これで迷わない!クレジットカードのマイル還元率計算法

クレジットカードの比較サイトにあるマイル還元率。サイトによってバラつきが見られ、いまいち、その構造がわかりづらくなっています。そこで、今回は、還元率の求め方をわかりやすく解説。一般的な4人家族の家計をモデルに、月々貯まるマイルもシミュレーションしてみます!

クレジットカードの支払いで使ったマイル、どんな風に加算されるの?

クレジットカードによって複雑な獲得マイルの算出方法。まずはカードの還元率の出し方から見てみましょう。

クレジットカードの還元率とは

カードの比較サイトにある還元率とは、利用金額に対し、ポイントやキャッシュバック、金券などといった方法によって、どの程度の金額が還元されるかを割り出した比率のことです。例えば、利用金額100円につき1ポイント(1円分の価値)貯まるカードであれば、還元率は

 1÷100=0.01 

となり、単純に1%となります。

1,000円につき5ポイント(5円価値相当)つくクレジットカードは、以下の計算になります。

 5÷1000=0.005 

つまり、0.5%となります。

一般的に、この還元率が1%以上あれば、高還元率だといわれています。

しかし、ここには年会費などの経費が含まれていませんので、“純粋に手元に還元されるお金”
とはいえません。

例えば、年会費無料のAカードと、年会費2,160円のBカードがあるとします。
両方とも、100円につき1ポイント(1円の価値)のつくカードであり、月5万円ずつ年間合計60万円分をこれらのカード使って買い物をしたと仮定します。
Aカードは獲得ポイントがそのまま還元される金額ということになりますが、Bカードの場合は年会費がありますので、その分を差し引いた額が純粋な還元金額といえます。

その場合は、下の図のように手元に入る金額も変わってきます。

還元率年会費ポイント手元に入る金額
Aカード1%無料6,000円分6,000円
Bカード1%2,160円6,000円分3,840円

上の表であるように、純粋に還元される金額で還元率を出した場合、以下の値が算出されます。

Aカード  6,000÷600,000=0.01        1%

Bカード 3,840÷600,000=0.0064     0.64%

年会費などの経費を差し引くと、手元に入る純粋な還元率に0.3%以上の差が見られることになります。

この考え方をもとにして、次の章では、国内主要航空会社のJALとANAの普通カードごとに、年会費や移行手数料などを差し引いた、純粋な還元率を割り出していきます。

手元に入る純粋な還元率を割り出してみましょう!

手元に入ってくる純粋な還元率は、年間の利用金額によっても変動してきます。利用金額が増えれば増えるほど、獲得できるマイル数も増えてきますので、日常の買い物だけでなく公共料金や携帯電話などの支払いを集中させた方がよいといえます。

月々の生活費をカードで支払った場合、一般家庭において、ひと月あたりのカード利用額は5~20万あたりで推移しているのではないかと考えられます。

そこで、今回は、月々の想定利用料金を5万円、10万円、15万円、20万円と4パターンで設定し、獲得できるマイル数と、年会費などを差し引いた純粋な還元率を算出していきます。

ANAカードやJALカードの一般カードには、初年度年会費無料ですが、2年後以降に年会費を必要とするので、初年度と2年後以降と分けて計算することにしました。

※今回は、クレジットカードを利用した場合に貯まるマイルのみを算出しており、飛行機搭乗等で貯まるマイルは含んでおりません。

最もベーシックなANA VISA一般カードで検証

ANA VISA一般カード

年会費初年度無料 2年以降2160円
マイル加算1000円ごとに5マイル
10万マイルコース(年間6,480円)を追加すれば、1000円ごとに10マイル
移行手数料6,480円
ボーナス特典①年間利用金額 50~100万円未満 ※1ポイントにつき3マイル
50万円で50ポイント(150マイル)、以降10万円ごとに10ポイント(30ポイント)
➁年間利用金額 100~300万円未満
50万円で75ポイント(225マイル)、以降10万円ごとに15ポイント(45マイル)
ボーナスマイル入会で1000マイル、毎年更新するごとに1000マイル獲得

まずは、一番ベーシックなANAの一般カードで検証します。
マイルを多く貯めるため、年間6480円の10万マイルコースを選択します。 還元率の計算式は以下の通りです。1マイル=2円の価値で換算しています。

純還元率=(年間獲得マイル数×2円-年会費及び移行手数料)÷年間利用額

例えば、2年目以降で月々5万円ずつ利用した場合の純還元率は以下の通りとなります。

(7,180マイル×2円-2,180円-6,480円)÷600,000=0.0095 0.9%(小数点4以下は切り捨て)

【利用額別獲得マイル&純還元率表】

年間利用額(準数還元率)/年数月々5万円月々10万円月々15万円月々20万円
初年度

獲得マイル数

入会特典1000+年間利用額に対する獲得マイル6000+ボーナスマイルマイル180=7,180マイル入会特典1000+年間利用額に対する獲得マイル12,000+ボーナスマイルマイル540=13,540マイル入会特典1000+年間利用額に対する獲得マイル18,000+ボーナスマイルマイル810=19,810マイル入会特典1000+年間利用額に対する獲得マイル24,000+ボーナスマイルマイル1,080=26,080マイル
純還元率1.3%1.7%1.8%1.9%
2年目以降

獲得マイル数

更新特典1000+年間利用額に対する獲得マイル6000+ボーナスマイルマイル180=7,180マイル更新特典1000+年間利用額に対する獲得マイル12,000+ボーナスマイルマイル540=13,540マイル更新特典1000+年間利用額に対する獲得マイル18,000+ボーナスマイルマイル810=19,810マイル入会特典1000+年間利用額に対する獲得マイル24,000+ボーナスマイルマイル1,080=26,080マイル
純還元率0.9%1.5%1.7%1.8%

上表を見ると、利用金額が高くなればなるほど還元率もアップしていることになります。
次は、JALの一般カードで比較してみます。

JAL VISA普通カードで検証

JALカード

年会費初年度無料 2年以降2160円
マイル加算1000円ごとに5マイル ショッピングマイル・プレミアム(年間3,240円)を追加すれば、1000円ごとに10マイル
移行手数料無料
ボーナスマイル入会で+500マイル、ショッピングマイル・プレミアム入会ボーナスで+500マイル

JAL 普通カードでは、通常0.5%のマイル付与率※

付与率をアップさせるために、年間3,240円のショッピングマイル・プレミアムに入会するとします。

※付与率=利用金額に対して付与されるポイントの加算率

こちらもANA同様、経費を引いた純還元率を求めるため、以下の式を用いました。

純還元率=(年間獲得マイル数×2円-年会費及びショッピングマイル・プレミアム会費)÷年間利用額

例えば2年目で月々5万円使用した場合の純還元率は以下の通りとなります。

6,000マイル×2円-2160円-3,240円÷600,000円=0.011 1.1%
(小数点第四以下切り捨て)

【利用額別獲得マイル&純還元率表】

年間利用額(準数還元率)/年数月々5万円月々10万円月々15万円月々20万円
1年目

獲得マイル数

入会特典1000+年間利用額に対する獲得マイル6000=7,000マイル入会特典1000+年間利用額に対する獲得マイル12,000=13,000マイル入会特典1000+年間利用額に対する獲得マイル18,000=19,000マイル入会特典1000+年間利用額に対する獲得マイル24,000=25,000マイル
純還元率1.7%1.8%1.9%1.9%
2年目以降

獲得マイル数

年間利用額に対する獲得マイル6000マイル年間利用額に対する獲得マイル12,000マイル年間利用額に対する獲得マイル18,000マイル年間利用額に対する獲得マイル24,000マイル
純還元率1.1%1.5%1.7%1.7%

ANA・JALとも、ここで注意したいのは、年会費がかかる2年目以降に、還元率が下がってくるという点です。同じような一般カードでも、イオンカードや楽天カード、ローソンカードなどの流通系企業と提携した年会費無料のカードもあるので、そちらを選ぶのも一つの手といえます。

ショッピング以外にもマイルを貯める裏技

買い物以外で貯める方法は、飛行機への搭乗はもちろんのこと、ネットショッピング、電子マネーの利用など、様々な貯め方があります。上の章で紹介した2つのカードごとに、具体的な増やし方をレクチャーします。

飛行機搭乗によるマイル獲得

ANA、JALともに、下記のような搭乗した区間による加算にプラスして、カード利用者に向けてボーナスマイルを進呈しています。
例えば、以下の表Aにある3つのルートでどれだけマイルが貯まるか見てみることにします。
ANA・JALともに一般カードに入会している場合、フライトマイルの10%のボーナスマイルもつくので、それも加算してあります。

フライトマイル=区間マイル×利用運賃ごとの積算率×ボーナスマイル1.10

利用運賃ごとの積算率というのは、普通運賃である場合100%となりますが、割引運賃である場合は、この積算率が下がります。
下記の表で、3パターンのルート別に、特割などの割引運賃で購入した場合(積算率75%)に獲得できるマイル数を表記しました。

 区間 加算マイル
東京~大阪 片道280マイル×75%×1.1=231マイル
東京~福岡 片道567×75%×1.1=467マイル
東京~札幌 片道510×75%%×1.1=420マイル

例えば、上記航空券を、先ほど紹介したクレジットカードで購入した場合は、購入金額の1%に相当するマイルも加算されます。
また、ビジネス・ファーストクラスの利用や、ゴールドカード以上のプレミアムカードでは積算率やボーナスマイルの加算率もアップしていきます。
他にも、初回搭乗であれば、JALは1000マイルが加算され、ANAは搭乗ごとに500マイルプレゼントなどの新規カード申し込みキャンペーンもやっているので、それらも上手に活用してマイルを貯めていってください。

ネットショッピングによるマイル獲得

ANA、JAL各社、提携しているサイトがあり、そこでの決済にこれらのクレジットカードを使用すれば、金額に応じてマイルが獲得できます。

主なサイト名、付与率は以下の通りです。

ANAJAL
サイト名付与率サイト名付与率
楽天市場200円で1マイル

0.5%

アマゾン200円で1マイル

0.5%

Yahoo!ショッピング300円で1マイル

0.3%

ユニクロ300円で1マイル

0.3%

じゃらん200円で1マイル

0.5%

ZOZOタウン300円で1マイル

0.3%

Booking.com200円で1マイル

0.5%

ビックカメラ200円で1マイル

0.5%

こちらのネットショッピングには、購入した金額につくマイルであり、先ほど紹介した一クレジットカードで決済した場合、さらにマイルが加算されます。
例えば、アマゾンで5000円の靴を買い、JAL一般カード(10万マイルコース)で決済したとします。

アマゾンでの買い物マイル5,000×0.5%+クレジットカード決済マイル5,000×1%=75マイル

⇒75マイル獲得できることになります。

電子マネーによるマイル獲得

ANAは「楽天edy」、JALは「waon」による電子マネーの支払いにもマイルが以下の通り加算されます。

ANAJAL
楽天edywaon
200円につき = 1マイル 付与率0.5%200円につき = 1マイル 付与率0.5%

※こちらは、電子マネー付きのクレジットカードにおける支払いでのみ、有効となります。
こちらの電子マネーの多くがコンビニや大手スーパーなどで利用可能です。
1000円のものを電子マネーで購入した場合、5マイルつく換算となります。

他にもツアーやホテル予約、航空会社自社がもつネットモールでの購入、提携店舗での買い物などでもマイルが加算されます。ANA、JALの特約店で利用した場合、通常より2倍のマイルが獲得できる場合もあります。
航空各社のHPを参考にして、マイレージプログラムを最大限に活用してください。

4人家族の家計で、ひと月にマイルがいくら貯まるのかをシミュレーション

これまではカードショッピングや搭乗などでのマイルの加算について述べてきましたが、では、実際に一家4人の家計でどれくらいマイルが貯まるのか、シミュレーションしてみたいと思います。

一家4人の構成は、父母、中学生と小学生の子供2人という設定です。

公共料金や買い物をクレジットカードで決済し、お父さんに、月一回の割合で東京から大阪までの出張があると仮定します。
お父さんがJALの一般カード(ショッピングマイル・プレミアムに加入)、お母さんが家族カードを持っていたとします。

名目費用獲得マイル
食費50,000円500
水道費5,000円50
インターネット代5,000円50
電気代10,000円100
携帯電話4人分15,000円150
WAONを利用してコンビニでの買い物10,000円50
アマゾンを利用しての買い物5,000円25
お父さんの出張
東京~大阪 往復
(クレジットカードでの支払い)
20,000円カード払い
東京~大阪間 往復
200
462
中学生の塾代10,000円100
小学生の習い事代5,000円50
提携保険会社で車両保険の延長契約 月々5,000円のカード分割払い更新時のボーナスマイル 5,000円250

50

JAL提携レストランでの飲食10,000円100マイル
JAL提携ヘアーサロンでカット10,000円100マイル
マツモトキヨシで買い物5,000円100マイル
合計175,000円2,337マイル

一般的な4人家族の家庭でひと月2,337マイルも獲得することができました。これを年間で計算すると28,444マイルとなり、2人分の東京から韓国までの往復特典航空券が出る計算となります。(JALカード割引マイルを使用して、一人分往復11,000マイルで計算)

JAL、ANAともにマイルには3年の有効期限になっているので、この調子で3年貯めた場合、84,132マイル貯まることになり、家族4人分の東京~グアム間特典航空券(エコノミーで往復20,000マイル)がGETできます。

まとめ

今回は主にクレジットカードを利用した場合のマイルの加算法について述べてきました。

このように、飛行機の搭乗だけではなく、毎日の生活でマイルを貯めている人々もたくさんおり、そういった人々は「陸マイラー」と呼ばれています。

実際に、陸マイラーは、様々な手段で地道にマイルを稼ぎ、ハワイやアメリカなどの海外旅行を獲得しています。皆さんも参考にして、賢くマイルを貯めていってください。


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