自治体による妊婦健診補助制度
全14回、合計6~7万円もの費用がかかり、その全額が医療保険の適用外です。
しかし、こちらは自治体が補助金を出しているので、自己負担額は大幅にカットもしくは無料
になります。
市町村などに申請することによって、補助が受けられます。
補助券の綴りをもらって、妊婦検診ごとに医療機関に提出するという方式が多いようです。

●出産時にトラブルがあった時に利用できる制度

・健康保険
自然分娩は病気でも怪我でもないので適用外ですが、帝王切開などの医療が必要となった場合は、健康保険によって自己負担額は3割となります。
また、新生児が治療を受ける場合には自己負担額は2割ですが、各自治体による医療費助成によって大幅に負担軽減されることが多いです。
こちらはお住まいの市町村などに確認しましょう。

・健康保険の高額療養費制度
健康保険が適用される治療によって1か月の自己負担限度額を超えた場合、超えた分が還付される制度です。
たとえば医療費が100万円かかったとしても、一般的な所得の場合は、自己負担額は9万円程度となります。

出産時にこの制度を利用するために、限度額適用認定を利用することをおすすめします。
というのは、この制度は基本的には健康保険に申請することで後に還付されるのですが、異常分娩の場合は数10万円もの窓口負担が一時的に必要となってしまう可能性があるからです。
あらかじめ健康保険から「限度額適用認定証」を受けとって医療機関の窓口に提出することで、窓口自己負担額が1か月の自己負担限度額までとなるのです。

・高額医療費控除
世帯の医療費が1年間で10万円をこえた場合に、超えた分が所得控除される制度です。
出産にかかわる医療費だけでなく通院のための交通費や薬代など、しかも家族全員分が対象となるので、出産予定のある家族はその領収書などを忘れずとっておきたいところです。
高額医療費控除制度を利用するためには、確定申告が必要です。

●会社の健康保険組合から受けられる制度(妊娠前に働いて給与収入があった人)

・出産手当金
出産のために産前産後休暇をとると、勤務先から給料が受けとれません。
このことによる収入減を緩和するために、産前42日間+産後56日間(+出産予定日から実際の出産日までの日数)を上限に、出産手当金が受けとれます。
金額は標準報酬日額(≒給与日額)の3分の2×日数で、健康保険に申請することで受け取れます。

・傷病手当金
病気やケガで欠勤し働けないときに、標準報酬日額(≒給与日額)の3分の2が給付されます。
これにより、産前産後のトラブルによって会社を休むのであれば、給料の約3分の2が受けとれるのです。

出産時のトラブルも医療保険の給付金で備えられます

なるほど。ここまでを見ると、自然分娩なら公的なフォローのおかげで自己負担はそんなに大きくならないように思います。

しかし反対に、産前産後にトラブルがあると、やはり財布が心配ですね。
人生の一大事ですから、いざという時にお金のことなんて考えたくないし…。

そうじゃの。
じゃから不安な人は、任意加入の民間医療保険で出産時のトラブルに備えると良いのじゃ。

民間医療保険は、異常分娩など健康保険が適用される手術や入院の時に保険金が給付されるのが大原則

妊娠・出産に関して医療保険商品を大別すると、大きく3つに分けて考えることができます。

  • 一般の医療保険:男性でも加入できる、いわゆる医療保険です。
  • 女性専用の医療保険:女性特有の疾病などについて給付額が多い、女性専用の保険です。
  • 一部の女性専用医療保険:『ABCおかあさん保険』など、一部の女性専用の医療保険です。
自然分娩による入院 帝王切開など異常分娩 入院(自然分娩による入院を除く)
一般の医療保険 給付金なし。 手術給付金が受けとれる。 入院給付金が受けとれる。
女性専用の医療保険 給付金なし。 手術給付金が受けとれる。 通常の医療保険より多い入院給付金が受けとれる。
一部の女性専用医療保険 入院給付金が受けとれる。 手術給付金が受けとれる。 入院給付金が受けとれる。


男性でも加入できる一般の医療保険でも、帝王切開など異常分娩の場合には手術給付金や入院給付金が受けとれます。
それに対して、女性専用の医療保険は異常分娩など女性特有の疾病による入院には「女性入院給付金」などという名前で、入院給付金日額が倍額になるものが多いです。
自然分娩でも入院給付金が受けとれる医療保険も、稀ですが存在します。

妊娠前後の医療保険加入の違い

なるほど。
それじゃあ、妊娠したら医療保険に加入した方が良いってことですね?
ところがそうもいかんのじゃ。
妊娠が判明してからの医療保険加入には、何かと不利なことが多いからの。

妊娠中に医療保険に加入しても、その妊娠のトラブルには備えられない!

異常分娩などの出産時のトラブルに備えられる医療保険ですが、妊娠前に加入するのがおすすめです。
なぜなら、次の理由で、妊娠後の加入には不利が伴うからです。

●妊娠期間によっては加入できない医療保険もある

例)アフラックの『ちゃんと応える医療保険レディースEVER』⇒「妊娠28週以上は加入できません」

●加入できたとしても、条件として「特定部位の不担保」が設定される

「特定部位の不担保」とは、身体のその部位の病気やケガで手術や入院が発生しても、保険給付金は支払わない、という条件のことです。
妊娠中に医療保険に加入すると、以下のような妊娠・出産時のトラブルの際に給付金がもらえないという条件付きになるのです。

帝王切開 切迫早産 切迫流産 子宮外妊娠 妊娠高血圧症候群 など


すなわち、出産時のトラブル全般について、保障されないと理解して良いでしょう。
つまり、いちばんの目的が達成できないのです。

さらに付け加えると、どうせ加入するなら第一子の妊娠前の加入がおすすめです。
なぜなら、第一子の出産時に健康保険が適用されるようなトラブルを経験していると、告知によって第二子を妊娠していなくても「特定部位の不担保」が設定されます。
第一子を帝王切開で出産した妊婦には、第二子の出産時にも帝王切開以外の分娩を断る医療機関も多いわけですから、これは当然といえば当然なのです。

妊娠する前に医療保険に入っておこう!ということですね?
うむ。
女性が妊娠・出産するのは人生のうちほんの20年前後じゃから、その時期が過ぎれば解約するつもりで、思い切って加入しておいた方が良さそうじゃの。

まとめ

  • 自然分娩の場合は約50万円もの費用がかかるが、出産育児一時金など公的制度が受けられて、その大部分は軽減される。
  • 帝王切開など異常分娩の場合はさらに費用がかかるが、健康保険が適用されるため、窓口負担は3割で高額療養費制度も利用できる。
  • 出産時のトラブルのためには、任意加入の民間医療保険で備えれば入院給付金や手術給付金を受けとることができる。
  • 妊娠中に医療保険に加入すると不利が多いため、妊娠前の加入がオススメ。
よし!じゃあ私も出産に備えて今のうちに医療保険を契約しておこうっと!
それが良いかの。ところで、妊娠のアテはあるんかいの?
博士、それはセクハラです!ヒミツですっっ!

告知義務違反したらどうなる?おさえておくべき医療保険の審査内容

保険選びのときにはあまり気にしないけれど、いざ保険会社に申込をすると必要になってくる、保険の告知。保険のセールスマンの誘い文句通りに保険に申込し加入するとなると、ほとんど言われるままに告知の手続きをすることになります。

しかし、告知は「告知義務」というだけあって、重大なことなのです。
告知次第では保険契約を断られることもあり、告知に誤りがあれば保険契約がパーになることすらあります。

告知義務について十分に理解しておかなければ、ほんとうに安心して保険契約ができることにはなりません。医療保険の告知義務とは何なのか、そしてどんなことに注意しなければならないのか、しっかり理解しておきましょう!

も く じ

告知とは、保険加入時に健康状態や職業を申告すること

告知とは、その保険に申し込むときに、被保険者の健康状態を保険会社に書面で申告することです。
また、健康状態以外にも名前、生年月日、職業、身長や体重についても記入を求められます。
保険会社は申込者の告知によって審査を行い、場合によっては保険の引き受けを拒否することもあります。

告知項目は「3か月以内」「5年以内」「2年以内」の3種類

健康状態についての告知項目は、治療歴についての期間を区切っての設問に「はい」「いいえ」で答えることになります。
例を挙げると、

・最近3か月以内に医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがありますか。
・過去5年以内に病気やケガで手術や入院をしたことがありますか。
・過去2年以内の健康診断や人間ドックで、異常を指摘されたことがありますか。

というようなものです。

上記の設問にすべて「いいえ」であれば当然何の問題もないのですが、「はい」の場合はその詳細の申告を更に求められることになります。

博士、でも風邪をひいて医師の診察を受けるとか、健康診断で「要精密検査」と言わることって、よくありますよね?
そんなことでも保険に加入できなかったり、不利になったりするのでしょうか?
早とちりしてはいかんぞ。
「はい」と答えたからといって、保険に加入できないと即決まるわけではないんじゃ。

告知内容次第では、追加で資料を求められることも

ケースバイケースですが、例えば風邪にかかって医師の診察と投薬を受け完治しているとか、健康診断で異常を指摘された後の精密検査で「異常なし」の診断が出ている場合は、不利になることはまずないと思われます。
あくまでも、「風邪で合計2日通院しました」だとか「精密検査を○月○日にうけ,異常ありませんでした」ということなどを追加で記入しなければならないということなのです。
精密検査で異常があればもちろん契約上不利になることもあるでしょうが、比較的おおざっぱな健康診断で引っかかっても精密検査で「異常なし」であることさえ確認できれば、通常は問題とされません。

告知書


保険の告知は、被保険者本人が「告知書」という文書に記入することで成立します。
自己申告の「告知書」の提出だけで済むこともありますが、その「告知書」の記入内容によっては、追加で健康診断書や人間ドックの結果表の提出を求められたり、受診を求められたりすることもあります。

生命保険会社ごとに告知条件の厳しさが違う?

保険会社1社に申し込んだけれど、審査の結果、保険の引き受けを拒否された…。
そんなときでも、諦めることはありません。実は、告知条件は保険会社や保険商品によって異なるのです。A社では告知にひっかかって加入できなかったが、B社の医療保険には加入できたというようなことは、決して珍しい話ではないのです。

それじゃあ、告知にひっかかった人は、次はどんな保険会社を選べばいいんですか?

保険会社はたくさんあるから、自分に合ったものを探すのは難しいですよ。

うむ。
そういうときは、保険料の割高な商品を探してみてはどうかのう?

告知条件は保険会社(保険商品)によって異なる

保険は、加入者全員から保険料を集めて、その中の一部の人に万が一のことがあったら、保険金を支払うというしくみのものです。ですから、保険金が支払われやすい、つまり審査の甘い保険ほど保険料が割高になる傾向があります。
1社の告知にひっかかった人は、その保険会社よりも割高な商品で審査を申し込むと、加入できる可能性があります。

また保険会社によって、告知条件自体も優しかったり厳しかったりするのです。

告知条件 新キュア
(オリックス生命)
新EVER
(アフラック)
新健康のお守り
(損保ジャパン日本興亜ひまわり生命)
最近3か月
以内
診察・検査・投薬・治療 入院・手術をすすめられたことがあるか 今後3か月以内の入院・手術の予定
過去5年
以内
手術
連続7日以上の入院
所定の病気での診察・検査・投薬・治療
所定の病気以外で通算して7日以上の診察・検査・投薬・治療
手術
連続7日以上の入院
所定の病気での診察・検査・投薬・治療
所定の病気以外で通算して7日以上の診察・検査・投薬・治療
がん・上皮内がん
・肝硬変で医師の診察・検査・投薬・治療
過去2年
以内
健康診断・人間ドックで所定の臓器または検査項目で異常 健康診断や人間ドックで異常
診察・検査をすすめられた
7日間以上の診察・検査・治療・投薬
入院・手術
現在 手や足の欠損、背骨や視力・聴力などに障害
保険料 1582円 1609円 1692円

※表中の告知条件は、特にことわりの無い場合は、「○○がある」ということ。
※保険料は30歳男性、終身払いの月額保険料。先進医療特約を付加。
保険各社HPより

上の表からも、告知条件が易しい保険ほど(右側の保険ほど)、保険料が割高になっていることが分かります。

なお、今回は「通常の医療保険」の中での告知条件を比較してますが、医療保険の中には「持病がある人でも入れる医療保険」というものが別に用意されています。審査基準が緩くなる分、保険料は通常の医療保険に比べると高額になります。
持病や過去の病歴があるけれど、だからこそその治療費を保険でカバーしたい、という場合には、検討してみると良いでしょう。
⇒「持病がある人の医療保険の選び方は?」の記事へリンク

医療保険見直し時の告知に関する注意点

医療保険に加入するというのも、人によっては難関なんですね…。
だけど、いったん医療保険に加入できれば、もう告知はいらないんですよね?
ところが、そうもいかんのじゃ。
一生同じ医療保険に加入し続けるならそのとおりなのじゃが、保険は見直すものじゃからの。

医療保険で再度告知が求められる状況としては、次の2つの場合が考えられます。

保険を見直して、新しい保険に加入する

保険会社各社とも、競争の中で次々に新たな魅力的な保険商品を開発しています。
また、金融界の情勢によって、保険料は上下します。
そうでなくても、多くの人は年齢を重ねるにともなって、より健康リスクを強く感じて新たな保険に加入したり、既に加入している保険を見直したりすることでしょう。

しかし、そのような理由でも、新たに保険に加入するなら再度告知が必要となります。これは当然、その時の健康条件を告知することになります。
このため、気に入った保険があったからといって、先に旧い保険を解約してはいけません。その期間に治療を受けたり持病を持ったりしたことによって、新たな保険に思うように加入できない可能性があるのですから。

また、医療保険に加入中に特約を付加する場合にも、同様に告知が必要な場合があります。

保険の契約転換制度を利用する

保険の転換とは、すでに加入している保険を解約して、その時に生じるお金で同じ保険会社の別の保険商品に加入することです。
保険転換を利用すると、保険に新規加入するよりも保険料が安くなるなどといったメリットがあるのですが、ここでも再度の告知が必要となります。
もちろん、告知をパスしなければ、保険の転換はできません。

病歴を隠して告知違反をすれば給付金がもらえない可能性も

ところで、告知って自己申告なんですよね?

それじゃあ、持病があっても全部「いいえ」って答えて、「何の問題もない健康体です」ってウソをついちゃダメなんですか?

なんてことを言うんじゃ!人として嘘がまかり通る道理はないじゃろ。

万が一その医療保険に加入できたとしても、いざ保険金支払いのときには保険会社が調査するんじゃ。

告知義務違反で保険契約解除となると、保険料は戻ってこない

虚偽の告知など告知違反の場合、保険会社には保険契約を解除できることが約款で定められています。
告知は自己申告ですが、保険会社は〈保険の加入時〉〈保険金の請求時〉の2つのタイミングで調査を行っています。
〈保険の加入時〉に行う告知は自己申告ですが、〈保険金請求時〉には、医師の診断書から病院のカルテまで、さまざまな情報について入念に調査が行われることもあるのです。

そしてもし、その調査の中で告知違反が発覚してしまうと、約款に従って保険会社は保険解除を行うことになります。この場合、保険はその時点で消滅し、それまで支払った保険料は戻ってきません。

保険解除って、怖いですね!
私もウソはつかないけど、自分の病歴や入院歴なんて正確には覚えてないしな…。

うっかり間違って告知違反になってしまったら、どうしたらいいんですか?

やはり、その間違いを自覚した時点で申告した方が良いの。

うっかり告知義務違反が分かったら、すぐに保険会社へ連絡を

手術時期や入院期間、また既往の病名などを間違って告知してしまうことはありますよね。
その場合でも、告知義務違反であることには変わりありません。保険会社によって保険解除となる可能性があります。

ですから、もしご自身の告知に間違いがあることが発覚したら、保険会社の担当者に電話などですぐに連絡しましょう。告知の間違いの大きさによっては、保険会社によって保険内容が見直されることもあるかもしれません。

すぐに連絡


ですが、手術や入院の時期が少しずれていた程度なら、問題なく契約が続行する可能性が高いです。
どちらにせよ、いざ保険金支払事由が発生して保険金請求、というときに告知義務違反が発覚するという最悪の事態は回避できます。

「告知義務違反は2年たてば大丈夫」とは言いきれない

「告知義務違反は2年で時効のため、告知でウソをついても契約から2年経過すれば大丈夫」という意見を目にしたことがあるかもしれません。
確かに、約款では「契約が2年間有効であれば、保険会社は契約解除できない」という条項があります。
この条項をそのまま読めば、告知義務違反をしても2年間隠し通せば保険解除されない、という意味にも取れますね。

しかし約款には他に、この考えを正す条項が2点あります。

①2年以内に保険金支払事由が生じていた場合、その給付金請求をしていなくても、2年経過後でも保険会社は契約を解除できます。

2年の間に手術や入院など、保険金支払いが発生するようなことがあったら、それを隠していても、2年時効は効かなくなるということですね。

それでは2年間無事であれば良いかというと、そうも言えないのです。

②詐欺や保険金の不法取得目的のために契約締結されたと保険会社が見なした場合、保険会社は契約を無効にできる。

わざと嘘をついて契約したと保険会社が判断し契約無効となった場合も、それまでに払い込んだ保険料は戻ってきません。

まとめ

  • 告知とは、健康状態などを自己申告で記入するもの
  • 告知の厳しさは、保険会社によって違う
  • 医療保険の見直しの際には再度告知が必要なので注意
  • 告知義務違反の場合は保険解除され、支払った保険料は戻ってこない
やっぱりウソはいけないんですね…。
うむ。保険は金融商品の一種。金融の世界は、信用が第一じゃからの。
年齢や身長、体重もきちんと正確に申告せねばならんぞ。保険の営業担当者もしっかりチェックしておるからの。
体重まで?ひえー。

給付金をもらったら要チェック!医療保険の給付金には税金がかかるのか

病気やケガをして医療保険から給付金をもらった場合、受け取るお金に税金がかかるかどうか、疑問に思ったことはありませんか?

死亡保険や養老保険で保険会社から受け取るお金は課税対象になりますが、医療保険で治療費のためにかかるお金は実は税金がかからないのです。

ただし、医療保険に死亡保障や健康祝い金の特約を付けていた場合には税金の対象になる可能性があるので、注意が必要です。
また、支払った保険料を返還してもらえる「医療費控除」の制度と給付金の関係も把握しておきましょう。

も く じ


入院給付金や手術給付金の受け取りには税金がかかる?

医療保険で受け取る給付金と言えば、入院給付金や手術給付金です。

入院給付金は、実際に入院した日数に応じて、入院1日あたり決まった金額(入院日額)を受け取ることができるもの、
手術給付金は、保険契約で定められている手術を受けた場合に、所定の金額を受け取ることができるものです。

これらの給付金を受け取ったときには税金はかかりません。
というのも、入院したり手術を受けたりしたということは、それだけの出費があったということです。出費を補っただけなので、収入を得たということにはならず、非課税となります。

入院給付金や手術給付金と同じように非課税となるものは、通院給付金・先進医療給付金・(がんなどの)診断一時金などがあります。

■主な非課税となる給付金・保険金

入院給付金 / 手術給付金
通院給付金 / 疾病(災害)療養給付金
障害保険金(給付金) / 特定損傷給付金
がん診断給付金 / 特定疾病(三大疾病)保険金
先進医療給付金 / 高度障害保険金(給付金)
リビング・ニーズ特約保険金 / 介護保険金(一時金・年金) など

(引用元 生命保険文化センター「Q.入院給付金などには税金がかからない?また、医療費控除とはどんなもの?」)

ちなみに、入院日額10,000円受け取ったけれども、病院に支払う費用が8,000円で済んだという場合でも非課税です。入院にあたっては病院に支払う入院費用以外にも交通費や入院中に使う日用品代なども必要になりますが、入院給付金はそれら全てをまかなうためのものとされ、全額治療のために使ったものとみなされます。

医療保険の給付金は治療のための費用とされているから、基本的に税金はかからないと思っておいて大丈夫ということですね。
その通り。
しかしな、その医療保険に、「死亡保険金」「健康お祝い金」をうけとれる特約をつけている人は注意じゃ。
これらは課税対象になるからのう。

死亡保険金は課税対象に

医療保険の特約として死亡保障をつけている場合には注意が必要です。死亡保険金(死亡給付金)は治療のための費用ではないため、生命保険と同じように課税対象となります。

<契約者(例:夫)=被保険者(例:夫)の場合>
契約者(例:夫)が死亡したときに法定相続人である配偶者など(例:妻)が死亡保険金を受け取った場合は、相続税の対象です。

<契約者(例:夫)=保険受取人(例:夫)の場合>
契約者と保険金受取人が同じで、被保険者(例:妻)が死亡した時は、受け取った死亡保険金が所得税の対象になります。

満期保険金も所得税の対象です

死亡保険金と同様、特約で満期保険金が受け取れるものも課税対象です。満期保険金には、保険契約が終了した時に受け取れるお金や、「○年ごとに○万円のお祝い金がもらえる」といった健康祝い金のようなものが含まれます。

これらは、受け取った満期保険金から、その保険金を受け取るために支払った保険料の金額を差し引いた金額が所得とみなされます。「満期保険金を受け取るために支払った保険料」の額は、保険会社や代理店に問い合わせれば教えてもらうことができます。


給付金を受け取っても医療費控除は受けられる?

次に、医療保険の給付金を受け取ったときの医療費控除についても確認しておきましょう。

医療費控除とは?

医療費控除とは、1年間の医療費(自己負担額)が一定額を超えた場合に、所得税が還付される制度です。
医療費控除額は、以下のように計算できます。

【医療費控除の計算方法】一年間の医療費の合計支払額-受け取った給付金額-10万円※=医療費控除額(最高200万円)

※所得金額が200万円未満の人は、所得金額の5%の金額

医療保険の給付金を受け取っていた場合にも、医療費控除は受けられる。

だが、医療費の合計額から受け取った給付金を差し引いた後の金額が、年間10万円以上(所得金額が200万円未満の人は、所得金額の5%以上)になっていなければならないのじゃ。

それでは具体的な例として、医療費の自己負担額が20万円だったパターン1と、15万円だったパターン2でみてみましょう。

パターン1 パターン2
医療費の自己負担額 20万円 15万円
入院給付金 12万円 3万円
実質的な自己負担額 8万円 12万円
結果 医療費控除は受けられない 医療費控除が受けられる


パターン1のように自己負担額が多くても、その分だけ入院給付金などを多く受け取っているケース。これでは実質的な自己負担額が少なくなるため、医療費控除が受けられない場合があります。

なお、給付金を10万円受け取ったけれども、その治療にかかった自己負担額が8万円だったという場合には、あまった2万円分を差し引く必要はありません。受け取った給付金を8万円と計算して、実質的な自己負担額が10万円以上になるかどうかを計算しましょう。

医療費控除を受けるためには確定申告が必要

ただし、医療費控除を受けるためには、確定申告をしなければなりません。
サラリーマン家庭の場合、税金については年末調整だけで何もしなくていい場合が多いですが、年末調整で医療費控除を受けることはできません。忘れずに確定申告をするようにしましょう。

また、医療費控除を受けるときには、医療費を支出した証拠書類として、確定申告書に領収書を添付する必要があります。そこで注意しておかなければならないのは、病院の領収書は捨てたり紛失した場合に再発行してもらえない場合がほとんどです。
領収書が見つからないせいで医療費控除が受けられなくなってしまわないよう、毎年、医療費の領収書は大切に保管しておくようにしましょう。

このように、医療保険の給付金を受け取っている場合でも、さらに税金の還付をしてもらえる場合もあります。1か月の医療費が一定額を超えた場合に医療費を還付してもらえる高額療養費制度などと同様に、公的保険の制度も上手く活用して、余計な出費をおさえられるようにしておきましょう。

まとめ 保険のことだけでなく、税金のこともわかっておきましょう

  • 治療のために受け取った医療保険の給付金は非課税
  • 「死亡保険金」や「健康祝い金」を受け取った場合は課税対象
  • 医療費控除は、受け取った給付金を差し引いた額で申請する
医療保険で受け取ることができる給付金は、死亡給付金など以外、ほとんどが非課税になるんですね。

確かに、治療のために受け取ったお金にまで税金がかかるのは納得できないですもんね。

そうだな。ただ、受け取った分だけ医療費控除の対象になる医療費が減ることには注意じゃ。

間違えて給付金分を差し引かずに確定申告してしまった場合、修正申告をして納税不足分の税金を払いなおさなければならんからのぅ。

医療保険に加入したけど、やっぱり解約したい!保険をクーリングオフする場合の手順とは?

保険営業マンの勧めるままに医療保険を申し込んでしまったけど、後で冷静になって考えてみたら、そんな保険は自分には必要がないことが分かったとき。すぐに解約しても、払い込んだ保険料の全額は戻ってきません…。
そんなとき、実は保険契約にも「クーリングオフの制度」が使えます。今回は、保険契約でクーリングオフの制度を使うための条件と、実際にクーリングオフするときの手順について、具体的に解説したいと思います!

も く じ

医療保険にも、クーリングオフの制度が使えるの?

どんな商品でも、販売者と購入者では、その商品に関する知識には大きな差があるものですよね。
世の中には、知識がない消費者に対して、冷静に判断する余裕を与えないままに売買契約をさせる悪質な業者もいます。
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そんな業者から消費者を守るための制度が、クーリングオフ(Cooling Off)です。訪問販売や電話販売など、冷静に判断できないまましてしまった契約を、冷静に考え直してから白紙に戻したくなることがあります。こんなとき、一定期間内であれば消費者の側からの一方的な申請で、契約を無効にすることができます。

このクーリングオフの制度は、保険業法に定められているので、医療保険やがん保険などの保険でも使えます。ただし、どのような場合でもクーリングオフができるわけではありません。

クーリングオフができないケースとは?

医療保険やがん保険でも、以下のような場合にはクーリングオフができません。

①自ら販売店窓口などの店舗に出向いて契約した場合。
反対に言えば、職場や自宅に保険外交員が訪問して契約した場合にはクーリングオフできるということです。ただし、こちらから職場などに担当者を呼んできてもらった場合はクーリングオフできません。

②保険会社が指定する医師による診査を既に受けてしまった場合。
しかし、一般の医療保険では、加入者自身の簡単な告知のみで契約が進む(ウソをつくと最悪の場合、保険が失効するので注意)ことが多いので、あまり該当しないはずです。

③法人として契約した、あるいは団体で契約した場合。

④保険期間が1年以下の契約の場合。
しかし、医療保険でこのような契約をすることは稀です。セールスマンも勧めません。

⑤申込日から9日以上経過している場合。
保険業法によるクーリングオフ適用期間は「8日以内」です。ただし、良心的な保険会社では特別に「15日以内」「30日以内」と設定していることもあるます。加入時に受け取る『契約のしおり』や『約款』に書かれているのを確認しましょう。

この中で特に注意すべきなのは①と⑤でしょう。クーリングオフの制度は、あくまで冷静でなかった消費者を、強引な商法から守るためのものです。消費者自身の判断で契約が進んだ場合には認められません。

クーリングオフの実際の流れと手順

それでは実際に、医療保険を契約した(申し込んだ)後に、「冷静に考えれば必要なかった…。」との考えに至った場合、どうすれば良いのでしょうか。執るべき行動を、順番に解説しますね!

1.取り消しができるか確認

まずは、申し込みの「取り消し」ができるかどうかを確認しましょう。
保険は申し込めばすぐ契約成立というわけではありません。契約書を書いた後でさえも、保険会社が審査中のために契約が成立していないこともあります。

この期間は保険会社や契約内容によってまちまちなので、担当者に尋ねなければ分かりませんが、「取り消し」は担当者に電話など口頭で伝えるだけでできますので、書面を郵送するなどの面倒な手続きをせずにすみます。もちろん、「取り消し」はクーリングオフの制度とは関係ないので、先ほどの①~⑤に該当していてもできます。

2.クーリングオフの対象になっているか確認

「取り消し」ができなければ、次に先ほどの①~⑤に該当しないかどうかを確認しましょう。どれか1つでも該当する場合には、残念ながらクーリングオフできません。

3.書面を郵送してクーリングオフを申請

「取り消し」もできず、①~⑤に該当しないことが確認できたなら、いよいよクーリングオフの権利を行使しましょう。具体的には、書面を作成し保険会社(本社や担当支社)に郵送することで申請が成立します。口頭で伝えただけでは成立しないので注意しましょう。
また、郵便料金は割高になりますが、「内容証明郵便」でかつ「配達証明付き」にしておけば、その郵便が確かに送付されたことを郵便局が証明してくれるので、後々のトラブルを防ぐことができます。

クーリングオフの書面には何を書けばいい?

それではさらに具体的に、クーリングオフの書面に書くべき内容について、一例をご紹介します。

クーリングオフの書面

最後の年月日には書面の作成日を書くのですが、クーリングオフ適用期間の「8日以内」は、申込日からこの年月日までではなく、申込日からこの郵便の消印日となるので注意してください。消印は、深夜でない限り、ポストに投函した当日のものを押してもらえます。

なお、用紙の大きさなどに特にこだわる必要はありません。葉書でもA4のコピー用紙もかまいません。ただし、専用の用紙を用意している保険会社もあるので、『契約のしおり』や『約款』を確認しましょう。そこにも、書面に書くべき内容が記されているはずです。

保険加入前に大切なのはしっかり情報収集すること!

クーリングオフという制度によって、冷静ではない状態で不本意な医療保険契約をしたとしても、その契約を無効にすることができます。しかしほとんどの人にとって、医療保険は一生涯のお付き合いをするものですよね。
1社の保険会社の営業マンの話だけを聞いて安易に契約してしまわず、なるべく複数の保険会社の保険を紹介してくれる代理店を訪れてみたり、いろんな保険商品の情報収集と、熟考に熟考を重ねたうえで、最良のものを選びたいところです。

今回の記事があなたのお役にたてば幸いですが、おせっかいながら次回保険に加入したときには、このページを見る必要がなくなることを願います!