ワンワールドマイルを効率よく貯められるクレジットカード3選
世界中の航空会社は大きく3つのアライアンス(航空連合)を形成しています。
スターアライアンス、ワンワールド、スカイチームがその3つですが、同じアライアンスに所属する航空会社間でマイレージを共有できたり、同じラウンジを利用できたり、多彩なサービスを展開しています。
今回はその中のひとつ「ワンワールド」のサービスや「ワンワールド」の主要航空会社JAL、アメリカン航空、ブリティッシュエアウェイズのマイレージプログラムの特長とそれぞれのマイルを貯めやすいクレジットカードを紹介。
同じグループ間であればマイルの移行も簡単なので、マイルの有効活用法も伝授します!
JALも加盟しているワンワールドアライアンスとは?
ワンワールドアライアンスには現在15の航空会社が所属し、150カ国の900都市以上に就航しています。
ワンワールドアライアンスにはJALも加盟しているので、JALマイレージバンク(JMB)の上級会員(獲得マイルや搭乗回数によって与えられるグレード)は、自動的にワンワールドのエリート会員の資格も与えられます。
そのためJALの空港ラウンジだけでなく世界中のワンワールド系の空港ラウンジを無料で利用できるメリットもあります。
また、同じくワンワールドに加盟しているアメリカン航空は、2013年にUSエアウェイズと合併したことで、世界最大の航空会社となりました。そのため、特に北米で強いネットワークを持っています。
加盟している航空会社
エアベルリン | アメリカン航空 | ブリティッシュ エアウェイズ |
キャセイパシフィック航空 | フィンエアー | イベリア航空 |
日本航空(JAL) | ラン航空 | マレーシア航空 |
カンタス航空 | カタール航空 | ロイヤルヨルダン航空 |
S7航空 | スリランカ航空 | TAM |
①JALのマイレージプログラム
まずは、ワンワールドアライアンスの中で最もメジャーな航空会社JALのマイレージプログラムの特長を紹介します。メリットだけではなく、デメリットも紹介しているので、マイレージプログラムを選択する際の参考にしてみてください。
【マイレージプログラムのメリット】
①国内路線が充実
JALの国内路線数は2017年3月現在127便、コードシェア便を含めると143便となり、充実しています。コードシェア便は、路線を確保するため、複数の航空会社と共同で運航する便のことです。
➁電子マネーやポイント交換、買い物で貯めやすい。
JALマイルは電子マネーWAONと提携しており、WAONでの買い物やチャージで200円で1~2マイルが貯まります。また、JAL提携のクレジットカードでのショッピングでもマイルが貯まります。
③特典航空券の必要マイル数が他の航空会社と比べ低く設定してある。
JALの特典航空券の交換マイル数は、他社と比べると比較的低い設定となっています。
例えば、東京~ニューヨーク間ではアメリカン航空では62,500マイル必要ですが、JALは往復50,000マイルとなり、少ないマイルで特典航空券と交換できます。
さらに、JALでは、時期によってお得なディスカウントマイルやJALカード利用者限定のマイル割引などのキャンペーンも行っており、それを利用すれば39,000~40,000マイルで東京~ニューヨーク間の特典航空券と引き換えられます。
④クレジットカードで貯めるならJALマイル
ANAカードはポイントを貯めてマイルに交換するシステムで、マイルに移行する際に、移行手数料(年間税別6000円程度)が必要な場合があります。
しかしJALカードは、買い物で直接カードにマイルが貯まるしくみなので、移行する手間もなく、移行手数料もかかりません。
➄LCCのジェットスター搭乗でJALマイルが貯まる
格安航空会社で自社のマイレージプログラムをもたないところも多いですが、LCCの大手ジェットスターに搭乗すれば、JALマイルを貯めることができます。
マイルの加算は、「Starter Plus」「Starter Max」の運賃に適用され、JAL区間マイルと積算率は25%を乗じた数が加算マイルとなります。
【マイレージプログラムのデメリット】
①マイルの有効期限が3年と短い
JALマイルの有効期限は海外航空会社と比べると3年と短くなっています。
そのため、有効期限が近くなったマイルは、特典航空券だけでなく他の商品やポイントに交換するなどの工夫が必要です。
➁他社ポイントからの交換はJALマイルが不利
JALマイルは、他社のクレジットカードで貯めたポイントをマイルに交換するサービスがANAに比べて少ないので、ポイント交換できるカード会社が限られてしまいます。
③フライトしないともらえないボーナスマイル
継続時にもらえるJALカードのボーナスマイルは、搭乗が条件であるため、毎年1回はJALでフライトしないともらえません。その点、ANAカードは継続だけで自動的にボーナスマイルがつくので、陸マイラー※に人気のカードとなっています。
※飛行機に搭乗せずにクレジットカード利用でマイルを貯める人
年会費 | 初年度:無料 2年目以降:2,000円(税別) |
マイル付与率 | 0.5%~ 200円で1マイル~ ※ショッピングマイル・プレミアム会員時 1%~ 100円で1マイル~ |
旅行傷害保険 | 海外旅行傷害保険:最高1,000万円 国内旅行傷害保険:最高1,000万円 傷害・治療費用:なし 携行品損害費用:なし |
JALカードのマイルとSuicaのチャージ利用でビューサンクスポイントもたまるJALカードsuica。
通常のショッピング200円ごとに1マイル(マイル付与率0.5%)がたまりますが、年会費3,000円(税別)のショッピングマイル・プレミアム会員になれば、マイルが2倍となり100円ごとに1マイルたまります。
SuicaのICチップが内蔵されていて、ワンタッチで改札を通過可能。残高が少なくなれば自動的にチャージされるオートチャージ機能も付けられます。
年会費 | 20,000円(税別) |
マイル付与率 | 1%~ 1,000円で10マイル~ |
旅行傷害保険 | 海外旅行傷害保険:最高1億万円 国内旅行傷害保険:最高5,000万円 |
1,000円利用につき10マイル(1%還元)貯まる、マイル還元率の高いクレジットカードです。
JALマイルが貯まる、個人事業主、中小企業経営者向けのクレジットカードで、仕事用のカード利用でJALマイルを貯めたい人におすすめです。
引き落とし口座には「個人名義口座」だけでなく、「法人名義口座」も設定できます。
また、年会費3,000円(税別)で社員用の追加カードも発行でき、本カードと追加カードでは利用明細の表示が区別されるため、経費状況の把握が的確にできます。
また、事務用品やレンタカーなどの経費の支払いを優待価格でできる「ビジネス・アドバンテージ」も、経営者の人には魅力的なメリットです。
年会費は20,000円(税別)ですが、年200万円以上の利用で次年度の年会費が10,000円(税別)に割引されます。
②アメリカン航空のマイレージプログラム
アメリカン航空は日本でも馴染みが深く、ANAやJALに次いでためている陸マイラーも多いです。
アメリカン航空のマイレージのメリット、デメリットを紹介します。
【メリット】
①マイルの期限が実質無制限
マイルの有効期限は基本的に18カ月とされていますが、マイルの加算や使用により、その時点で有効期限がリセットされ、さらに18カ月延長されるので、加算し続ければ実質的に無期限に貯めることができます。
➁特典航空券のサーチャージが無料
特典航空券に限らず航空機を利用する場合は、運賃と別に燃油サーチャージ料金がかかるのが一般的です。JALの場合ですと、東京~ハワイ間の特典航空券のため往復で別途8,000円ものサーチャージが必要となってきます。しかし、アメリカン航空の無料特典航空券には、燃油サーチャージがかからないのでお得です。
③マイルの購入・シェア・プレゼントができる
あと少しで無料特典航空券に手が届くといった場合、不足分のマイルを購入することで特典航空券を手に入れることができます。
また、家族のみならず友達や恋人ともマイルの交換やプレゼントが可能です。同じ旅行に行く家族や友人にマイルが足りない場合、合算もできる(有料)ので便利です。
④失効したマイルの復活ができる
アメリカン航空のマイルは実質無期限ですが、18ヶ月加算や利用などマイルに動きがないと失効してしまいます。その失効したマイルを有料で復活させることができます。
失効マイル数によって200ドル~600ドルかかるので、購入した場合のチケット料金を考えて、復活させるようにしてください。
【デメリット】
①2016年8月の改定で、加算率が悪くなった
これまで、予約クラスによってマイルが加算されていましたが、2016年8月から航空運賃による加算に変更されました。格安航空券ではあまりマイルを貯められなくなりました。エコノミークラスの加算率は以下の通りです。
・一般会員…運賃の1ドルにつき5マイル
・ゴールド会員…運賃の1ドルにつき7マイル
・プラチナ会員…運賃の1ドルにつき8マイル
・エグゼクティブ・プラチナ会員…運賃の1ドルにつき11マイル
➁日本で貯める方法が少ない
日本国内での提携店が少ないため、基本的にはショッピングなどでマイルを貯める方法がほとんどありません。
アメリカン航空を利用しない人には不向きといえます。
③提携カードの年会費が高め
提携カードはJALカードに比べて数も少なく、手軽に入会できる低い年会費のクレジットカードがありません。
最も手軽な「りそな/AAdvantage VISAカード」のクラシックカードでも年会費5,000円と高めに設定されています。
年会費 | 税別8,000円 |
マイル付与率 | 1%~ 100円ごとに1マイル |
旅行傷害保険 | 海外旅行傷害保険:最高2,000万円 国内旅行傷害保険:最高2,000万円 傷害・治療費用:最高50万円 携行品損害費用:最高15万円 |
アメリカン航空唯一の提携カードであるりそなAアドバンテージVISAクラシックカード。
このワイドカードはシルバーカードに位置し、100円ごとに1マイル貯まります(マイル付与率1%)、海外・国内ともに最高2,000万円の旅行傷害保険が付帯。
税別8,000円と年会費が高めですが、入会で2,000マイルのボーナスマイル、アジア各国にあるGlobePass加盟店の優遇プログラムなど様々な特典が付いています。
③ブリティッシュ・エアウェイズのマイレージプログラム
イギリスを中心にヨーロッパへの渡航も便利なブリティッシュ・エアウェイズ。特典航空券に必要なマイル数もJALに比べす少ないので、ヨーロッパをよく渡航する人には便利なマイレージプログラムです。
【メリット】
①チケットの料金設定が他よりも安め
料金設定が低いので利用しやすくお得です。
東京~ロンドン間の料金はJALでは123,820円ですがブリティッシュ・エアウェイズでは80,000円と格安です(2017年4月現在)。
➁東京~ロンドン間など特典航空券の必要なマイル数がJALに比べて少ないのでお得
特典航空券でもブリティッシュ・エアウェイズはJALと比べてお得です。
同じ東京~ロンドン間(エコノミー・通常)ではJALは55,000マイル、ブリティッシュ・エアウェイズは39,000マイルと大きな違いがあります。
③家族間でのマイル合算が無料でできる
ブリティッシュ・エアウェイズのマイレージサービス「エグゼクティブ・クラブ」は子供でも入会でき、マイルの共有が無料で可能です。
④JAL国内特典航空券の必要マイル数がJALより少なくてお得
JALで特典航空券の交換する場合、東京~札幌間の必要なマイル数は通常期往復で15,000マイル。
それに比べ、ブリティッシュ・エアウェイズでは、往復・オフシーズン期の場合9,000マイルで特典航空券と交換でき、かなり割安です。ほとんどの国内線の区間(羽田~那覇以外)が9,000マイルで行けるので、区間を選ばずお得になります。
➄ゴールデンウイーク時もオフピーク
各航空会社が設定するピーク時は、航空チケットも、無料航空券の必要マイル数もアップします。日本の航空会社ではGWがオフピークになることはありえませんが、ブリティッシュ・エアウェイズでは5/1~5/18もオフピークとなり、GW時でも少ないマイルで特典航空券を獲得できます。
【デメリット】
①搭乗以外にマイルを貯める手立てがない。
ブリティッシュ・エアウェイズのマイルを貯めるには、フライトが主な手段となります。それ以外では提携カードを利用するしかなく、ポイントの移行など他にマイル獲得手段がないのがデメリットです。
➁2015年4月からフライトマイルの積算率が改悪された
以前は、最低運賃で買った搭乗券でさえも、走行距離100%のマイルが加算されていましたが、今では25%と大幅に減少されました。その代わり、一番高いファーストクラスのフレキシブル料金には、以前200%だったものが改定後300%となりました。
運賃によって獲得マイルに差をつけようとする積算率改定は、ここ数年の間で他の航空会社でも行われています。
年会費 | 税別31,000円 |
マイル付加率 | 1%~ 100円=1ポイント=1マイル |
旅行傷害保険 | 海外旅行傷害保険:最高1億円 国内旅行傷害保険:最高5,000万円 傷害・治療費用:最高300万円 携行品損害費用:最高50万円 |
所持するだけで、スターウッド プリファード ゲストのゴールド会員資格を自動付与されるクレジットカード。
税別3万円と高い年会費だけあって、世界各地のSPGホテルの無料宿泊や国内外の空港ラウンジを無料利用などワンランク上のサービスが受けられます。
100円ごとのカード利用で1ポイントがたまり、150社以上の航空会社のマイルへ1:1のレートで交換できます。
ワンワールドアライアンスのマイルを有効に活用する裏技
ワンワールドアライアンスのマイルを貯めて、一番よい条件で加盟航空会社の特典航空券をゲットする裏技をお教えします!
有効期限の長さで貯めるマイレージプログラムを決める
JALマイルの有効期限3年となっていますが、ブリティッシュ・エアウェイズやアメリカン航空のマイルはマイルの加算や利用によって、有効期限を延ばすことのできる仕組みがあります。
例えば、今月に有効期限が切れるアメリカン航空のマイルがあったとします。
しかし、今月、クレジットカードでの買い物でマイルを加算した場合、その有効期限ギリギリのマイルの期限はさらに18カ月延長されます。
アメリカン航空やブリティッシュ・エアウェイズのマイレージプログラムでは、常に自分のマイレージアカウントでマイルの変動がある限り、実質無制限となります。
JALにはこれがないので、制限を気にせずゆっくりマイルを貯めたい派には、アメリカンやブリティッシュのマイレージもおすすめです。
行きたい国によって最も特典航空券に必要なマイル数の少ない航空会社を選択
上記の表でわかるように、東京~ロンドン間ではブリティッシュ・エアウェイズ、東京~ニューヨーク間ではJALを利用した方が、特典航空券に必要なマイル数も少なくお得です。
このように同じワンワールドアライアンスの中で、最も交換マイル数が少ないマイレージサービスを利用することが大事です。
ただし、マイル数が少なくても無料特典航空券がとりづらかったり、燃料サーチャージや手数料が高かったりしたら意味がないので、総体的に比較して、どの航空会社にするか決めましょう。
ワンワールド主要三社のマイレージ比較表
JAL | アメリカン航空 | ブリティッシュ・エアウェイズ | |
就航地域及び路線数 | 57カ国 682路線 | 54カ国 2,094路線 | 81カ国 294路線 |
マイレージ名 | JALマイレージバンク(JMB) | アドバンテージプログラム | エグゼクティブ・クラブ |
マイルの有効期限 | 36カ月 | 18カ月 ※マイルの加算・使用で実質無期限 | 36カ月 ※マイルの加算・使用で実質無期限 |
エコノミー搭乗における加算率 | 50~100% | 1ドル5~11マイル | 25~100% |
家族合算の有無 | 有/無料 | 有/有料 | 有/無料 |
上級会員の搭乗ボーナス加算率 | 10%~25%加算 | 25%~100% 加算 | 25%~100% 加算 |
特典航空券に必要なマイル数(エコノミー・通常期)
東京~大阪 | 往復12,000マイル | (JALに交換) 往復15,000マイル | (JALに交換) 往復9,000マイル |
東京~福岡 | 往復15,000マイル | 往復15,000マイル | 往復9,000マイル |
東京~沖縄 | 往復15,000マイル | 往復15,000マイル | 往復15,000マイル |
東京~ロンドン | 往復55,000マイル | 往復70,000マイル | 往復39,000マイル |
東京~ニューヨーク | 往復50,000マイル | 往復70,000マイル | 往復70,000マイル |
特典航空券のサーチャージ料金 | あり | なし | あり |
まとめ
ワンワールドの主な航空会社のマイレージプログラムをご紹介しましたが、特典航空券の交換に関して航空会社よって大きく必要なマイル数が違うことがわかりました。
同じ行き先でも、どこの会社のマイルを利用するかによって大きく違ってくるので、事前にチェックしておきましょう。
またマイルが貯まるクレジットカードでは、年会費は高いですがSPGアメックスがおすすめです。ほとんどの航空会社の
マイルに移行でき、マイル付与率も高いというメリットがあります。
マイルの有効期限も航空会社各社によって異なるので、この点でも注意したいところです。