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信用情報機関とは?同じ申込者でもクレジットカード審査結果に違いが出る理由

2017.03.14

クレジットカードの審査では「指定信用情報機関」の情報を参照することが、法律によって義務付けられています。

指定信用情報機関の情報を参照すると、申込者が他の会社で利用している残高も把握できるため、多重債務の防止につながるからです。

信用情報機関はどのような種類があるのでしょうか?また信用情報機関の間では情報共有があるのでしょうか?
今回はそんな疑問に答えつつ、信用情報機関に関する解説をしていきます。

クレジットカード審査の際にチェックされる信用情報機関は3つ

個人信用情報機関はいくつあるのでしょうか?
現在は業種によって以下の3つの個人信用情報機関が存在しています。

・CIC(個人信用情報機関)
・JICC(日本信用情報機関)
・KSC(全国銀行個人信用情報センター)

まずはこれらを個別にご紹介しましょう。

CIC(個人信用情報機関)

CICは最も保有データ数が多いクレジット系の個人信用情報機関です(2016年11月20日現在6億8千900万件)。

JICCとともに貸金業法や割賦販売法に定めている指定信用情報機関(法律で審査時に参照することを義務付けられている個人信用情報機関)として登録しています。

クレジットカード会社は指定信用情報機関で他社の残高をチェックすることで多重債務を防止しています。

CICに加盟している会社は、以下のようなノンバンクが中心です。

・クレジットカード会社
・クレジット会社
・消費者金融会社
・リース会社
・カードローン会社
・信用保証会社

必然的に保有データはクレジットカードやクレジット、融資の会員情報が中心となっています。

しかし、それだけではなく銀行や日本政策金融公庫といった金融機関から、NTTドコモ、au、ソフトバンクなどの携帯キャリアまで幅広い業種の企業が加盟しているという特徴があります。

JICC(日本信用情報機構)

JICCは消費者金融系の個人信用情報機関です。
加盟しているのは、以下のような消費者向けの融資を取り扱う企業です。

・消費者金融会社
・クレジットカード会社
・信販会社

いわゆる貸金業(貸金業法で規制されている、銀行以外で貸付をしている業者)を営む会社はすべて加盟しています。
保有データは融資契約に関するものが中心となっています。

KSC(全国銀行協会(全銀協・JBA)が運営する全国銀行個人信用情報センター)

KSCは銀行とその関連会社しか加盟できない閉鎖的な個人信用情報機関です。
したがって保有しているデータも銀行融資に関する情報がメインです。

特殊な加盟先としては日本学生支援機構があります。
日本学生支援機構は学生向けに奨学金の貸付を行なっていますが、3ヶ月以上延滞するとKSCに事故情報として登録されます

ただし、他社は延滞情報を参考にして審査しますが、日本学生支援機構は奨学金の貸付審査にはKSCの情報は利用しないという限定的な使い方をしています。

また銀行子会社の銀行系クレジットカード会社も加盟していますが、JCB、三井住友カード、三菱UFJ ニコスといった独立系のクレジットカード会社は加盟していません。
(例:秋田銀行の子会社である株式会社秋田ジェーシービーカードは登録しているが、株式会社ジェーシービーは未登録)。

信用情報機関では情報共有されている!

以上3つの個人信用情報機関はそれぞれ2つのシステムによって情報を共有しています。
ひとつはCICとJICCとの間で情報交流するシステム「FINE」、もうひとつは3社間で延滞情報を交流する「CRIN」です。
それではそのシステムについて解説しましょう。

CRIN(クリン)

CRINはおもに延滞情報に関しての情報共有ネットワーク。
CRIN(Credit Information Network)は、KSC・CIC・JICCの3機関が自主的運用に基づいて情報交流しているネットワークです。

交流しているのは延滞情報・事故情報(ネガ情報)がメインで、正常利用している情報は含まれません。
しかし共通の基準がないため、それぞれ独自の基準で情報を提供しているという点があまり機能していない要因となっています。

■各社が提供する情報

CIC 延滞解消、貸倒、本人以外弁済、本人申告コメントなど
JICC 延滞、延滞解消、債権回収、保証契約弁済、本人申告コメント
全銀協(KSC) 延滞、代位弁済、取引停止処分、強制解約、本人申告情報

しかし、このCRINがあるため閉鎖的なKSCの情報もある程度クレジットカード審査に活かすことができます。

保証会社付きの銀行融資で3ヶ月以上延滞すると、保証会社が融資利用者に代わって全額を支払います。これが「代位弁済」で、クレジットカード会社はCRIN情報によって代位弁済の事実を確認することができます

クレジットカード申込み前に代位弁済が行われていると、クレジットカード審査にも影響があり、審査は通過しなくなります。

FINE(ファイン)

FINE(Financial Information Network)とは、貸金業法における指定信用情報機関制度に基づき、CICとJICCとの間で行なっている指定信用情報機関間の相互交流ネットワークのことです。

CRINはネガ情報だけの交流にとどまり、自主的に行われている情報交流ですが、FINEは法律に基づきすべての会員情報を交流しているという点で違いがあります。

FINEシステム構築の理由は、他社利用や残高も把握した上で適切な審査により、多重債務を防止するということにあります。
FINE設立以前は、消費者金融で高額な融資残高があってもクレジットカードを作ることが可能でした。

貸金業法が改正されて年収の1/3以上の貸付を禁止(総量規制)している現在では、他社の融資残高も審査の対象とする必要があります。
CRINではそうした法規制に対応できないため、より詳しい情報を共有できるFINEシステムを構築したのです。

ちなみにFINEなどの交流情報開示はまとめて請求できないので、自分の信用情報を確認したいときにはCICとJICCに情報開示請求をしてそれぞれの信用情報開示報告書を確認しましょう。

信用情報機関は同じなのに審査通過の確率が違う理由

クレジットカード会社が審査で参考にしている個人信用情報機関はすべて同じですが、申込者が同じでも審査結果に違いがあるのはクレジットカードの審査基準に違いがあるためです。

同じクレジットカード会社のカードでもグレードによって審査基準は違います。
個人信用情報機関の情報が共通の場合、審査結果にはどのような項目が影響を及ぼすでしょうか?

審査の基本はスコアリング

クレジットカード会社によって多少の違いはありますが、基本的には各審査項目に点数を付けて合計点数が一定基準に達すると審査を通過するというスコアリングシステムを採用しています。

このスコアリングシステムは融資やカードローンの審査でも使われています。
例えば次の表のように配点が行われるとします。

■スコアリング例

審査項目 詳細項目 配点
居住形態 自己所有・家族所有 10
賃貸 5
居住年数 1年未満 0
1~5年未満 5
5~10年未満 7
10年以上 10
勤務先 上場企業・医師・弁護士等 10
中小企業 7
自営業・零細企業 5
勤務年数 1年未満 0
5~10年未満 7
10年以上 10
勤務形態 正社員 10
非正規雇用 5
年収 100~150万円 1
150~200万円 3
200~250万円 5
250~300万円 7
300~400万円 8
400~500万円 9
500万円以上 10

※スコアリング例はあくまでスコアリングの概念を説明するために作ったもので、配点や項目は実際に利用しているものではありません。

上記の場合は満点が60点です。
すべて最低の点数の場合16点となりますが、20点が合格ラインであれば却下されることになります。

スコアリングを足切りに利用している場合と、自動審査システムでスコアリングによってクレジットカード発行の可否を決めている場合では大きな違いがあります。
足切りで使う場合は合格ラインもそれほど高くないでしょう。

しかしスコアリングだけで審査結果が決まる場合は、審査項目や配点基準の数も多く、もっと細かいスコアリングが行われます。
合格ラインも足切りより高くなります。

どちらの場合もスコアリングの他に、個人信用情報機関の情報と自社情報の結果を加えて総合的な判断により審査結果が決まります。

スコアリングの配点は審査基準によって違いがある

スコアリングの例として6つの項目を記載しましたが、実際のスコアリングではコンピューターで処理するので、もっと細かいスコアリング項目と配点になっています。

スコアリングで算出された点数が同じでも、申込したクレジットカードによって審査結果には違いが出ます。

つまり一般カードの合格点数とゴールドカードの合格点数は違うということです。

また、同じ一般カードでもクレジットカード会社によって合格点数も採点基準も違うので、個人信用情報機関の情報が同じでも審査結果に違いが出るのです。

スコアリングに無関係で却下される場合

クレジットカード審査ではスコアリングは必ず行われますが、スコアリングの結果に関係なく却下対象となるケースもあります。
それは個人信用情報機関に事故情報や延滞情報、自己破産などの情報(ブラック情報、ネガティブ情報)がある場合です。

CICの場合は61日以上か3ヶ月以上延滞すると「異動情報」として登録されます。
この異動情報や一定以上の延滞回数があると自動的に却下対象となる場合がほとんどです。

スコアリングに個人信用情報機関や自社データの結果が組み込まれている場合でも、事故情報は大きなマイナスポイントになるので結果的にスコアリングでも却下対象となってしまいます。

つまり信用情報機関の情報だけで結果が決まるのは却下の場合がほとんどで、それ以外はスコアリング結果との総合判断によって審査結果が決まります。

信用情報機関の登録情報がすべてではない。でもこの情報が極めて重要!

クレジットカード審査は総合判断で行われるということを理解していれば、個人信用情報機関の情報だけで審査結果が決まるわけではないということがわかるでしょう。

それでも、信用情報機関にネガ情報(自己情報)が登録されていれば、却下となることは間違いないので少なくてもクレジットカードを申込む場合は却下の原因となる情報が消えてから申込むことが大切です。

どこの個人信用情報機関でも情報開示請求ができるので、審査に不安がある人は個人信用情報機関に登録されている情報を確認してから申し込みましょう。
また、クレジットヒストリーと呼ばれているクレジット利用履歴も、CICのクレジット情報に基づくものです。

きちんと支払っていれば個人信用情報機関に記録されて、信用を作ることができるということも忘れないようにしましょう。


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