勤続年数がクレジットカード審査に与える影響とは?

クレジットカードに申し込んだ際に、審査を避けて通ることはできません。

審査では様々な項目が対象となりますが、その一つに「勤続年数」があります。

新社会人になって間もない方やアルバイトの方、転職して間もない方がクレジットカードを作ろうとするとき、勤続年数を気にする方も多いのではないでしょうか。

確かに、勤続年数はカード所有者の返済能力の証明に重要で、1年以上の勤続年数はほしい所です。
だからといって、勤続年数を少しでも多くしようと、虚偽の申告をしたりアリバイ会社などを使ったりしてもばれてしまいます。

今回は、クレジットカードと勤続年数の関係、そして勤続年数がネックとなりそうな申込者がとるべき対策などを紹介します。

 なぜ勤続年数が重視されるのか

クレジットカードの審査内容は、スコアリング(申込者の点数付け)だけでなく「3C」が重視されています。
3Cとは「Capacity」(返済能力)、「Capital」(資産)、「Character」(性格)の頭文字をとったものですが、勤続年数はこのうち「返済能力」と「性格」に大きく関係してくる項目なのです。

勤続年数と「返済能力」との関係

クレジットカードの申込条件を見てみると「安定継続した収入」を掲げているカード発行会社が少なくありません。
もちろん、年収が多い方が審査に通りやすいのは間違いないのですが、「収入が安定していて継続している」ことの方が、より審査に通りやすいです。

転職を頻繁に繰り返している人は当然勤続年数も短くなり、前の職場から新しい勤務先に転職した際に、収入が大幅にダウンする可能性も否定できません。

収入の浮き沈みが激しい人は、安定した返済がなかなか見込めませんので、「返済能力に問題がある」と判断されてしまうのです。

現在収入があれば作れる【ACマスターカード】

ACマスターカードは20歳~69歳までの人であれば誰でも申し込みが可能です。

発行元が消費者金融系なので、過去のクレジット履歴よりも現在の収入を重要視しています。

そのため、今現在収入があるという人であれば、クレジットカードを発行できる可能性があります。

ACマスターカードの審査時間は最短30分、即日発行にも対応しています。
あなたが他社の審査に落ちて不安を抱えているのであれば、申し込んでみることをオススメします。

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勤続年数と「性格」との関係

クレジットカードの審査で返済能力が重視されるのは何となく分かりますが、申込者の「性格」まで重視されるのは意外です。

カード会社にとってありがたい利用者の性格は、「計画性がある」「まじめ」「社会適応能力がある」といったところでしょうか。

手書きの申込書に書かれた文字や誤字・脱字を見ただけで、その人のまじめさがある程度分かると言います。

そして、申込書に記載された勤続年数から分かるのは、「社会適応能力」「まじめさ」です。
勤続年数が長い人は、1つの会社に腰を据えて働いている人であり、職場の人間関係もうまくやっていて社会適応能力があり、安定志向のある人だと判断されます。

一方、勤続年数が短い人は社会人になって間もない人、あるいは転職を頻繁に繰り返している人です。

特に後者は、社内で適応できないために頻繁に繰り返しているのではないかと判断されてしまいます。
カード会社が好む申込者の性格ではありませんね。

最低限必要な勤続年数のボーダーライン

勤続年数は「1年以上」ほしい

では、クレジットカードの申し込みで必要な勤続年数は、具体的にどれくらいなのでしょうか。

ゴールドカードなど、ステータスの高いクレジットカードの中には、「勤続年数3年以上」「居住年数5年以上」「年収300万円以上」など、明確に基準を定めているところもあります。

しかし、多くのカード会社では「年齢」と「継続安定収入」のみを定めているだけで、勤続年数については申込資格に明示されていません。

ただし、社内の基準として多くのカード会社では「勤続年数1年以上」をボーダーラインとしています。

1年以上あれば安定収入でカード会社にとってリスクが少ない

勤続年数が1年あれば、会社にある程度腰を据えており、職場にもうまく適応していると判断されます。
安定した就業状況であれば、収入もある程度安定してきますので、カード会社としては転職による収入ダウンのリスクも少なくなる、と判断できるのです。

転職や新卒による勤続年数の短さ

勤続年数の基準においてどうしても不利になってしまうのは、「転職直後の人」「新卒の人」ではないでしょうか。

ここでは、転職直後の人や新卒の人の懸念事項や対策について紹介していきます。

転職直後の人

転職直後の人が勤続年数で不利に働くのは、「継続安定した収入が得られない」とカード会社に判断されてしまうからです。

転職直後のため勤続年数「1か月」などの人は、そのまま申し込んでも審査に通る可能性が高くありませんので、「1年」と申告してもいいでしょう。

収入証明書の提出や発行しやすいカード申し込みが効果的

以前と比べて、転職に対するネガティブなイメージは少なくなっており、キャリアアップのために転職する人も少なくありません。

転職して収入がアップしたのであれば、給与明細を任意で提出して収入の多さをアピールするのがいいでしょう。

転職しても収入が横ばい、あるいはダウンした場合は、より審査に通りやすいクレジットカード(消費者金融会社のアコムACマスターカードなど)に申し込むといいでしょう。

これらのカードで信用力をつけて、勤続年数も積み上げた上で別のクレジットカードに申し込めば、可能性は高まりますよ。

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新卒の人

高校や専門学校、大学を卒業して新社会人となったばかりの人も、クレジットカードの審査では苦戦を強いられるでしょう。

新入社員になって1年目ですので、勤続年数を積み上げることはできません。
致し方ない事情とはいえ、クレジットカード会社からすれば「継続安定性に不安がある」と判断されてしまいます。

学生カード、もしくは新社会人でも発行しやすいカードを持つ

クレジットカードは、高校生を除く18歳以上であれば発行可能です。
専門学校生や大学生の場合は、在学中に「学生カード」を発行しておくといいでしょう。

三井住友カード デビュープラス

三井住友カード デビュープラスは18歳~25歳の学生向けクレジットカードです。

学生向けのクレジットカードの場合、勤続年数や収入がないことは当たり前なので、親に収入があれば簡単に発行できます。

26歳以降は三井住友カード プライムゴールドに自動更新されますので、問題なく持てます。

申込書の勤続年数は裏付けをとられる

「申込書の勤続年数を多めに書いても、カード会社には分からないでしょう」と高を括っている人はいませんか。

確かに、勤務先を調べる方法はカード会社にありますが、勤続年数を調べる方法まではなかなか持ち合わせていません。
しかし、勤続年数を把握するために、カード会社も様々な手段をとるのです。

信用情報から矛盾を突く

クレジットカードの申し込みでも、個人信用情報機関から申し込み者の個人信用情報を取り寄せる場合が少なくありません。

信用情報にはさすがに現在の会社情報は記載されてはいませんが、前の勤務先の情報は記載されている可能性があります。

前の職場でクレジットカードを作ったり、住宅ローンを組んだりしていると、利用者の勤務先と利用日が個人情報に記載されます。

その日付けが1か月前の日付であるにもかかわらず、現在の勤務先の勤続年数を「1年」と記載しようものなら、信用情報と申込書の申告情報との間に矛盾が生じてきますよね。

この場合、カード会社は信用情報を重視するため、勤続年数を1年未満とします。

在籍確認で勤続年数を聞き出す

消費者金融系キャッシングやカードローン会社だけでなく、クレジットカード審査の最終段階で、「在籍確認」を行なうカード会社も少なくありません。

在籍確認とは、申込み書に記載された勤務先に勤務実態があるかを、カード会社のスタッフが電話で確認するものです。

通常は、勤務先だけを確認する手続きですが、銀行系クレジットカードやステータスの高いクレジットカードなどでは、勤続年数も確認するようです。

在籍確認の電話を勤務先の総務部や人事部にかけ、その社員から申し込み者の勤続年数を確認するケースもあるようです。

嘘の申告やアリバイ会社

どうしてもカードがほしい人は、嘘をついてまでもクレジットカードの審査に通ろうとするかもしれません。
しかし、嘘をつくのはあまりにもリスクが高いのです。

明らかな嘘は信用力を落とす

「企業の株式会社と有限会社を間違えた」「勤続年数11か月のところ1年と書いてしまった」くらいであれば、単なるうっかりミスとして、大きな問題にはならないでしょう。

ただし、
・「収入の多かった以前の会社名を記入する」
・「パート勤務、派遣社員、アルバイトなのに正社員と書く」
・「勤続年数1か月なのに1年と書く」
・「運転免許証や健康保険証など本人確認書類を偽造する」

などの場合は、「申し込み情報の虚偽度が高い」として信用力がガタ落ちとなり、クレジットカードの審査に落とされてしまいます。

アリバイ会社

最近では、「アリバイ会社」なるものを使って勤務先情報をごまかそうとする手口もあります。
「アリバイ会社」とは実際に営業を行なっておらず、ごまかすために設立されている会社のようなものです。

アリバイ会社では、架空の源泉徴収票や給与明細の発行まで行っており、クレジットカード審査の際にそれらを提出すれば、審査に通ってしまう可能性もあります。

ただし、カード会社側も主なアリバイ会社はリストアップしていますので、アリバイ会社を勤務先として記入した時点で、審査落ちしてしまうでしょう。

途上与信でばれる可能性がある

クレジット会社の中には、最初の審査と同じ審査基準で契約者の現状を調べる「途上与信」を一定期間で行うところもあります。

アリバイ会社を利用する方の多くは、支払い延滞情報などの金融事故情報も多く、詳しく調べた結果、アリバイ会社を使っていることがばれてしまいます。

アリバイ会社の利用は違法行為であり、ばれれば良くてもカード利用停止、さらに強制解約、残金の一括請求、最悪では詐欺罪で告訴されるかもしれませんので、絶対に利用してはいけません。

正直に申告しよう

働き方の多様化により、クレジットカードの審査では以前ほど勤続年数を重視しなくなっています。

収入やクレジットヒストリーを重視する会社が多いので、勤続年数をごまかすよりも、正直に申告してください。

なおクレジットカードの虚偽申告についての影響については、「嘘の年収でクレジットカード審査に申し込んだらどうなるの?」を参考にしてください。

最上天晴

株式会社GV・メデイアディレクター、クレジットカード・電子マネーの専門家。早稲田大学卒業後、日之出出版、扶桑社、主婦の友社で20年に渡り、雑誌・書籍の編集に携わる。2012年に主婦の友社を退社し、株式会社GVのメディアディレクターに就任。 2018年にまねーぶを立ち上げ、現在まねーぶの運営責任者と編集長を務めている。


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